第11回世界国別対抗バドミントン選手権(スディルマンカップ)


(2009.5.10-17 中国 広州市)
 

【第1日目予選リーグ第1試合】
2年に1度の世界国別対抗バドミントン選手権大会スディルマンカップが本日より開催され
ました。20年ぶりのグループ1に復帰を果たした日本チームは、本日インドネシアと対戦し
ました。試合結果は1−4と敗退しましたが、女子ダブルスでは末綱・前田ペアが落ち着い
た試合運びで相手を翻弄し、女子シングルスでも佐藤選手が敗れはしたものの、北京五
輪3位の選手を相手に第1ゲームを15−18から逆転すると、ファイナルゲーム17−12と
リードする健闘をみせ、ミックスダブルスでも池田・潮田ペアが北京五輪2位の相手に第1
ゲームを奪い、ファイナルゲームも15−13でリードする場面もあり、それぞれ敗れました
が、チーム全体が次へとつながる試合となりました。
なお、予選リーグ第2戦は12日19:00(現地時間)より前回優勝国、中国と対戦します。
    (コーチ:舛田 圭太)
1日目観戦記
【第3日目予選リーグ第2試合】
ただいま開催中のスディルマンカップ予選リーグ第2戦の結果報告をさせていただきます。
予選リーグ第2戦は前回大会優勝の中国との対戦となりました。
全種目で世界ランキング上位選手を擁する中国相手に0−5と完敗しましたが、女子シン
グルスの関谷選手が敗れはしたものの第2ゲーム17−12とリードする場面もある試合
展開となり、ミックスダブルスでも平田・前田ペアも敗れはしたものの、第2ゲーム20−1
9でリードし必死に食らいつきましたがあと1歩及びませんでしたが、明日につながる好試
合もありました。
なお、予選リーグ第3戦は13日19:00(現地時間)よりイングランドと対戦します。
    (コーチ:舛田 圭太)
3日目観戦記
【第4日目予選リーグ第3試合】
予選リーグ第3戦はイングランドとの対戦となりました。
ミックスダブルスで平田・前田ペアが第1ゲーム20−17のリードを守ることができず、この
ゲームを落とし、第2ゲームは後半から一気に攻められ敗退、続く男子シングルスの田児
選手が第1ゲームを奪われる苦しい展開の中、第2ゲームを奪い、第3ゲームも5−5から
1点を必死にもぎ取ったところで、主審のミスで突然6−5のところを6−6とコールされる
誤審が発生し、必死に抗議するものの変わらずここでペースを崩され敗退。
あとがなくなった男子ダブルスでも数野・早川ペアが必死に食らいつき第1ゲーム26−
24で奪い、第2ゲームも長いラリーの連続の中、18−14までリードを広げるものの奪う
ことができず、ファイナルゲームも終盤まで競り合いますが18本で敗退しました。
勝敗のついたあとの女子シングルスで佐藤選手が落ち着いたプレー勝利するものの、
女子ダブルスの末綱・前田ペアは敗退し4−1で敗れ、予選リーグ4位という結果になり
ました。気持ちを入れ替えプレーオフでは一致団結して、全力で頑張ります。
なお、7ー8位決定戦は14日19:00(現地時間)より香港と対戦します。
    (コーチ:舛田 圭太)
4日目観戦記
【第5日目プレイオフ】
プレイオフ(7−8位決定戦)は香港との対戦となりました。
グループ1残留をかけた試合となりましたが、最初に登場した数野・早川ペアがリズムよく
攻め続け2−0で勝利し今大会初の先制ポイントを奪うと、女子シングルスの関谷選手は
残念ながら敗れたものの、男子シングルスの佐々木選手が第1ゲーム20−20から2ポ
イントを奪い取り、第2ゲームも中盤まで競り合う展開でしたが、後半完全にリズムをつか
み連続ポイントで勝利すると、最後は女子ダブルスの末綱・前田ペアがシングルスで実力
のある香港ペアを完全に押さえ込みストレート勝ちで3−1で勝利となりました。
日本チームは7位という結果になりました。
なお、本日をもちまして日本チームの全試合が終了いたしました。
    (コーチ:舛田 圭太)
5日目選手コメント
日  本  インドネシア
MD平田 典靖・橋本 博且
(トナミ運輸)
14-21
11-21
KIDO Markis
SETIAWAN Hendra
WS佐藤 冴香
(日本体育大学)
21-18
11-21
19-21
YULIANTI Maria Kristin
MS田児 賢一
(NTT東日本)
17-21
16-21
KUNCORO Sony Dwi
WD末綱 聡子・前田 美順
(NEC SKY)
21-16
21-14
IRAWATI Shhendy Puspa
JAUHARI Meiliana
XD池田 信太郎・潮田 玲子
(日本ユニシス・三洋電機)
21-16
14-21
18-21
WIDIANTO Nova
NATSIR Liliyana
日  本  中  国
MD数野 健太・早川 賢一
(日本ユニシス)
14-21
13-21
CAI Yun
FU Haifeng
WS関谷 真由
(三洋電機)
10-21
20-22
WANG Yihan
MS佐々木 翔
(トナミ運輸)
11-21
13-21
LIN Dan
WD藤井 瑞希・垣岩 令佳
(NEC SKY)
10-21
9-21
DU Jing
YU Yang
XD平田 典靖・前田 美順
(トナミ運輸・NEC SKY)
11-21
23-25
ZHENG Bo
MA Jin
日  本  イングランド
XD平田 典靖・前田 美順
(トナミ運輸・NEC SKY)
22-24
15-21
CLARK Anthony
KELLOG Donna
MS田児 賢一
(NTT東日本)
17-21
21-18
14-21
SMITH Andrew
MD数野 健太・早川 賢一
(日本ユニシス)
26-24
19-21
18-21
CLARK Anthony
ROBERTSON Nathan
WS佐藤 冴香
(日本体育大学)
21-15
21-14
WALKER Sarah
WD末綱 聡子・前田 美順
(NEC SKY)
12-21
21-21
WALLWORK Jennifer
KELLOG Donna
日  本  ホンコンチャイナ
MD数野 健太・早川 賢一
(日本ユニシス)
21-15
21-15
HUI Wai Ho
NJOTO Albertus Susanto
WS関谷 真由
(三洋電機)
7-21
16-21
YIP Pui Yin
MS佐々木 翔
(トナミ運輸)
22-20
21-15
CHAN Yan Kit
WD末綱 聡子・前田 美順
(NEC SKY)
21-10
21-15
WANG Chen
ZHOU Mi
XD池田 信太郎・潮田 玲子
(日本ユニシス・三洋電機)
   WIRATAMA Yohan Hadikusuma
CHAU Hoi Wah

