第63回全日本総合バドミントン選手権大会観戦記
13日観戦記

 関東地方は6日ぶりに青空が広がる暖かい小春日和の天気となる中、第62回全日本総合
選手権は今日から本戦が始まった。

男子シングルス
ランキングサーキット準優勝、全日本社会人選手権3位と安定した成績を残している日本ラ
ンク4位の竹村純(JR北海道)と全国高等学校選手権2位に佐藤黎(埼玉栄高校)が対戦
した。
「緒戦が課題。体調は悪くないが、体が重く、立ち上がりが不安だ」と話した竹村は、第1
ゲーム15-9とリードするも、配球が浅くなり、スマッシュを決められ、勢いに乗られて、
10連続失点をし、20-16でゲームポイントを握られるが、意地で4ポイントを奪い、
延長ゲームに持ち込んだ。最後は、高校生のガッツあるプレーの勢いに押され、26-24で
1ゲーム目を奪われてしまう。
第2ゲームからは、配球が浅くならないようにラリーし、しっかりスマッシュを沈め、プッ
シュを決めるパターンで得点を重ね、21-17で奪い返した。
ファイナルゲームは、佐藤に疲れがみられ、要所でのミスが出て竹村が優位に試合を進め、
21-15で勝利した。
試合後、竹村は「とにかくタイトルが欲しい。絶対に優勝したい」と本大会にかける意気込
みを語った。

女子シングルス
予選を勝ち上がってきた幡谷好美(NEC SKY)と全日本社会人選手権優勝の野尻野匡世(日本
ユニシス)が対戦した。
第1ゲーム序盤、野尻野のスマッシュのサイドアウトが多く、11-5と引き離されるもの
の、スマッシュが決まり始め、17−17と追いつくが、ロブのミスなどで幡谷がゲームポ
イントを握った。しかし粘る野尻野は相手のミスやスマッシュで一旦は21-20逆転するが、
最後は、ロブがアウトになり、幡谷が23-21で取った。
第2ゲームは、14-14から「もったいないミスが連続してしまった」と振り返った幡谷
にミスが重なり、21-19で野尻野が奪い返した。
ファイナルゲームは、第2ゲームでのミスをしっかりと修正し、コーナーを丁寧に突くラリー
で幡谷が野尻野を翻弄し、21-11で危なげなく奪い、二回戦へと駒を進めた。
明日は、米倉加奈子(ヨネックス)と対戦するが、「米倉さんと試合ができることは幸せなこ
となので、がんばりたい」と抱負を語った。
 対する米倉は、引退を表明し最後の総合選手権出場となった。
 1回戦は全日本ジュニア選手権優勝の峰歩美(岡崎城西高校)と対戦した。試合はファイナ
ルゲームにもつれ込んだが、持ち味の正確なショットで相手を攻めたて、21-13でものに
して2回戦に進んだ。
 この大会への想いは強く「地元の関係者がたくさん応援にきてくれて“今までありがとう”
と声をかけられる」と話すとうっすらと目に涙を浮かべた。
 明日は「今までの自分らしさを見てもらえるプレーをしたい」と力強く抱負を語った。

本大会3度目の優勝を狙う日本ランク1位の廣瀬栄理子(三洋電機)と全日本社会人選手権5
位の後藤舞(広島ガス)が対戦した。
第1ゲームは、廣瀬らしいスピーディーなラリーを展開し、スマッシュや相手のミスなどで
20-17でゲームポイントを握り、最後はスマッシュを決め、21-17で第1ゲームを奪った。
第2ゲームは、廣瀬が11-7とリードした場面で連続してミスをして、14-17と逆転されるが、
我慢強いラリーで相手のミスを誘い、最後は、ボディへのスマッシュを決め、21-17で勝利し
た。
この他では、昨年優勝の今別府香里(三洋電機)、大阪インターナショナル優勝の樽野恵(N
TT東日本)、ランキングサーキット優勝の後藤愛(NTT東日本)らが順当に勝ち上がった。

男子ダブルス
昨年度全日本学生選手権優勝の日本ランク4位の数野健太(日本ユニシス)/早川賢一(日本
大学)と全日本社会人選手権5位の武山修三/園田啓悟(YKKAP九州)が対戦した。
数野が後衛からスマッシュし、早川が前衛で決めるパターンで得点を重ね、第1ゲーム21-14、
第2ゲーム21-11と安定した強さを見せた。また、昨年度ベスト4入りした残りの3ペアの
舛田圭太/大束忠司(トナミ運輸)、坂本修一/池田信太郎(日本ユニシス)、川口謦士/
川前直樹(NTT東日本)も順当に勝ち上がった。

女子ダブルス
女子ダブルス1回戦では、北京オリンピックで大活躍した“スエマエ”こと末綱聡子/前田美順
(NEC SKY)は全日本学生選手権3位の垣岩真未/佐藤亜沙(日本体育大学)と対戦した。第1ゲ
ーム序盤は1点の争う接戦となった。しかし、抜け出したのは末綱/前田。15-12とリードすると、
前田が後衛からスマッシュを2本続けて打った後、レシーブが甘くなったところをそのまま前に
つめて豪快にスマッシュを決めるなどして点差を広げ、ゲームポイントを握ると垣岩のクロスス
マッシュを前田が鮮やかにストレートに運び21-15で奪った。
第2ゲームに入ると「上げてくれないし、攻めることが出来なかった。球が重くて速い」と
垣岩が振り返ったように、前田の後衛からのスマッシュ、末綱のネット前の丁寧なプレーと意表
をつくレシーブで相手を寄せ付けず21-14のストレートで2回戦に進んだ。
試合後、末綱は「いい緊張感でコートにはいれたし、自分たちのプレーが出来た」と話せば
前田は「初戦は緊張していたようで動きが硬かった。ひとつひとつ目の前の試合を頑張ってい
きたい」とコメントした。

