第63回全日本総合バドミントン選手権大会観戦記
12月3日観戦記

第63回全日本総合バドミントン選手権大会の本戦が国立代々木競技場第二体育館で今日
から始まった。昨日は予選が行われた。

女子シングルス
女子シングルスでは、全日本ジュニア大会準優勝で出場権を獲得し今大会最年少の奥原希望
(仁科台中学校)と平山優(日本ユニシス)が対戦した。
「いつも通りのプレーをしようと試合に入ったものの大きな大会で、心のどこかで焦って
しまっていた」と振り返った奥原に対し、経験で勝る平山が着実に点数を重ねていく。
奥原は体格的に劣るが、その分ショットをうまく使い分け、強気なネットで必死にラリー
するが、リードできないまま平山に第1ゲームを奪われてしまう。
第2ゲームは、「クリアで相手をうまく崩せた場面もあった。」という奥原がリードを奪う
場面もあったが、「(点数的に)付いてこられてそこからペースを上げられた。」という
ように勝負所で平山に4連続ポイントでマッチポイントを握られ21−15で勝負を決められた。
試合後、平山は「調子はよかったが緊張した。相手が誰かということではなく、総合1回戦
なので…(対戦相手については)総合に出てくるので、強いとは思っていたが、中学生とは
思えないレベルだった。」と奥原の戦いぶりを讃えた。
一方奥原は、「このような大きな大会でいいショットをした時の歓声は自分にとって力になり、
自信になった。」と負けてしまったが充実した様子が伺えた。

男子シングルス
男子シングルスは世界ジュニア3位と勢いのある渡邊達哉(日章学園高校)とインカレ3位の
上田拓馬(早稲田大学)が対戦した。
第1ゲーム、固さの見られた渡邊は思うようにプレーができない。一方「年下で勢いがあって
怖かったが、いつも通りのプレーを心掛けた。」という上田はチャンスを作りスマッシュを
決めていき、序盤の10連続ポイントで13‐2と大量リードすると危なげなく21−8で奪う。
第2ゲームは、固さのとれた渡邊にミスが減り、リードしていく。しかし、意識せずに自分の
プレーをし続け、スピード、技術で上回る上田のスマッシュが決まりだす。8連続ポイントで
15‐9と逆転し、差を広げる。流れは変わらず上田が21‐15で勝利した。
試合後、上田は「昨年は(対戦相手の佐伯浩一(NTT東日本))ファイナルで負けているので、
今年はなんとしてもリベンジをしたい。」と意気込みを語った。

混合ダブルス
混合ダブルスは、今話題のイケシオこと池田信太郎(日本ユニシス)/潮田玲子(三洋電機)と
山下大介(Y・B・S)/高原里衣(西日本シティ銀行)が対戦した。
第1ゲームは、「スマッシュだけの単調な攻めではダメ」と話していた池田が素早いタッチで
緩急のあるショットで6連続ポイントを奪い、流れを掴む。何度かお互いに見合ってしまいプレー
が乱れることがあったが、慌てることなく、落ち着いて修正することができていた。さらに
スピードある攻めで追い立て山下/高原のミスを誘うとそのまま21‐10で奪う。
第2ゲームは、高原が前で作り、山下がスマッシュを決めるパターンで食らいつくが、スピートで
上回る池田/潮田が徐々にリードを広げていき9‐4とする。潮田が前で積極的にゲームを作って
いくと流れは一気に池田/潮田に傾く。前で潮田がチャンスを作れば池田が緩急あるショットで
決めていき、10連続ポイントを奪い17‐6とし、21‐9で3回戦に駒を進めた。
試合後、「初戦の入り方が重要、しっかり話し合って試合に臨めた。点数を抑えられた。いい形で
明日を迎えられる」と池田が話すと「個人的には思い切ったプレーができていなかった。前衛で
ミスを恐れず自分からもっと触っていきたい」と潮田が明日の試合に向けての課題を語った。