【1日目観戦記】

 第11回世界国別対抗バドミントン選手権 大会1日目

 インドネシア戦

 男子ダブルス:
 平田典靖&橋本博且ペア(トナミ運輸)
        0(14−21、11−21)2 KIDO&SATIAWAN

 初出場ながら、先陣を任された平田&橋本ペアには、
大きなプレッシャーがかかったのかもしれません。
 第1ゲームの序盤は、なかなか体が思うように動かなかったのかも。

 徐々に動けるようになってきた時には、KIDO&SATIAWAN組は、
既にガッチリペースを握っており、
それを若い日本人ペアに譲り渡すような素振りは、
まったく見られませんでした。

 女子シングルス:
 佐藤冴香(日体大) (21ー18、10ー21)  YULIANTI

 佐藤選手は立ち上がりから、初出場とは思えない堂々たる戦いぶり。
 序盤はYULIANTIが次々に効果的なクロスのカットショットを決め、
ペースをつかみかけているかに見えましたが、ミスも多く、
なかなか乗り切れない状態でした。
 そんな状況の中で、佐藤選手はガマン強く、
流れが自分に向いてくる時を待っているかに見えました。

 後半の巻き返しは、正にそんなガマンが結実したような展開でした。

 終盤の勝負どころでYULIANTIはミスを犯し、
最後はこのゲームを奪う意欲を失いました。

 しかし、インタバルでYULIANTIは、しっかり立て直してきました。
 ミスが減り、クロスのカットは威力を増し、佐藤選手を追い詰めたのです。

 勝敗の行方はファイナルゲームに持ち込まれました。

 ファイナルゲームの序盤、ペースを握ったのは佐藤選手でした。
 7−1という大きなアドバンテージを手にします。
 YULIANTIのミスではなく、
佐藤選手がペースアップをし、つかみ取ったリードでした。