また、今大会5連覇を目指す小椋久美子/潮田玲子(三洋電機)は、全日本社会人選手権3位の
岩脇史/広岡まり香(NTT東日本)と対戦した。
オリンピック後日本リーグで試合を経験している潮田に対して、小椋はこの試合が始めての試合
となった。
 小椋は「コートに入ってから緊張した、前半はいいプレーが出来なかった」と反省したが、
第1ゲームは、小椋/潮田は長いラリーにも慌てることなくしっかり確実にシャトルをつなぎ相
手にミスを誘い、また、岩脇/広岡のドリブンクリアをセンターに集める攻めに対しても落ち着
いて対応し、21-8で奪った。
第2ゲームは序盤競り合ったものの「11点を超えてから2人のリズムが合い始めた」(小椋)
「いい試合だった」(潮田)と振り返えるように9-9から連続して11ポイントを奪い結局21-10
のストレートで破り順当に2回戦に駒を進めた。
 「緊張感と相手のことを考えてプレーするので、頭が疲れる。体力面はコーチとの練習の方が
きつい」と余裕のコメントの潮田。一方、小椋は「体のことはこの大会に合わせてきているので
心配ない。やはり試合は雰囲気が違う」と話した。
安定感のある試合運びに力強さとうまさも加わり、「悔いがないように最後まであきらめずに戦
う」と2人の気迫あふれるプレーは明日以降楽しみだ。

混合ダブルス
大会4連覇を目指す舛田圭太(トナミ運輸)/前田美順(NEC SKY)は全日本社会人選手権優勝の
平田典靖(トナミ運輸)/松尾静香(三洋電機)と対戦した。
 前田が「自分たちよりコンビネーションがうまくいってる」と警戒していた通り、第1ゲーム
は、1点を争う好ゲームとなったが13-13から舛田が豪快にスマッシュを決めると、次は一転して、
カットで動かして甘くなったロブをスマッシュで決めてリードするとさらに4連続ポイントを上げ
突き放し21-15で舛田/前田が奪った。
 第2ゲームは序盤も第1ゲーム同様に接戦となったが12-12から抜け出したのはまたしても舛田
/前田。前田のショートサーブに平田、松尾が連続してネットにかけてしまう。「サーブだけなん
です」と謙遜して話す前田がきっちりと自分の役割を果たしてリードを広げ20-15とマッチポイ
ントを握ると最後は松尾のミスを誘い21-15のストレートで3回戦に駒を進めた。
「圭太さまさま」と話す前田は「勝って安心した。決勝まで上がりたい」と力強く抱負を語った。

14日観戦記

 男子シングルスでは前回優勝の佐々木翔(北都銀行)が日本ランキング8位の古財和輝(トナミ
運輸)と対戦した。
 佐々木は今年度ランキングサーキット、全日本社会人選手権で優勝を飾り、好調を維持している。
 第1ゲーム佐々木が8−2とリードしたが、「風の計算が出来ず打ちすぎてリズムが悪かった」
と反省するようにスマッシュミスを重ね、連続8ポイントを失い、あっさり逆転を許してしまう。
ゲーム後半には粘り強くラリーをつなぎ1点差まで詰め寄るが、古財に押し切られ21-18で失う。
 第2ゲームに入ると佐々木はスマッシュを打たせる戦法に出ると古財にミスが目立ち始め21-11
で奪い、ファイナルゲームに決着は持ち込まれた。
 ファイナルゲームは12-10とリードした佐々木はここぞという場面では強烈なスマッシュを放ち
連続8ポイントを奪い、マッチポイントを握ると、最後はフェイントをきかせたヘアピンを決めて
勝利した。「緊張していたが2、3ゲームやって羽が見えてきた。対戦する相手に勝つことが目標
で連覇は意識していない」とコメントした佐々木の準決勝の相手は佐藤翔治(NTT東日本)。
佐々木は「組み合わせが決まった時から準備してきた。全力でぶつかっていきたい」と昨年の
この大会以来1年ぶりのライバルとの戦いに決意を語った。

女子シングルス準々決勝では社会人1年目の打田しづか(日本ユニシス)と引退を表明したて最後
の総合選手権となる米倉加奈子(ヨネックス)が対戦した。
 打田は今日行われた2回戦で平山優(日本ユニシス)を、米倉も幡谷好美(NEC SKY)をストレ
ートで下して勝ち上がってきた。
 第1ゲーム立ち上がり主導権を握ったのは米倉。コーナーを突く正確なショットでいきなり5-1と
リードする。これに対し打田は早めに攻撃を仕掛け追い上げ一旦は12-11と逆転する。しかし、ここ
から攻め急いだのかミスが続き、5連続失点し、米倉が優位にゲームを運び21-17で奪った。
 第2ゲームに入ると、打田が米倉のフォア前にカットを集中させたり、2回戦の平山戦で有効
だったフォア奥への球を多く使い、常にリードする展開に持ち込み、21-18で奪い、決着はファイ
ナルゲームに持ち込まれた。
「ヨネックスに入社して神谷ジャーミンコーチに出会いフットワークや打ち方が違うと言われ試合
に勝つことも大事だが技術的なことは誰にも負けないぐらい練習してきた。積み重ねてきたことが
この年齢までできた」と競技生活を振り返る米倉は、ファイナルゲームに入ると、米倉がうまさ
を発揮し、攻撃を仕掛ける打田を高い球で変化をつけて寄せつけず、21-10で簡単に奪い、ベスト4
進出を決めた。「根性で勝った」と話す米倉の準決勝の相手は後藤愛(NTT東日本)。「ナショナ
ルチームに入り、力をつけている選手。ショットが正確で意表を突く球がある。“もう奇跡は起こら
ないと思う”」と笑顔で答えた。