12月4日観戦記

男子シングルス
男子シングルス準々決勝では、日本ランキング1位の佐々木 翔(トナミ運輸)が井上知也
(日本ユニシス)と対戦した。
佐々木は2回戦で新開(NTT東日本)を井上は武下(敬和学園大学)を破り勝ちあがってきた。
第1ゲームは佐々木の一方的なペースで進み、スマッシュ&ネットや強烈なジャンプスマッシュが
決まり21−9で簡単に奪った。
「風があるので注意してコートに入った。全力でプレーするのが自分の持ち味なので長所を生かす
プレーを心がけた」と話すように第2ゲームでは、14−15とリードされる場面もあったが慌てる
ことなく得意の強烈なスマッシュなどで連続6ポイントをあげてゲームポイントを握ると、最後も
スマッシュを決めて21—15で勝利した。
佐々木は昨年のこの大会の準決勝で明日対戦する佐藤翔治(NTT東日本)に敗れているだけに
「調子はいい。自分のベストを尽くすだけ」と2年ぶりの頂点を目指して雪辱に燃えていた。

女子シングルス
女子シングルス準々決勝では、日本ランキング2位の後藤 愛(NTT東日本)と6位の佐藤冴香
(日本体育大学)が対戦した。
公式戦で対戦するのは今回が初めてで佐藤の戦いぶりが注目された。
第1ゲームは序盤、後藤が連続5ポイントをあげ7−3とリードする。佐藤は試合前「2回戦は緊張して
ミスが多かった。後藤との対戦ではラリーを展開してチャンスにスマッシュで決めたい」と話して
いたように、ここからじわじわと追い上げを見せる。
強打がイメージの佐藤がカットを多用してネット前のプレーに持ち込み、これに対応できない後藤に
ミスが目立ちはじめ、14−12と佐藤が逆転する。
こうなると勢いのある佐藤がストレートカットをネットインさせて20−18で先にゲームポイントを
掴んだ。
しかし粘る後藤はサーブリターンを体をうまく使ってネット前に落とし1点差とすると、さらに
クロススマッシュを決めて20-20の同点に追いつく。
「1、2回戦は気持ちが入りすぎて負ける直前までいった。相手もナショナルメンバーなので挑戦者の
気持ちで前向きに思いっきりやることができた」と振り返った後藤がこの接戦を23-21で奪った。
第2ゲームは佐藤がスマッシュなどで得点をあげて序盤4−2とリードする。しかし佐藤はうまい攻めを
見せながらもシャトルコントロールがうまくいかず、後藤の追い上げを許し、7-4と逆転されてしまう。
後藤はリードしてからは、自分のスピードとペースで佐藤を圧倒して簡単に21−12のストレートで
準決勝に駒を進めた。
後藤は「今年はジャパンオープンで優勝したワン・イーハン(中国)とファイナルを演じることが
できた。これまでは中国選手と戦うとノータッチの場面が多かったが、ラリーが互角にできるように
なり成長したと思っている。海外経験も積んできたのでどこまで成長したか試そうと思っている」と
力強くコメントした。

男子ダブルス
初優勝を狙う数野健太/早川賢一(日本ユニシス)と大学生ペアを破って勝ち進んだ星野翔平/小林晃
(埼玉栄高校)が対戦した。
第1ゲームは、「何度もやったことがあるし、強いのも知っている。だから気を抜かずにしっかりやるだけ」
という早川/数野が着実に点数を重ねていく。また、早川が試合前に「角度のないスマッシュが多い」という
アドバイスを受けていたため、スマッシュをドライブで返し、攻めの形を作る。守ることの多い高校生ペア
を持ち味の攻撃力を活かすことができず、21‐12で奪われてしまう。
第2ゲームは、1ゲーム目の流れのまま早川/数野が有利に進めていく。12‐6とリードしたところで数野が
スマッシュをネットにかけたのをきっかけにミスが出始めてしまい、1点差に詰め寄られるも、しっかりと
ミスを修正し21‐17で勝利した。
試合後、「1ゲーム目、2ゲーム目の前半まではいい形だった。後半ミスが出てしまった。そこをしっかり
しないともっと強い人には勝てない」と振り返り、「明日は、同じチームとの対戦となるので、やりづらさは
ある。だけど、いつかはやることになるので、自分の持てる強さを出すだけ。」とコメントした。