 その後、佐藤選手にややミスが増え、反撃を許しますが、
11−6でチェンジエンドを迎えました。

 第1のポイントは16−9から許した3連続ポイント。
 そして17−12で犯した、
チャンスボールのスマッシュをネットのかけたミスでした。

 ここからYULIANTIは明らかに息を吹き返します。
 切れ味抜群のカットが決まり出します。

 18−17まで追いつかれますが、ここで起死回生のクロスのカットを決め、
佐藤選手、ガッツポーズが飛び出しました。

 しかし、佐藤選手はここから2本連続で、惜しいミスで逆転を許し、
最後、YULIANTIは2本、ヘアピンを落とし、長い戦いに終止符を打ちました。

 佐藤冴香選手のコメント:
「もったいなかった。ファイナルでリードした時には、
イケルとかは考えないようにして、一本、一本と言い聞かせていました。
 でも、客席に日本人の応援団が見えたりして、力みが出てしまいました。
 勝てなかったのは残念ですが、切り替えて、相手をしっかり研究して、
次の試合にのぞみたいです」

 男子シングルス:
 田児賢一選手(NTT東日本) 0(17ー21、16−21)2 Sony Dwi Kuncoro

 0−2で追い込まれた日本チーム。
 日本の“ワンダーボーイ”田児賢一選手の登場です。 
 2ゲームとも序盤は優位に進めていました。
 田児選手特有のスローペースに、KUNCOROを巧みに引きずり込んで、
貴重なポイントを挙げてくれるかに思えました。

 しかし、中盤以降の競り合いでは、
KUNCOROが一枚、上手だったのかもしれません。
 徐々にペースを握られていきました。

 残念なストレート負けです。

 田児賢一選手のコメント:
「序盤リードしていても、
来るぞ、来るぞという意識がどこかにあって、相手の反撃を待ってしまいました。
 KUNCOROはナンバー1の選手じゃあないから、
この辺りのランキングの選手には結果を出して、
チームに貢献しておきたかった。
 4強入りを目指していたのですが、自分のところで負けて残念です」

 グループ1の予選リーグでは、失ゲーム、失ポイントも重要です。
 勝敗は決しましたが、残る2試合、なんとか粘って欲しい。

 そんな期待の中で始まった女子ダブルス。
 末綱聡子&前田美順ペア(NEC SKY)は、年明けに末綱選手が
昨年末の日本リーグ最終戦以来の公式戦出場です。

 女子ダブルス:
 末綱聡子&前田美順ペア(NEC SKY)
2(21−16、21−14)0 IRAWATI&JAUHARI

 丸5か月ぶりの試合でしたが、
結果的にはそんな不安を払拭する結果となりました。

 もちろん、万全とは言えない内容でしたが、
今日は勝利こそが最重要課題だったと思います。

 そしてつかんだ勝利。
“末綱&前田ペア”が新たな、そして確実な一歩を踏み出しました。

 末綱聡子選手のコメント:
「今年最初の試合が海外だなんて、ムチャクチャ緊張しました。
 コートに入ってバリバリ打ち出したのは、4月に入ってからでした。
 ペアで合わせたのは、前田の遠征もあったりで、直前合宿からです。
 それを考えれば、今日の出来はまあまあ良かった。
 勝てたし、久々に楽しめました」

 前田美順選手のコメント:
「勝てたし、久々の試合で楽しめました。
 合宿で合わせ始めたのですが、コンビネーションはすぐに取り戻せましたね。
 もしろん、細かいことを言ったらキリがないし、微調整は必要ですが、
それまですぐに戻ったら、ダブルスとしておもしろくないです(笑)。
 それはこれから試合を重ねる中で取り戻していきたい」

 1−3となって、最後は注目の混合ダブルス。
“イケシオ”、いよいよ公式戦デビューです。
 相手は現在、世界ランキング1位ペア。

 池田信太郎(日本ユニシス)&潮田玲子(三洋電機)ペア
           1(21−16、14−21、18−21)2 WIDIANT&NATSIR

 惜しい、本当に惜しい試合でした。
 ただファイナルの競り合いでは、さすが世界ランキング1位と思わせる、
インドネシアペアの巧さがあって、経験だとか、ゲームマネジメントだとか、
ダブルスの様々な要素を併せ持ったペアが、最終的には勝った、という試合でした。
 ただヨネックス・オープン・ジャパンで何度も観たインドネシアペアを、
ここまで追い詰める日本人ペアが現れたという事実も目の当たりにしたのです。