男子ダブルス準決勝では日本ランキング2位の坂本修一/池田信太郎(日本ユニシス)と日本ランキ
ング6位の堀川善生/藤田真生(法政大学)が顔をあわせた。
池田/坂本は平成18年のこの大会で優勝を飾ったものの、昨年は準決勝で敗退し北京オリンピック
でも初戦敗退と結果は出ていないが、実力はだれもが認めるところ。
対する堀川/藤田は今年の全日本学生選手権では5位に終わったがこの大会の2回戦では全日本社会
人選手権3位の會澤真之介/仲澤悟史(ウエンブレー)をファイナルで破り勢いに乗っている。
第1ゲーム、堀川/藤田はコンビネーション良く攻撃を仕掛けるが池田/坂本は低いロブとドライブ
を左右に打ち分け追随を許さない。
「この大会に向けて気持ちを高めてきた。直前の合宿では、インドネシアペアにスパーリングしても
らい調整してきた」坂本/池田が21-17で奪う。
 第2ゲームは一方的に坂本/池田のペースで進み、持ち味の池田の後衛からのスマッシュ、坂本が
ネット前で決めるスピーディーな攻撃で4-3から連続10ポイントを奪い圧倒する。レシーブから攻
めるパターンに持ち込むなど思い描いたゲームメイクで21-12で勝利した。
 試合後坂本は「雰囲気にも慣れ、調子は上向き。チャレンジャーの気持ちで頑張りたい」と話し、
池田も「頂点を目指したい」と“イケサカ”は大会2度目の優勝に挑む。

女子ダブルス準々決勝では小椋久美子/潮田玲子(三洋電機)は日本ランキング8位で全日本社会人
選手権3位の日野由希江/小池温子(広島ガス)と対戦した。
第1ゲーム、主導権を握ったのは「作戦はなく、向かっていこうという気持ち」で臨んだ日野/
小池。リズムよく積極的に攻撃を仕掛け、粘り強いレシーブでじわじわと点差を広げていく。小椋/
潮田はミスが目立ち、中島コーチから「レシーブをしっかり作れ」と指示が出るが、流れを引き
寄せることができず、20-15で日野/小池がゲームポイントを握る。ここから小椋/潮田はお互いに
スマッシュを決めて20-19と1点差まで追い上げたが、最後は潮田のフォアストレートのドライブは
ネットにかかり21-19で日野/小池が奪った。
第2ゲームはお互いに一歩も譲らない白熱したゲーム展開となった。宮元監督(広島ガス)は
「小椋/潮田にいいコースを打たれてネット前に返してつぶされていたので、きた球をはじき返して
行けと指示したが、これが意表をつくショットとなり、相手にミスが多かったのでは」と振り返っ
たが、15-15から一旦抜け出したのは小椋/潮田。日野/小池の執拗な連続スマッシュをしっかり
したレシーブでしのぎ連続3ポイントをあげて突き放したかに見えたが、粘りを見る日野/小池は
1点差に詰め寄ると潮田のスマッシュレシーブがバックアウトとなり19-19の同点とした。お互い
1点ずつ取り合い20-20から、ここで「競ったから最後は開き直れてプレーできた」と話す潮田が
判断よくクロス前へ柔らかいショットを放ち21-20でゲームポイントを握ると、最後はセンターに
上げたロブを日野/小池がお見合いしたシャトルがIN。22-20で小椋/潮田が奪い返した。
 ファイナルゲームに入ると「スピードについていけるようになりしのげた」と小椋が話すよう
に小椋/潮田が常にリードする展開となった。小椋のスマッシュ、潮田のネット前のクロスショット
と持ち味を発揮して点差を広げていく。「相手は冷静に攻めるようになり、こちらにミスが出てしま
った」と日野が振り返るように最後は小椋がスマッシュを沈め21-15の逆転勝ちでベスト4に進ん
だ。試合後小椋は「競って勝っているのでこれを生かして頑張りたい」潮田も「明日はもうちょっ
と思いっきり戦える」とコメントしたが、準決勝の相手がインターハイ優勝の高橋礼華/松友美佐紀
(聖ウルスラ学院英智高校)とわかると小椋は「経験だけでは負けないぞ」と冗談交じりに話した
が、すぐに「強い選手なので高校生を意識せず自分たちのプレーを出してしっかり戦いたい」と
表情を引き締めた。また潮田も「向かってくると思うので、自分たちも向かっていく気持ちで全力
で勝ちにいこうと思う」と抱負を語った。