女子ダブルス
インターハイ優勝の髙橋紗也加/古西佳那子(高岡西)と松尾静香/内藤真実(三洋電機)が対戦した。
「(今日の)1試合目が打ってもなかなか決まらず、しんどい展開で我慢してふんばって勝てたことが
この試合につながった。(松尾)」、「二人で声を出し合っていい流れになった。(内藤)」に対して、
高校生ペアの髙橋は「1ゲーム目、向かっていけなかった。」と言うように出だしから連続でポイントを
奪われてしまう。甘いショットには素早く前に詰められ、髙橋/古西は2回戦のように自分たちのプレーを
することができずに21‐7と簡単に奪われてしまう。
第2ゲームの序盤は、互いに点を取り合う展開となる。「単発になると攻め込まれるので、クリアを織り
交ぜた。」と経験に勝る松尾が振り返ったようにスマッシュだけに頼ることなくクリアとドロップを多用し、
徐々に点差を広げていく。最後は古西のネットは返らず21‐16で松尾/内藤が勝利した。
明日の試合は、藤井瑞希/垣岩令佳(NEC SKY)と対戦することについて「同じナショナル同士、国内でやる
のは初めてだが、雰囲気の違う中、自分たちの力を出しきってがんばりたい。」と松尾が語った。
一方、敗れた髙橋は「レシーブはよくできていた。攻めの肝心なところでのミスが出てしまう。攻めの
集中力をつけたい。」、古西は「自分が前衛に入ることが多いので、球作りをもっとうまくならないと
いけない。」とそれぞれ課題を口にした。

混合ダブルス
池田信太郎(日本ユニシス)/潮田玲子(三洋電機)は橋本博且(トナミ運輸)/藤井瑞希(NEC SKY)の棄権
によりベスト4に進出した。
明日のイケシオとの準決勝をかけて廣部好輝/金森裕子(日本ユニシス)と大滝祐紀(東海興業)/服部麻衣
(七十七銀行)が対戦した。
第1ゲームは、服部がコート内を動きまわり、長身の大滝が角度あるスマッシュを打つが、金森がその攻撃を
うまく左右に打ち分けてチャンスを作ると廣部がスマッシュを決めていく。攻撃をしてもなかなか決まらない
大滝/服部は我慢しきれず、思うようにプレーができない。14‐9と廣部/金森がリードの中、大滝のドライブ
が浮いてバックアウトになるとそこからミスが重なり、5連続ポイントを失い、21‐12で第1ゲームを奪われ
てしまう。
第2ゲームは、大滝/服部が必死に攻撃するも、金森のレシーブ、廣部のカバー力が上回る。廣部/金森はリード
を奪われることなく、試合を優位に進めていく。10‐7では廣部のガットが切れ、ラリー中にラケットを交換し、
スマッシュを見事決め観客を沸かせる場面もあった。終始、廣部/金森のペースで21‐11で準決勝へと駒を進めた。

明日のイケシオとの対戦は、「同じチームでやり慣れている。普段と違う環境でいかにいつも通りのプレーを
するか、いかにして先に攻撃するかがポイントになる。」と語った。


12月5日観戦記

男子シングルス
男子シングルス準決勝では、過去大会4連覇を達成している佐藤翔治(NTT東日本)と一昨年のチャンピオン
佐々木 翔(トナミ運輸)が対戦した。
第1ゲーム最初のプレーは、佐々木が豪快にジャンピングスマッシュを決めて始まった。北京オリンピック以降
ダブルスをこなしてきた佐藤だが、今年の社会人選手権ではシングルスで優勝している。
佐々木の豪打に対して佐藤が巧みなラケットさばきでどう対応するかが注目された。
佐藤が自分のペースに持ち込み16−12とリードしたが、佐々木は単発のスマッシュに頼らずシャトルをうまく
まわして追い上げをみせる。スマッシュ&ネットを決めて18-18と同点に追いつくと、フェイントをかけた
ネット前のヘアピンを決めてリード。さらに佐々木のカットを佐藤がクロスヘアピンで返球したが、ネット前
につめた佐々木が押し込みゲームポイントを握る。最後はドライブを佐藤のボディに放ち21−19で第1ゲームを
奪った。
「このゲームを取れたのが大きかった。佐藤選手はダブルスを始めてドライブの処理がうまくなっている。
しかしコート奥にシャトルを運んだ時は自分が有利だった」と佐々木が振り返ったように、第2ゲームに入ると
スピードが落ちた佐藤に対して、佐々木は連続7ポイントをあげて7-0として有利に試合を運ぶ。佐藤も粘りを
みせて追い上げたものの結局21-14のストレートで佐々木が勝利した。
決勝戦の相手は海外遠征で練習も食事も部屋も一緒という田児賢一(NTT東日本)選手。
「世界を2人で戦っているので、高いレベルの試合をすることが大事だ。自分の力を信じて自分のプレーを出す
こと」と2年ぶり2回目の優勝を目指す意気込みを語った。