 目を引いたのは、潮田選手の適応力の速さでした。
 本気の男子選手のスマッシュにやや手こずっていたのは、立ち上がりの数分間だけ。
 後は“オグシオ”時代に磨き上げた、
世界トップレベルのレシーブ力を存分に活かし、
インドネシアペアにプレッシャーをかけていました。
 池田選手も運動能力の高さと速さで、立ち向かいます。
 世界の混合の男子選手の中にあって、小柄な池田選手ですが、
パワーに対し、スピードで対抗できることを、
早くもこの試合で証明できたと思います。

 そして何より、ミックスゾーンに現れたときの潮田選手の悔しそうな顔!

 彼女をアスリートたらしめているのは、この“負けず嫌い”の精神です。
 世界ランキング1位を追い詰めた如きでは満足できないわけです。

 試合直後でしたが、2人は冷静に敗因を分析していました。

 池田信太郎選手のコメント:
「最後は相手のサービスのバリエーションの多さにやられました。
今日は立ち上がりからペース配分とは抜きで飛ばして、
どこまでできるかチャレンジしようと思っていたのです。
 こんなにやれるとは思わなかったし、初めての混合を楽しむこともできた。
 ただ、負けたのは事実だし、
ここから先、どこまでやれるのか、高い目標を立ててやっていきたい。
 成果としてはディフェンス。
 相手男子選手の打った球にもきちんと対処できていたと思います。
 明らかになった課題は、僕が打ちにいっているとき、単調になってしまう。
 抜くところを巧く作っていかないと。
 次の試合ではきっちりポイントを取りたい」

 潮田玲子選手のコメント:
「勝ちたかったです。デビュー戦とかそういうことは抜きにして。
 今日の相手は世界トップクラスの男子選手が打つ球だと思うのです。
 それを初めて経験して、対応はできていたと思いますが、
返すだけというレシーブも多かった。
 もっと攻撃的なレシーブをしないといけない。
 相手の女子選手は、球を散らして、それができていました
 ここからがスタート。次は勝ちたい!」

 舛田圭太コーチのコメント:
「混合の2人は、デビュー戦としては100点満点。
しっかりプレッシャーをかけ、相手を引かせることができていました。
 ただ、ポイントをズラされると、どうしても対応し切れない。
 初めてですからね、そこは仕方がないでしょう。
 混合は平田&前田ペアも先のアジア選手権ベスト4入りしたので、
チーム内に良いライバル意識が芽生えています。

 男子ダブルスに関しては、直前合宿と現地に入ってからの調子を見て、
平田&橋本ペアの起用に踏み切りました。
 特に橋本選手の調子が上がってきていましたので。
 ただ初出場でオープニングマッチ。緊張したと思います。
 あのレベルのペアに先攻を許しては、難しい戦いになります。

 佐藤選手の結果が善戦ではなく勝っていたらと思いますが、
YULIANTIの調子は悪かったけれど、最後、押し切られました。

 インドネシアは強豪国です。簡単には勝たせてくれません。

 ただ、女子ダブルスで末綱&前田ペアが、しっかり貫禄勝ちをしてくれたこと。
 そして混合で世界ランキング1位ペアを追い詰めたことで、
チーム内のムードは一気に高まりました。
 中国は手強いですが、イングランドにはなんとして勝ちたいと思います。
 この大会は試合の日程が空くので、コンディショニングも重要です。
 まずは中国戦とイングランド戦。
 きちんと戦える準備を整えていきます」

 スディルマン杯の開幕戦は、インドネシアに1−4で敗戦。
 しかし要所、要所で、それぞれの可能性を見出せる戦いが見られました。

 グループ1、サブグループ1Aは“死のグループ”とも言われる強豪国揃い。
 デンマーク、マレーシア、韓国、香港が激戦を繰り広げることになります。
 一方のサブグループ1Bに入った日本は、 
この後、1日空いて、地元・中国戦、そしてイングランド戦を控えています。
 残念ながら中国のレベルは抜きん出ている。
 13日(水)のイングランド戦が現実的なターゲットになることでしょう。