混合ダブルス準々決勝では、全日本社会人選手権準優勝の川前直樹/田井美幸(NTT東日本)と
同大会3位の廣部好輝/金森裕子(日本ユニシス)が対戦した。
 田井はペアが違うものの昨年のこの大会は準優勝。対する廣部/金森は今年の社会人選手権で
初めてペアを組んで出場した。
第1ゲームは攻撃的に打ってくる川前/田井の前に廣部/金森はレシーブにまわることが多く、
思うようにゲームをさせてもらえず川前/田井が20-14でゲームポイントを握ると川前のスマッシュ
をレシーブした廣部のクロスへのロブはサイドアウトとなり第1ゲームは川前/田井が奪った。
第2ゲームも序盤は川前/田井が優位にゲームを運んだが、「パートナーに助けられた。前衛に
集中してできたのが良かった」と金森が振り返ったように13-13と同点に追いついてからは廣部が
田井の前のカットを沈めたり、金森が甘いレシーブを確実にプッシュで決めるなどペースをつかみ
21-17で廣部/金森が奪い返した。
 ファイナルゲームに入ると、1点を争う好ゲームとなったが抜け出したのは廣部/金森。14-13と
リードすると相手のミスに乗じて3連続ポイントをあげ突き放すとそのまま21-18で押し切り初出場
でベスト4進出を決めた。金森は「ここというところで点が取れたのが良かった。精神的にも落ち着
いていた。決勝に行きたい」と抱負を語った。

15日観戦記

 男子シングルス準決勝は昨年のチャンピオン佐々木翔(北都銀行)と昨年敗れるまで4連覇して
きた佐藤翔治(NTT東日本)が顔を合わせた。
 第1ゲームの立ち上がり、佐々木はスマッシュを放つがネットにかけてしまう。佐々木の動に対し、
佐藤は確実にシャトルコントロールする静の構えでじわじわと点差を広げていく。7-3からは連続7
ポイントあげ突き放し「第1ゲームは勝負したかったが点数が離れてしまった」と佐々木が振り返る
ように、佐藤が21-9で奪う。
 第2ゲームに入っても、佐々木はスマッシュで攻めたてていく。7-5と佐々木がリードした場面で
この試合はじめてカットを打ち、ヘアピンが浮いたところをプッシュで決めて優位にゲームを進める。
佐々木のスマッシュをストレートまたクロスにと強烈に打ち込み20-8とゲームポイントをつかむと
最後はカットをネットインさせ勝負はファイナルゲームにもつれこんだ。
 ファイナルゲーム、佐藤はジャンプしてのハイバックからのスマッシュを放つなど観衆を驚かせたが、
佐々木もクロススマッシュを豪快に決める1点を争う好ゲームとなった。12-12から、佐々木のフェイ
ントをきかせたヘアピンがネットを越えず、佐藤がポイントを加えると、強烈なスマッシュを何度も
必死でレシーブ、佐々木にスマッシュ&ネットで攻めこまれたが、これがバックアウトになると、佐藤は
さらにクロススマッシュを決めて抜け出す。「1点先にリードできなかった。気持ちが引いてしまった」
と佐々木はこの場面を悔やんだ。こうなると、佐藤のペースとなり、20-16でマッチポイントを握ると
佐々木がネット前の甘い球をプッシュで押し込んだが、サイドアウトになり佐藤が勝利をおさめた。

 男子シングルス準決勝もうひとつのカードは、9月のヨネックスオープンでベスト4に入った田児賢一
(NTT東日本)と、全日本社会人3連覇の池田雄一(日本ユニシス)が対戦した。
 第1ゲーム、田児はクロスロブとクロススマッシュを多用するプレーで攻め立て、一方池田は我慢強く
丁寧につなぎチャンスでスマッシュする、1点を取り合う緊迫した展開となった。11-11から田児がフェ
イントを利かせた絶妙なクロスネットを決め15-12と抜け出すも、ドロップ、ロブのミスを連続して池田が
17-15と逆転し、そのまま流れをつかんだと思われたが、池田のネット前でのショットが連続して入らず、
17-17と追いつかれてしまう。田児が一気にスマッシュ・ネットで攻めたて、ラリー中に池田の右足が
つったところにスマッシュをサイドライン沿いに決め、20-17でマッチポイントを握った。池田の足の
テーピングのため5分ほど試合が中断されるが、勢いそのまま田児が21-17で1ゲーム目を奪った。
 第2ゲームは、10-6とリードする池田が攻め急いでミスが重なり10-10と追いつかれてしまう。そこから
お互いに点を取り合うが、田児は「後半になっても動きとシャトルのスピードが落ちなかったので、相手
がミスしてくれた」と振り返るように、リードされても慌てることなく池田のスマッシュミスなどで
15-17から5連続ポイントを奪いマッチポイントを握った。最後は池田のスマッシュがサイドラインを割り、
21-18で田児が決勝進出を決めた。
 試合後田児は、「世界の中で勝ちたい。今大会は通過点であり、気楽にやれたからここまでこれた」
とコメントし、明日優勝を争う佐藤については、「本番でやるのは初めて。総合4連覇しているので、
総合を知っている。向かっていきたい」と話した。

 女子シングルス準決勝は廣瀬栄理子(三洋電機)と樽野恵(NTT東日本)が対戦した。廣瀬は北京
オリンピックベスト16に入り、この大会でも過去2回優勝している。樽野は昨年この大会で3位になり、
今年4月の大阪インターナショナルでは優勝している。
 第1ゲーム立ち上がり、廣瀬が6連続ポイントをあげて、樽野本来のクリアで追い込み、チャンスで
スマッシュを決める。昨日までの動きがみられずミスを重ねてしまう。廣瀬もフォア奥へのロブに対して、
2本ウォッチしたがいずれもINで風向きをうまくとらえきれていない様だった。しかし、樽野はロブや
カットをことごとくネットにかけたり、サイドアウトにするなど自滅する形で21-10で廣瀬が奪った。
 第2ゲームに入ると、樽野らしくスマッシュで攻めこみ、ネット前へのリターンをクロスにはこび、
5-5の同点に追いつくと、廣瀬のカットミスでこの試合はじめてリードを奪う。しかし、廣瀬もスマッシュ
やカットを鮮やかに決めて、再び逆転すると、樽野に1点差まではつめ寄られるものの、同点を許さない。
17-15と廣瀬がリードしたところで樽野のスマッシュミスや廣瀬が得意のクロスカットで点数を加え、
21-15のストレートで決勝進出を決めた。