女子シングルス
女子シングルス準決勝では、昨年のチャンピオンで過去3回優勝している廣瀬栄理子(三洋電機)と高校生と
して6年ぶりの準決勝進出を果たした松友美佐紀(聖ウルスラ学院英智高校)が対戦した。
第1ゲームは「この直前にあったMIXの試合が熱戦で、簡単に負けてしまったらと思うと緊張した」という
松友に硬さが見られ、廣瀬のペースで進む。特に廣瀬のストレートとクロスのカットに全く反応できないプレー
が2本見られた。廣瀬がコートを広く使ったプレーで押し切り21−11で奪った。
第2ゲームに入っても廣瀬が優位に試合を進めるが、松友も次第に廣瀬の球に慣れてきてラリーが続くように
なる。
それでも廣瀬がこの試合初めて見せたスマッシュ&ネットで15−12とリードする。
「リラックスしてゲームができたし、思っていた以上についていけた」と松友が振り返ったように、ここから
松友が追い上げを見せ、ついに17−17の同点に持ち込む。ここからヘアピンをネットインさせたり、廣瀬のミス
もあってゲームポイントを握ると、最後は廣瀬のドライブはうまくラケットに当たらず21-17で松友が奪い
返した。松友の堂々としたプレーに観客の視線が集まる中、ファイナルゲーム序盤は松友が主導権を握る。
松友のバック前からのクロスロブが有効なショットとなり、また粘りのプレーの前に廣瀬がミスをして
しまう展開で一時は9−4と5点差をつける。
それでも廣瀬は有効なクロスカットで態勢を崩し、スマッシュを決めるパターンなどで徐々に点差をつめて
いく。一旦は17−17の同点に追いついたもののここから抜け出したのは松友。すばらしいプレーの連続に
大歓声が沸き起こる中、廣瀬のヘアピンを読みきりネット前につめてフォア奥へ低いロブを送りリードすると、
クロススマッシュを決めて19-17。さらにヘアピンをネットインさせ必死にレシーブした甘いロブをスマッシュ
で決めて20−17と松友が先にマッチポイントを掴んだ。
ここで勝負を焦ったのかバックハンドでのドライブをネットにかけてしまい、廣瀬の反撃を受けることになる。
「チャンスだったのにあと1点が取れなかったくやしい」と話す松友に対し粘りをみせた廣瀬が20−20の同点に
持ち込むと、ここからはお互いに一歩も引かない好プレーが続く。22−22から松友のスマッシュレシーブが
甘くなったところをスマッシュで決めた廣瀬がマッチポイントを握る。最後はクロスカットで態勢を崩して
上がってきたロブをストレートカットで決め24-22で松友を振り切った。
敗れた松友は「相手の球が見えていた。日本のトップ選手と熱戦をすることができて楽しかった」とさわや
かなコメントを残した。
勝利した廣瀬は「苦しい戦いだった。勝ててうれしい」と素直に喜び、「足の故障も良くなってきたし自分
らしいプレーができるようになってきた」と連覇と自身4回目の優勝へ気持ちを新たにしていた。