 選手たちは良きコンディションとモチベーションを持って、
開幕を迎えました。

 今後の戦いに期待を抱かせる第1日が終わりました。


                   (取材/文 ライター・佐藤純郎)

【3日目観戦記】

 第11回世界国別対抗バドミントン選手権 大会3日目

 中国戦

 インドネシア戦の後、舛田圭太コーチと話しをしたのですが、
その内容から推察されたとおりのオーダーを、日本は組んできました。

 意外だったのは中国。
 ベストメンバーです。
 でも、予選リーグの最終戦、
対インドネシアの前に主力組を試す必要がありますから、
それが、今日だということでしょう。

 客の入りは良くないなあ、と思っていたのですが、声の大きさは凄い。

 さらに驚くのは、選手席に陣取る中国代表の選手の多さです。
 確かに登録メンバーは多い(人数に制限はないそうです)けれど、
この人数だけで十分、威圧的です。

 今夜は、さすがに日本人の観客の姿もあります。
 ちゃんと団体で、応援団を形成してくれています。

 今日、5月12日は、あの『四川大震災』からちょうど一年。
 中国選手団を中心に、会場中が黙祷を捧げました。

 第1試合:男子ダブルス

 数野健太&早川賢一ペア(日本ユニシス)
       0(14−21、13−21)2 Yun CAI & Haifeng FU  31分

 第1ゲーム:
 立ち上がりこそ硬さが見られた数野&早川ペアでしたが、
慣れるのも早かった。
 徐々にペースをつかみ始めました。

 中国ペアの強みは、いわゆる“サービス回り”です。
 ちょっとでも甘いサービス、レシーブをすれば、
強烈なショットが返ってきます。

 ブレイクを挟んで、
中盤以降の勝負どころで、やや弱気になった日本ペア。
 ミスを重ねてしまいました。

 中国ペアがそこを逃さずはずもなく、第1ゲームを奪いました。

 インタバルには、“ニッポンコール”も聞こえてきます。

 第2ゲーム:
 僅差ながら、先行して試合を進めます。
 左利きの Fu のスマッシュは、日本ペアのボディを狙ってきます。

 10−11。
 逆転されてウォーターブレイク。

 その後の詰めは見事でした。
 一気に畳み掛けてきます。

 最後は13本で終わりました。

 早川賢一選手のコメント:
『最初は観客の声援が凄くて、硬かったのですが、すぐに慣れて、
心地良い緊張感の中で試合ができました。
 向こうの球は思ったほど速くなくて、それで逆に打たせ過ぎました。
 こっちがもっと打たなければならなかったのに。
 明日のイングランドのペアもなかなか強い。
 でも、絶対に勝ちたいです』

 数野健太選手のコメント:
『サービス回りの巧さでやられた部分が多かった。
 日本人選手同士の試合では、つなぎになる球でも、
ちょっとでも浮くと、すぐにはたかれてしまいました。
 今日は僕らの持ち味である攻撃をなかなか出せなかったのが悔しい。
 イングランド戦では、受けに回らず、ドンドン攻めていきたい』

 第2試合:女子シングルス
 関谷真由選手(三洋電機)0(10−21、20−22)2 Yihan Wang  41分

 第1ゲーム:
 次代の中国・女子シングルスのエース、Wang に、
関谷選手が挑みました。
 Wang は昨年のヨネックス・オープン・ジャパンで優勝。
 鮮烈な“世界デビュー”を飾った選手です。

 ペースは確かに終始、Wang が握っていました。
 が、関谷選手も怯むことなく立ち向かっていきます。
 それにしても、要所を抑えるWang の試合運び。
 そして高い技術。
 長身ながら速さも持ち合わせています。
 残念ながら、第1ゲームに関しては、力の差は明らかでした。

 第2ゲーム:
 序盤、リードした Wang ですが、明らかに集中力を欠き、
ミスを連発します。
 コート奥へのショットがアウトになることが多い。
 風の影響かもしれません。

“Wang Yihan 、加油!”
 の大声援が飛びますが、なかなかペースを取り戻せません。
 ブレイクは、11−4で関谷選手が取りました。

 コート奥へのショットを、Wangが修正できないまま試合は後半へ。
 関谷選手は粘ります。
 足がよく動いて、レシーブが良くなりました。
 それにつれ、繰り出すショットも多彩になっていきます。