準決勝もう1試合は、今期で引退を表明した米倉加奈子(ヨネックス)と今大会安定した戦いを見せている
後藤愛(NTT東日本)が対戦した。
第1ゲーム序盤、後藤の動きが固く、6-9とリードされるが、低いクリアやスマッシュ、カットを使った素早
いラリーを展開し、体がついていかない米倉に思うようにプレーさせず、後藤が簡単に21-14で奪った。
第2ゲームも後藤のスピーディーなラリーで17-14とリードされるが、長年指導を受けてきた神谷ジャーミン
に「“後ろの方に球を出せ”とアドバイスを受け、インコーストアウトコースに打ち分けたのが的中した」
と試合を振り返った米倉は、クリアを中心にコーナーを丁寧に突き、後藤のスマッシュ、カットを我慢強く
しのぎ完全に流れを引き寄せ、連続7ポイントで21-14と2ゲーム目を奪い返した。
 ファイナルゲームは、米倉が早く低いクリアとロブをバックに集め、追い込まれた後藤の浅くなったクリア
をスマッシュする攻撃的なプレーで得点し21-10で圧倒した。
 試合後米倉は、「楽しくプレーでき、加奈子コールが力になった」とファンに感謝を述べ、明日は「決勝
にこれるとは思っていなかった。東京・代々木はラストになるので、精一杯やりたい」と抱負を語った。

 注目の一戦となった女子ダブルス準決勝小椋久美子/潮田玲子(三洋電機)とインターハイ優勝の高橋礼華
/松友美佐紀(聖ウルスラ学院英智高校)が対戦した。試合前に田所監督(聖ウルスラ学院英智高校監督)は
「高校生らしい感動を与える楽しい試合をやってみろ」と2人を激励して送り出して始まった第1ゲーム、
高橋/松友が思い切ったプレーで互角にラリーを展開し、7-6とリードする。しかし。小椋/潮田は慌てること
なく、連続8ポイントを奪ってあっさり逆転し結局21-11で先取した。「勢いにのっていけるかなと思ったが、
小椋さん潮田さんはレシーブも堅く、攻撃もすごかった」と高橋は試合を振り返ったが、第2ゲームに入っ
ても、小椋/潮田が優位にゲームを運んだ。高橋の後衛からのスマッシュやカットでの攻めを松友に後衛に
もっていく配球をされ、攻めきることが出来ずイージーミスも出て21-12のストレートで小椋/潮田が決勝進出
を決めた。決勝戦にむけて小椋は「決勝で末綱/前田と戦うのは楽しみ。勝って最期を終わりたい」潮田も
「6月の実業団選手権で敗れているのでリベンジする気持ちで向かっていく」と抱負を語った。
また、ペアとして最後の試合になることについて潮田は「1分1秒でも長くコートに立っていたいと思う。
明日は長くコートに立てるよう頑張る」とコメントした。

 もう一方では、北京五輪4位で一気に知名度を上げた末綱聡子/前田美順(NEC SKY)と、久々の
ひのき舞台に戻ってきた多谷郁恵/脇坂郁(三洋電機)が対戦した。
「去年の日本リーグ最終戦で負けた相手なので、出だしに集中した」と末綱が語ったように第1ゲーム序盤
から末綱/前田が一気にリードを広げた。強烈なスマッシュでリズムを作り、攻めの姿勢でどんどん加点して
いく。この流れは止まることなく、第1ゲームは何と21-6の大差で末綱/前田が奪った。
第2ゲームに入っても末綱/前田の勢いは衰えない。前田が強烈なスマッシュを決めれば、末綱も激しいドラ
イブ合戦を制し追加点。多谷/脇坂は終始守りにまわされ、持ち味の攻撃力を発揮できなかった。終わって
みれば21-11と末綱/前田の貫録勝ち。
今年に入ってから北京五輪4位、ヨネックスオープン3位と立て続けに快挙を成し遂げた2人。「自信がつい
た。相手がよく見えるし、気持ちに余裕がある」(末綱)と語るように、コート内では風格さえ漂わせてい
る。しかし最後は、「明日は挑戦者の気持ちで」と、頂上決戦に向けて締めくくった。