男子ダブルス
ともにペアとして初優勝をめざす平田典靖/橋本博且(トナミ運輸)と佐藤翔冶/川前直樹(NTT東日本)が
対決した。
第1ゲームは持ち前のスピードを活かして素早くローテーションし、攻撃の手を緩めずに佐藤/川前が攻め込む。
前衛の得意な平田が強気にドライブでリターンし、橋本は強烈なスマッシュで決めていく。平田がスマッシュを
ドライブで左右に上手に打ち分け、徐々にリードを広げ、20‐17でゲームポイントを握る。判断が遅れ返球が
甘くなりスマッシュを川前に決められ1点差にされるが、橋本のクロスドライブが決まり、21‐19で奪った。
第2ゲームは、スピードを上げた佐藤/川前が試合を有利に進めていく。対応できず、1ゲーム目のように平田の
ドライブと前衛がうまくいかず、ミスを重ねてしまう。14−8から平田/橋本の4連続ポイントで一時は2点差に
詰め寄られるも、佐藤/川前は勢いに飲まれることなく我慢強く正確なラリーを続ける。疲れの見えた平田/橋本
を一気に攻め立て5連続ポイントで20‐13とし、21‐15で奪い返した。
ファイナルゲームは、「とにかく緊張した。1、2ゲームはガチガチだった。」という橋本が伸び伸びとプレーし、
スピードを上げ、出だしの4連続ポイントで飛び出す。なんとか突破口を開こうとするが、「スピードを上げら
れて振り切られた」という佐藤/川前は守勢に回ることが多くなる。流れに乗った平田/橋本は中盤から連続
ポイントを与えることなく、しっかり要所を締め21‐12で勝利した。
試合後、「これから先は気持ちだ。持っているものは変わらない。相手よりも強い気持ちで戦うこと」と橋本
が初優勝への意気込みを語った。

女子ダブルス
女子ダブルスは、3年連続準優勝の末綱聡子/前田美順(NECKSKY)と松田の引退でパートナーが変わり再スタートの
赤尾亜希/今別府靖代(NTT東日本)が対戦した。
第1ゲームは、末綱/前田が得意の堅いレシーブで長いラリーを展開する。必死にスマッシュを打ち込むもなかなか
決まらない赤尾/今別府はリズムに乗ることができない。前田のスマッシュなどの5連続ポイントで8‐4と抜け出す
と要所をしっかり押さえ、着実に点数を重ねていく。赤尾/今別府もなんとか反撃しようと左右に打ち分けるが、
末綱がしっかりカバーし、反撃のチャンスを与えない。最後は赤尾のプッシュがネットにかかり、21‐13で
末綱/前田が奪う。第2ゲームは、「守るところは確実に守り、攻めところはしっかりと打っていくように心掛けた」
という赤尾/今別府が我慢強くラリーし、攻撃的なドロップとクリアを織り交ぜて攻め込む。末綱/前田が守る場面が
多くなり、押し切られ、スマッシュを決められてしまう。一方、前田が「しっかり動いてしっかり打てて自分たち
の持ち味を十分に出せた」というように連打で決めて反撃し、13−13と接戦となる。しかし、「最後は焦りが出て
しまった。」と赤尾/今別府が振り返ったようにそこからミスが増え、自分たちのプレーを出来ず、8連続ポイント
で21‐13と試合を決められた。試合後、末綱は「点数は競ってなかったが、1ラリー1ラリーきつくて根負けしない
ように頑張った。」明日の試合については、「3年連続で2位になっている。松尾/内藤には実業団でボロボロに
負けた。開き直って、胸を借りるつもりで臨みたい。長い試合になるはずなので、体と心の我慢が重要になる。」
と末綱が語った。もう一方の試合は、藤井瑞希/垣岩令佳(NECSKY)と松尾静香/内藤真実(三洋電機)が対戦した。
松尾が球を作り、内藤が長身を生かしてスマッシュする。垣岩/藤井は体格的には長身の内藤に劣るがコート内を
素早くローテーションしてスマッシュを連続して打ち込む。激しい打ち合いになる見ごたえのある試合になった。
第1ゲームは、互いに点を奪い合い、接戦となる。藤井/垣岩が激しい打ち合いをなんとか優位に進め19‐16と
リードするがそこから内藤/松尾が4連続ポイントで20‐19と逆転する。一点返され延長ゲームになるが、垣岩の
スマッシュがネットにかかり、22‐20で1ゲーム目を奪った。
第2ゲームも、1点を争う好ゲームとなるが後半疲れの見える垣岩に連続ミスが見られて21‐17で内藤/松尾が決勝
へ駒を進めた。