 Wang はジリジリ追い上げますが、関谷選手も決定的なポイントを奪わせない。
 リードを保って終盤の勝負どころです。

 17−12からでした。
 Wang はカットとドロップショットを多用し始めました。
 コート奥での勝負を止め、関谷選手を前に誘います。
 そのショットもネットにかけるミス。
 関谷選手、ゲームポイントです。

 が、後1本が奪えない。
 20−20でのラリーは見応え十分。
 クリアーの打ち合いから一転、激しいドライブ合戦に。
 そこでも関谷選手、打ち負けていませんでした。
 しかし、最後は関谷選手のショットがラインを割り、
続くポイントも奪われ、関谷選手、力尽きました。

 ここぞのポイント奪わせない Wang の底力を見た思いです。

 関谷真由選手のコメント:
『第2ゲームであそこまでできただけに、第1ゲームが悔しくてなりません。
 少し硬かったし、相手の高さに戸惑いも感じました。
 第2ゲームでのWang のミスは、風の影響があったと思います。
 私が風下でした。
 途中から向こうは、前に落とし始めたのですが、対応はできていたと思います。
 でも、返すだけで精一杯。
 あそこできちんと拾って、狙った球を返せるだけのフィジカルが必要です。
 悔しい気持ちはありますが、
この雰囲気の中で戦えたことは、本当に良い経験になりました。
 この経験を今後に活かしたいと思います』

 第3試合:男子シングルス
 佐々木翔選手(トナミ運輸)0(12−21、13−21)2 Dan Lin   35分
 北京オリンピック、ゴールドメダリストの登場で、
会場は一気にヒートアップしました。
 そんな中にあっても、佐々木選手、いつもと変わらぬポーカーフェイスです。

 すみません。この試合は論評が難しい試合です。
 Lin のバドミントンプレイヤーとしての完成度の高さを、
改めて見せつけられました。
 佐々木選手は平常心で戦えていたと思います。
 それでも、事実上の世界ナンバーワンプレイヤーとは、
今、これだけの力の差がある、という事実を痛いほど感じました。

 佐々木選手は試合を通じて、リスクの高いショットを打っていかなければならず、
その結果としてミスも多かった。

 佐々木翔選手のコメント:
『Lin Danとは久しぶりの対戦でした。
 少しは近づいているかなと思ったのですが、
なかなか厳しい結果になりました。
 リスクを負って、厳しいところに打っていかなくてはならなかったけれど、
相手は動じることなく、落ち着いて待っていました。
 それでも、このスディルマン杯で、世界の文字どおりのトップと戦えたわけで、
この経験を活かし、まだまだ上を目指していきたいと思います』

 第4試合:女子ダブルス
 藤井瑞希&垣岩令佳ペア(NEC SKY)
     0(10−21、9−21)2 Jing Du &Yang Yu   28分

 この試合も北京オリンピック金メダリストとの一戦です。
 若き藤井&垣岩ペアが果敢に挑みました。

 硬さもなく、良い状態で試合に入っていった日本ペアですが、
この試合でも感じたことは、中国ペアの“サービス回り”での厳しさです。
 とにかく隙を見せないし、日本が隙を見せたら、絶対に逃しません。
 この中国ペアは、日本では“男みたい”と称されますが、
パワー云々ではなく、高いレベルのコンビネーションとスキルが大前提にあります。
 そして、それに基づく、ダブルスでの絶対的なカギとなる(何度も言いますが)
“サービス回り”が、とにかく速く、巧く、強いのです。

 藤井&垣岩ペアの先輩、末綱聡子&前田美順ペアも、
そして小椋久美子&潮田玲子ペアも、この“サービス回り”を鍛え抜いて、
世界と同等の勝負を挑んだのでした。

 第2ゲームでは、Du &Yuが、さらに“サービス回り”で圧倒した結果です。

 藤井&垣岩ペアに、明確な課題が見つかった試合だったと思います。

 藤井瑞希選手のコメント:
『男子ダブルスを見ていて、
中国選手のサービス回りの速さ、巧さは気づいていたのですが、
今日、試合をしてみて、改めて痛感しました。
 サービスのレシーブでは、すぐに前に出られて、姿が目に入って、
打てるところがないって感じでした。
 さすが、金メダリスト。本当に強かった
 まずはレシーブの技術を磨くこと。
 それができなければ、ラリーもできないですから。
 スディルマン杯は2度目ですが、今回の方が盛り上がり方も凄いし、
そこの部分では楽しめています』