男子ダブルス準決勝では日本ユニシスの小宮山元/廣部好輝と、同じ日本ユニシスで北京五輪代表の坂本修一
/池田信太郎が対戦した。
序盤からペースを握ったのは坂本/池田。リードを広げ第一ゲームを11-4で折り返した。打って攻める得意の
パターンに持ち込みたい小宮山/廣部だが、坂本/池田の鋭いドライブと柔らかいネットプレーでなかなか
チャンス球を与えてもらえない。我慢しきれずミスを重ねた小宮山/廣部を尻目に、坂本/池田は得点を重ね、
第1ゲームを21-12で奪った。
しかし第2ゲームに入ると、坂本/池田の勢いは止まってしまう。「体育館内に風が回っていて、気になって
集中力が切れてしまった」(坂本)と語る坂本/池田はイージーミスを重ね、8-11とリードされてしまう。
持ち前の強打を繰り出し、徐々にリズムに乗った小宮山/廣部が先行する形でゲーム終盤に入った。しかし、
「攻められる中、どうやって攻守交替するか、どうやって戦っていくか、そういったことを考えていた」
(坂本)という坂本が集中力を取り戻し、再びドライブ合戦から7連続得点を奪って逆転に成功。押し切って、
明日の決勝へ駒を進めた。
もう一方は、総合5回優勝でこのペアで最後の総合となる舛田圭太/大束忠司(トナミ運輸)と勢いのある数野
健太(日本ユニシス)/早川賢一(日本大学)が対戦した。
 第1ゲームは、「すごくいい流れだった」と大束が振り返ったように14-13から舛田/大束が抜け出し、
20-14とゲームポイントを握り、早川のロブがアウトになり、簡単に1ゲーム目を奪った。
 第2ゲームは、舛田/大束の流れのまま、大束が積極的に前に入り、舛田がスマッシュを強打し11-5とリード
するが、「勝ちを意識してしまった」と大束が反省したようにミスが出始め、我慢を続けてきた数野/早川が
連続ポイントで詰め寄り、19-18と追い上げた。舛田の低いロングサーブに早川が対応しきれず、20-19でマッチ
ポイントを握られるが、数野かスマッシュとプッシュを決め、20-20とし、舛田のショットは2本連続でアウト
となり、22-20で決着はファイナルゲームに持ち込まれた。
 ファイナルゲームは、2ゲーム目の勢いで早川がゲームをコントロールし数野がスマッシュする得意のパターン
で抜け出し、反撃するスキを与えずに20-13でマッチポイントを握った。最後は早川がスマッシュを決め、勝利の
雄叫びをあげ、21-13と接戦を制した。

 混合ダブルス準決勝は、日本ユニシスの廣部好輝/金森裕子と小宮山元/浅原さゆりのチームメイト同士の対戦
となった。廣部と小宮山、金森と浅原はそれぞれペアを組み、男女ダブルスにも出場しており、勝敗の行方に注目
が集まった。
 ゲーム開始直後から一進一退の攻防が続いた。お互い簡単にチャンス球を与えず、空いたスペースの狙い合いと
なった。第1ゲーム11-11の同点から廣部/金森がペースを握り始める。金森がサービスフォルトを何度か取られた
ものの、小宮山のスマッシュを拾ってはカウンターし、じりじりとリードを広げる。追いつかれそうな場面も金森
が前でつくり、廣部が打つというパターンが決まり、第1ゲームは21-19で廣部/金森が奪った。
 第2ゲームに入ると2人のコンビネーションはさらに機能する。金森の前衛での処理はさらに冴えわたり、廣部
も後衛から巧みなシャトルワークで相手を翻弄。小宮山/浅原はローテーションが崩れ、空いたスペースに何度も
打ち込まれる場面が続いた。結局21-13で廣部/金森が勝利し、今年結成された新ペアながら初の決勝進出を決めた。

もう一方は、総合3連覇の舛田圭太(トナミ運輸)/前田美順(NEC SKY)は、予選からの出場の堂本克樹/
藤原由衣(三洋電機CE)と対戦した。
第1ゲームから長身でハードヒッターの舛田、堂本のスマッシュを活かすため、激しいドライブ合戦とネット前での
攻防が繰り広げられ、1点を争う好ゲームとなった。19-19とこう着した状態で低いロブを舛田が素早く反応し、
飛びついてスマッシュで決め、20-19でゲームポイントを握るが、舛田のサーブを藤原がスマッシュで決め20-20と
追いつくが、舛田もスマッシュを決め返し、最後は藤原にシャトルを集め、思うようにプレーさせず、22-20で舛田
/前田が奪った。
 第2ゲームは、10-9で疲れの見え始めた堂本/藤原に対し、リードする舛田/前田は安定したプレーを見せ、抜け
出し20-14でマッチポイントを握り、最後は藤原のロングサーブがアウトとなり21-16で舛田/前田が大会4連覇に
王手をかけた。
16日観戦記

 男子シングルス決勝は、大会初優勝を目指す田児賢一(NTT東日本)と北京オリンピック代表でこの大会5度目
の優勝を目指す佐藤翔治(NTT東日本)が対戦した。9月のヨネックスオープンジャパンでベスト4に入り、「試
合の中でペース配分ができるようになり、スピードもついてきている。」と話す田児が、この種目最年少の19歳4
ヵ月で王者につくかが注目された。
 田児のショートサーブで始まった第1ゲーム、佐藤は田児のフォア奥へのクロスロブに対してスマッシュを決め、
4-4の同点とするとガッツポーズを見せ、さらに得点を加え序盤は佐藤優位にゲームが進む。一時は点差が4点離れる
場面もあったが、粘る田児はスマッシュや佐藤のミスにも助けられ10-9と1点差に迫ると、ヘアピンの浮き球をプッ
シュして10-10とする。さらに田児は、佐藤のジャンピングスマッシュをネットインで返球し、佐藤のリターンが甘く
なったところを決めようとしたがネットにかけてしまい「イカン」と思わず声を出す。このゲーム最大のポイントと
なったのは、佐藤がスマッシュ&ネットで15-15になってから。田児がネットからの浮き球に対して早いタッチでスマ
ッシュを決めると、佐藤に4本連続でミスが続き20-15とゲームポイントを握る。田児のヘアピンミスで1点を返され
るが、最後は佐藤のバック奥からのカットがネットにかかり、21-16で田児が先取した。佐藤はこのゲーム後半、バッ
ク奥からのスマッシュとカットで3本ミスをして流れをつかむことができなかった。
 第2ゲーム立ち上がり、田児はジャンピングスマッシュ&ネットで先制すると、続くストレートスマッシュに佐藤は
1歩も動けない。さらに強烈なスマッシュを決めて田児のパワーに佐藤が圧倒される。佐藤も田児のコースを読み切り、
スマッシュ&ネットで追い上げ9-9とする。しかし田児はすぐさま強烈なクロススマッシュを決めると、ネット前から
のフェイントを利かせたバック奥への低いロブに佐藤が対応できず、点数を加え一気に15-9 と突き放す。田児は佐藤
の強烈なスマッシュに身を呈して必死にレシーブするなど自分の力を十分に発揮して点数を加えていく。18-12から田児
は佐藤のクリアとクロススマッシュをウォッチするがいずれもイン。「ゲーム後半になってウォッチするのは良くない」
と反省した。2点差まで詰め寄った佐藤だが、ドライブをネットに掛け、思わず天井を仰いでしまう。最後は田児が、
佐藤のロブが浅くなったところを豪快にクロススマッシュを決め、21-16のストレートで初優勝を飾った。
 「総合は通過点と思っているが勝ててホッとしている。」と素直に喜んだ田児だが、ロンドンオリンピックについて
は「今は考えていないが、あと3回ヨネックスオープンジャパンがあるので、頑張ろうと思っている。そこでいい結果
を出せれば見えてくると思う。」とコメントした。