混合ダブルス
昨日は棄権のため、試合のなかった池田信太郎(日本ユニシス)/潮田玲子(三洋電機)とこれまで安定した戦いを
見せている廣部好輝/金森裕子(日本ユニシス)が対戦した。
第1ゲームは「相手ペアは実績的に上であることがわかっていたので、逆に思い切ってゲームに臨むことができた。」
という廣部/金森が試合を優位に進める。金森は柔らかいレシーブで池田のスマッシュを返し、粘ると廣部がスマッ
シュを決めていく。一方、潮田が作って池田がスマッシュを打つがなかなか決まらず、勢いに乗れない。自分たちの
プレーができずに21‐13で1ゲーム目を失う。
第2ゲームは、池田が「廣部選手のスマッシュがいいので、大きな展開を心掛けた。」というようにレシーブ、ロブを
丁寧に大きくリターンし、なんとか流れを引き寄せようとする。「右と左のペアなので、センターを狙うようにした」
という潮田がスマッシュを決めると勢いづき、接戦から18‐15と抜け出す。ドライブのミスなどで1点差に詰め寄ら
れるものの、素早く潮田がネット前に飛び出しネットを切って21‐17と奪い返した。
ファイナルゲームは、廣部/金森が気持ちを切り替えて攻め、試合を有利に進めていく。「常にリードされ何度も
心が折れそうになった」と池田が厳しい試合を振り返ったが、「二人で絶対にいける。勝とうと言い合って、強い
気持ちを持つことの大切さを再認識した。」というようにモチベーションを落とすことなく、苦しい試合に必死に
食らいついていく。流れが大きく変わったのは、17−14とリードされたところで3連続ポイントを奪いプレッシャー
を与えていき、20‐19で先にマッチポイントを奪う。廣部/金森もなんとか取り返し、延長ゲームになる。お互いに
存分に持ち味を出し合い、奪っては奪われで計6回のマッチポイントを経て、最後は池田の渾身のスマッシュがネット
インし決勝進出を決めた。
試合後、潮田は、「今日はレシーブがダメだった。まだまだ満足のいく内容でない。もっともっと前で触っていきたい」
と語った。


12月6日観戦記

男子シングルス
連覇のかかる田児賢一(NTT東日本)と2年ぶりの優勝を狙う佐々木翔(トナミ運輸)が対戦した。
第1ゲームは、「自分のペースで戦えた。」と言う田児が試合を有利に進める。佐々木もスピードを上げて、スマッシュ
を打つが拾われてしまう。なかなか自分のラリーをできない佐々木は、ネット前がうまくいかずチャンスを作れない。
一方田児は要所でスマッシュをしっかり決め、21‐15で奪う。
第2ゲームは、1ゲームの勢いのまま、5連続ポイントで田児が5−0とし、そのままいくかに見えたが、佐々木の強烈な
スマッシュを中心とした丁寧なラリーで疲労の見え始めた田児のショットが1ゲームに比べ精彩さを欠き、徐々に佐々木が
差を縮めていく。焦る田児がバックハンドで飛びついてプッシュを打つがサイドアウトになり、13‐13とついに佐々木が
追いつき、田児のミスで16‐13とリードを奪う。佐々木のミスなどで一時は田児が逆転するも、パワーとスピードで押し
切られ、佐々木にゲームポイントを握られてしまう。佐々木のフェイントを利かしたネットを田児が返せず21‐19で勝負
はファイナルに持ち込まれた。今大会田児は、すべてストレートでの勝利で、初のファイナルゲームとなった。
ファイナルゲームは、「少しあきらめかけた。もう無理かな…って何度も思った。」と振り返った田児は苦しい展開を
強いられる。動きの衰えない佐々木がスマッシュを決めていくが、田児は我慢のラリーでミスを誘い、必死についていく。
田児が「昨年そうだったように風が吹いているのかも」とフォア奥にシャトルを集めると、風の影響なのか佐々木の
フォアスマッシュがネットにかかる。勝負に出た田児はスピードを上げ、先にマッチポイントを握る。しかし、これまでの
相手だと決まっていたショットが決まらずミスしてしまい、20−20と追いつかれてしまう。大事な場面で佐々木がフォア
からのスマッシュを再度ネットにかけてしまうと最後はネットを切り22−20で勝負強さを発揮し、見事連覇を達成した。
試合後、「とにかく疲れた。今年1年はスランプでつらい時期だったので、ここでの優勝は大きな意味がある。海外で
勝つことが目標で、常に準決勝、決勝までいけるようにしていきたい。」と今後の抱負を力強く語った。

女子シングルス
女子シングルス決勝は大会2連覇と4回目の優勝を目指す廣瀬栄理子(三洋電機)と初優勝を狙う平山 優(日本ユニシス)
が対戦した。
第1ゲームは気力に勝る平山が攻撃力を発揮して一気に連続7ポイントをあげて有利に試合を運ぶ。廣瀬もカットやヘアピン
を巧みに使い何とか局面を打開しようとするが、点差をつめることができずに20−13で平山がゲームポイントを握ると最後
は平山のクロススマッシュが決まりこのゲームを奪った。
第2ゲームに入ると廣瀬が持ち味の粘りのプレーを展開し8-8の同点に追いつくと、積極的に攻めるスマッシュやドライブ戦
も制するようになり連続7ポイントを奪う。平山は第1ゲームのようなプレーを出せず精彩欠き21-12で廣瀬が奪い決着は
ファイナルゲームに持ち込まれた。
ファイナルゲームに入ると再び平山がペースを掴む。クリアーのシャトルコントロールに苦しむ廣瀬はロブにもミスが
見られ平山が11−4と大きくリードする。しかしここで長いラリーから最後はヘアピンをネットインさせた廣瀬が流れを
引き寄せると連続5ポイントをあげ11-10と1点差まで追い上げをみせる。
しかし気持ちが焦ったのか廣瀬はイージーミスを重ねてしまい再び15-10と離されてしまう。廣瀬の攻めを必死に耐える平山
は何とかリードを保ち19-15として勝利を掴んだかに思えたが、廣瀬はあきらめずにコートを広く使い平山を揺さぶる。疲れ
の見え始めた平山はこの攻めにミスを重ねついに19-19の同点に持ち込まれてしまう。平山のフォアからのカットがサイド
アウトとなりマッチポイントを握った廣瀬は最後はフォア奥への速いロブになんとか対応した平山のレシーブが甘くなった
ところをスマッシュで決めて21-19と接戦をものにして大会2連覇、4回目の優勝を飾った。

男子ダブルス
男子ダブルスは平田典靖/橋本博且(トナミ運輸)と数野健太/早川賢一(日本ユニシス)が対戦した。どちらのペアが優勝
しても初優勝となる。
第1ゲームは、序盤お互いに点数を取り合い7−7と接戦になるが、平田がドライブを左右のオープンスペースにリターンし、
チャンスを作り、4連続ポイントでリードを奪う。数野が後衛、早川が前衛の得意のパターンで追い上げようとするが、
レシーブが好調な平田/橋本が反撃を許さず、徐々に差を広げていく。最後は橋本のドライブが決まり、21‐17で奪う。
第2ゲームは、1ゲーム目からの勢いで平田/橋本がリードを奪うが、我慢強く攻撃の手を緩めない数野/早川が食らいつき、
接戦となる。しかし、中盤からスマッシュに慣れてきた平田/橋本のスマッシュのドライブリターンに数野/早川が対応できず
15‐12とリードする。そこから平田、橋本それぞれのドライブミスで追いつかれ、ロブのアウト、ロングサーブの見送りで
17−16と逆転されてしまう。しかし、平田がネット回りで上回りミスを誘い、先にマッチポイントを握る。最後は数野の
スマッシュがネットにかかり21‐19で平田/橋本が初優勝の栄冠をつかんだ。橋本は優勝が決まると感極まり、涙を見せた。
試合後、「優勝を狙っていたので、本当にうれしい。明日からの東アジア大会も頑張りたい。(平田)」、「日本リーグを
優勝したい。(橋本)」と嬉しさとともに、まだまだ気の抜けない様子を見せた。