男子ダブルス決勝は、前回大会は準決勝敗退を喫し王座奪還に燃える坂本修一/池田信太郎(日本ユニシス)が、準決
勝で舛田圭太/大束忠司(トナミ運輸)を破り初の決勝進出を果たした若手のホープ数野健太(日本ユニシス)/
早川賢一(日本大学)の挑戦を受ける形となった。どちらもドライブを中心とした攻撃が持ち味で、スピーディな試合
展開が期待された。
第1ゲーム、気合いを全面に出して攻める数野/早川に対し、冷静沈着に相手の出方をうかがう坂本/池田。先にペー
スを握ったのは挑戦者、数野/早川だった。華麗なローテーションから連続でスマッシュし、決めれば雄叫びとともに
ガッツポーズ。11-10の場面から連続得点を重ねた数野/早川は、21-15で第1ゲームを先取した。
終始受けにまわった坂本/池田だったが、第2ゲームからようやく自分たちの流れをつかみだす。8-8の場面での微妙
なジャッジに集中力を欠いた数野/早川を攻めたて、徐々にリードを広げる。坂本/池田の柔らかい球まわしにより
なかなかチャンスを与えてもらえない数野/早川は、我慢しきれずミスを連発。甘い球を確実に強打しては得点を重
ねた坂本/池田が21-16で第2ゲームを取り返した。
運命のファイナルゲーム、坂本/池田は集中していた。序盤こそ数野のスマッシュで崩され早川に前で決められる
パターンから5-8とリードを許したものの、サーブからのタッチを早くし、絶妙にネットに切っては甘い球をどんどん
決めていった。数野/早川の強打をドライブで切り返してはスマッシュを浴びせるという本来の形を取り戻した坂本/
池田は、リードを広げ、最後は坂本のスマッシュが豪快に決まり、決着。坂本/池田が2年ぶり2度目の王者に返り
咲いた。試合後、坂本は「メンタルは充実していた。攻められながらも我慢できた。運もよかった。」と振り返り、
池田は「正直ベストからは程遠かったが、攻めの姿勢でがんばれた。」と語った。また、敗れはしたものの好ゲーム
を演じた数野/早川に対して「2人の成長のためにも、今日は絶対に負けられなかった。」とするも、「舛田/大束
に勝って決勝にあがってきたことは嬉しかった。」とねぎらった。

女子ダブルス決勝は、総合5連覇のかかる”オグシオ”こと小椋久美子/潮田玲子(三洋電機)と北京オリンピック
4位と勢いのある”スエマエ”こと末綱聡子/前田美順(NEC SKY)の対戦となった。オグシオは今大会が個人
戦での最後の試合となるため、代々木第二体育館は2800人もの観客で埋め尽くされた。
第1ゲーム、小椋/潮田はスピーディな力強い連続攻撃、末綱/前田は堅いレシーブでチャンスを作る粘り強いラリー
で、ともに持ち味を存分に発揮し1点を争う好ゲームとなった。スマッシュとカットで崩された小椋がなんとか返した
ロブを、前田が見送るとそれがインとなり、20-18で小椋/潮田がゲームポイントを握る。しかし、決め急いだ潮田の
プッシュがアウトとなり1点差に追い付くと、末綱の鬼気迫るスマッシュ2連打で甘くなった返球を前田がプッシュ。
20-20と延長ゲームになった。前田のスマッシュレシーブがアウトになり21-20とゲームポイントを握り、小椋/潮田は
冷静にスマッシュを左右に大きく打ち分け、チャンスを作るがプッシュをミスしてしまう。2度ゲームポイントをしの
ぐものの、「勝ちたい気持ちが強すぎて空回りしてしまった。」と末綱が反省したように自分たちプレーができず、
小椋がスマッシュを決め、24-23とした。最後は小椋のロングサーブを前田がスマッシュしたが、ネットにかかり、
25-23で小椋/潮田が接戦で第1ゲームをものにした。
第2ゲームは、出だし末綱にミスが目立ち小椋/潮田が連続でポイントを奪う。末綱が小椋のスマッシュをカウンター
でクロスドライブを決め、6-8と詰め寄ると、末綱/前田が粘り強い本来のプレーを取り戻し小椋/潮田のミスを誘い、
流れをつかむと畳みかけるように攻めこみ19-15とした。思うようなプレーをさせてもらえず苦しい小椋/潮田だが、
この悪い流れを断ち切ったのは、「すごく冷静に戦えた。2人の動きとかがすごくよく見えた。」と振り返った潮田で
ある。レシーブとネット前で空いたスペースにフェイントを利かせた華麗なラケットワークでシャトルを運び、ロブ
させると小椋のスマッシュ、潮田のプッシュと相手に息をつかせない連続攻撃で一気に流れを引き寄せた。チャンス
での潮田の前衛の飛びつきスマッシュなどで19-18と1点差に詰め寄ると、とにかく1本が欲しい末綱/前田の連続
スマッシュを、攻めに転じるレシーブを潮田が打ち、得意の攻撃パターンで2本奪い20-19でマッチポイントを握った。
最後は潮田が空いたスペースにシャトルを運び、21-19で5連覇を果たした。優勝を決めた瞬間、「玲ちゃんと一緒に
戦えたことがうれしい。」(小椋)、「(優勝できたことが)信じられない。コートに立つのも苦しかった。我慢して
いたことが一気に出てしまった。」(潮田)と二人は涙を流し抱き合った。
試合後ペア再結成について「違う子とやってみたいという気持ちがあって、玲ちゃんもわかってくれた。2人で話し合
って決めた道なのでしっかり前に進みたい。」(小椋)、「オグッチが1年1年ではなく4年一緒に戦えるパートナー
とやりたいといってくれたので、もうない。」と話した。