女子ダブルス
女子ダブルス決勝は4年連続の決勝進出で悲願の初優勝を狙う末綱聡子/前田美順(NEC SKY)と今年に入りペアを結成し2月
のオーストリア国際、5月のランキングサーキットで優勝を飾り急成長している松尾静香/内藤真実(三洋電機)が対戦した。
第1ゲームはいきなり長いラリーの応酬で幕を開けた。お互いに一歩も引かないゲーム展開ではちょっとしたことで流れが
変わる。4-4と7-6の場面で末綱の2本のサービスフォルトで点数を加えて主導権を掴んだのは松尾/内藤。松尾のこのゲーム
初めて放ったフォア奥からのクロスカットで10点目をあげると内藤の後衛からのスマッシュに松尾がネット前を確実に決める
などして徐々に点差を広げていき、14-10とした場面からは松尾/内藤はロングサーブを多用して揺さぶりをかけていく。
末綱/前田は積極的に攻めていくものの堅いレシーブの松尾/内藤を崩すことが出来ず、20−16でゲームポイントを迎えると
最後は末綱のサーブがアウトとなり21-16で松尾/内藤が奪った。
第2ゲームに入ると末綱/前田の速い攻めが効果的に決まりはじめ序盤はリードする。ゲームが動いたのは10−9と末綱/前田が
リードを保ってからのプレー。末綱のクロススマッシュがネットにかかり同点とされると、ここから連続7ポイントを松尾/内藤
が奪い一気に逆転する。内藤の体をうまく使ったスマッシュレシーブエースや松尾もスマッシュを切り返すなど2人のレシーブ
の堅実さの前に、末綱/前田が粘り負けするプレーが続いてしまう。
20−11でゲームポイントを握った松尾/内藤は最後は松尾のスマッシュに内藤が前衛につめてプッシュを決めてストレートで
初優勝を飾った。
試合後、「全日本総合で優勝することを目標としていたのでとても嬉しい。」と喜びを表現したが、「日本リーグ団体戦で
自分たちが1ポイント取れるように最終戦まで戦いたい。」まだまだ気を抜かない。

混合ダブルス
昨日、廣部/金森(日本ユニシス)とのファイナルまでの接戦を制した池田信太郎(日本ユニシス)/潮田玲子(三洋電機)と
個人として5連覇となる前田美順(NEC SKY)と平田典靖(トナミ運輸)のペアが対戦した。奇しくも10月の全日本社会人決勝
でも同じ顔合わせで、その時は池田/潮田が優勝している。
第1ゲームは、「平田選手の配球がよかった」と池田/潮田が振り返ったように平田がゲームを支配する。池田がドロップを
うまく織り交ぜた緩急あるショットを打ち、潮田が前衛で飛びつくが、決まらない。我慢のラリーの中で平田が二人の間に返し、
チャンスを作り、前田が決めていく。また「前衛で迷いが出てしまった」と潮田が言うように反撃のチャンスを作ることができず
21‐11で奪われてしまう。
第2ゲームも、なかなか流れを変えることができない。池田/潮田がコンビネーションよく攻撃をするも平田/前田がどんどん
レシーブする。決まらないことへの焦りで最後には甘いリターンで平田/前田に決められてしまい、序盤に6連続ポイントを失い、
9‐3とされる。1ゲーム目同様に序盤からリードを許してしまった池田/潮田は焦りを隠すことができず、ミスを重ねてしまい、
点差をつめることができず、最後は平田がスマッシュを決め21‐16で初優勝を飾った。
試合後、「全日本社会人の雪辱を果たすことができてほっとしている。(平田)」、「女子ダブルスで負けたので、気持ちを
切り替えるのが大変だった。今回5連覇できたことは、パートナーが違うこともあり、(舛田)圭太さんを超えることができたの
かな…?」と語った。
一方、「来年に向けてリベンジしたい。悔しい気持ちでいっぱいだけど、始めたばかりなので、頑張りたい」と池田/潮田が
気持ちを新たにした。