女子シングルスは、北京オリンピックベスト16の廣瀬栄理子(三洋電機)とシドニー、アテネと2度のオリンピック
を経験し、’98アジア大会女王に輝いている米倉加奈子(ヨネックス)が対戦した。
第1ゲーム5-2と廣瀬がリードしたところで、このゲーム初めての長いラリーが続いた。上がってきたら先に攻める廣瀬
は、得意のクロスカットを2本放つが、米倉はこれをしっかりとレシーブして粘る。しかし、廣瀬のストレートのカット
には対応しきれず米倉はリードを広げられてしまう。廣瀬もまだコートの風を読み切れないのかカットミスやロブをバッ
クアウトさせるなど失点するが、安定したゲーム運びを見せる。11-7の場面では米倉が3本連続のスマッシュを放ち攻め
るが、これをしのいだ廣瀬がクロススマッシュを決めてリードする。廣瀬は、14-11の場面で米倉のミスから連続6ポイ
ントをあげ、ゲームポイントを握る。米倉は廣瀬のクロスカットをなんとか返そうとするが、ネットにかかり第1ゲーム
は21-11で廣瀬が奪った。第2ゲームに入ると米倉は粘りを見せ、ネット前に詰めてきた廣瀬のプッシュをしっかりレシ
ーブしてから空きのコートに送ってこの試合初めて3−2とリードを奪う。しかしここまでの4試合中3試合がファイ
ナルにもつれ込む接戦を戦ってきたせいか、ミスが出てしまい、簡単に逆転されてしまう。11-9と廣瀬がリードすると、
カットで体勢を崩してからスマッシュを決めるなど米倉から連続7ポイントを奪う。米倉もフェイントをきかせたヘア
ピンやボディへの強烈なスマッシュをしのいでミスを誘うなどして、最後になる個人戦に必死な粘りを見せる。しかし、
20-15で廣瀬にマッチポイントを握られると廣瀬のバックサイドを突こうとする米倉のドライブがサイドアウトになり、
21-15のストレートで廣瀬が2年ぶり3回目の優勝を飾った。試合終了後、優勝は逃したものの最後まで戦い抜いた米倉
に対し、会場からは温かい拍手が送られた。 「憧れだった米倉さんの最後の試合で、私が相手で本当に光栄です。」
と語った廣瀬。次の目標を聞かれ、「一歩一歩、前に進むだけです。」と笑顔で応えた。

混合ダブルス決勝は、大会4連覇のかかる舛田圭太(トナミ運輸)/前田美順(NEC SKY)と初出場ながら今大会快進撃
を続けてきた廣部好輝/金森裕子(日本ユニシス)の対戦となった。今大会でペアを解散すると言われている舛田/前田
が新記録となる4連覇を達成できるか、注目の一戦である。
第1ゲームから舛田/前田が王者の貫禄を見せつける形となった。序盤こそ舛田のサーブミスが続き3-6とリードを許す
が、前田がネット前で止め、舛田がスマッシュを決める形で得点を重ねていく。何とか反撃したい廣部/金森だが、後衛
にまわった廣部の足もとを狙われ、攻めの形を作り出すことができない。本来のプレーをさせてもらえない廣部/金森は
ミスを重ね、舛田/前田が21-11であっさり第1ゲームを先取した。
第2ゲームに入っても流れは変わらない。男女ダブルスでそれぞれ優勝を逃したうっぷんを晴らすかのごとく、舛田/
前田のスピードはさらに加速していった。ネット際の球は前田がすばやく処理し、上げさせては舛田が渾身のスマッシュ。
レシーブも完璧で、後衛の廣部に連続で打たせない。金森は前衛で孤立し、まったく機能しなかった。今大会苦しい試合
が続いた舛田/前田が、最後は21-12という圧勝劇で4連覇を達成。
試合後、舛田は「前田が冷静に試合を運んでくれた。相手とは経験の差が出た。」と語り、最後に「前田に感謝したい。」
と大会を締めくくった。