 垣岩令佳選手のコメント:
『試合にはあまり硬くならず、良い状態で入れたと思います。
 相手はさすがに強かった。
 何もできないまま終わったという悔しさはありますが、
課題がたくさん見つかった、収穫のある試合でした。
 サービス回りでの相手のプレッシャーは本当にきつくて、
世界トップのレベルを実感しました。
 また、練習します』

 第5試合:混合ダブルス
 平田典靖(トナミ運輸)&前田美順(NEC SKY)
0(11−21、23−25)2 Bo Zheng &Jin Ma  43分

 舛田圭太氏(現ナショナルコーチ)とのペアで、
混合ダブルス、全日本総合3連覇の実績を誇る前田選手が、
新たに平田選手をパートナーに迎えてのぞんだ試合です。
 平田選手も、松尾静香選手(三洋電機)とのペアで、
混合の経験を重ねてきました。
 このペアは先のアジア選手権でデビュー。
 ベスト4という結果を残しました。

 第1ゲームは精彩を欠き、押し切られた平田&前田ペアでしたが、
第2ゲームに入り、ようやく歯車がかみ合いだしました。

 序盤、良い感じで得点を重ねますが、中国ペアもしぶとい。
 中盤になると徐々に得点差を詰められ、逆転を許してしまいます。

 ここで終わらないのが、平田&前田ペアでした。

 終盤、離されることなく粘りを見せ、
20−19とゲームポイントを握ります。

 ここで前田選手のサービスがやや浮いたのを逃さず、Maがプッシュ!
 20−20で延長にもつれ込みました。

 ここからは会場内を揺るがす『加油!』の大合唱。
 が、平田&前田ペア、全く怯みません。

 ここから先は、お互いが持ち味を出し、一進一退。
 それでも最後は中国ペアが押し切りました。
 25ポイント目は、記者席からは明らかにアウトに見えましたし、
平田&前田もアピールをしたのですが、
残念ながら判定が覆ることはなく、試合が終わりました。

 混合の戦い方を、この2人は知っている。
 やはり経験値は大きいと感じました。

 平田典靖選手のコメント:
『第2ゲームは取りたかった。
 惜しいところまでいったので、もったいなかった』

 前田美順選手のコメント:
『第1ゲームは悔いが残ります。
 どういう戦い方をするか、きっちり自分の中でイメージできていないと、
今日の様な相手だと、ああいう戦い方になってしまいます。
 それでも第2ゲームは粘れた。
 明日のイングランド戦にも、是非、出たいです」

 残念ながら日本は、0−5の敗戦。
 結果的には1ゲームも奪うことができませんでした。
 それでも、女子シングルスの関谷選手、混合の平田&前田ペアと、
ゲーム奪取まで後一歩でした。
 常々思うのですが、中国選手との試合では、
第1ゲームの立ち上がりから、しっかり勝負できないと難しい。
 今夜のこの試合を見て、その思いを新たにしました。

 舛田圭太コーチのコメント:
『関谷と混合、ゲームを取りたかったですねえ、惜しかった。
 混合は最後、押し切られた。
 女子のMaは若手の有望株ですからね、強い。
 明日のイングランド戦は勝負です。
 オーダーはこれからじっくり考えます。
 混合をどうするか?
 イングランドは男子がダブルスと混合を兼ねてくる。
 それに対し、どういうペアで挑むか?
 試合の順番でも、イングランドにプレッシャーをかけられるので、
その駆け引きもあって、重要です。
 男女のシングルスと女子ダブルスが得点源です。
 これに男子と混合のダブルスでも、当然、ポイントを狙います。
 オーダー、楽しみにしていて下さい』

 中国戦の余韻はまだ残っていますが、
気持ちは明日のイングランド戦に切り替えなければなりません。
 1部残留というより、5、6位という、より上位を狙うために、
負けられない相手ですし、勝算は十分にあります。
 インドネシア、中国での悔しさと歓喜を糧に、
明日のイングランド戦にのぞんで欲しいと思います。

 現地の日本人応援団の姿も目立ち始めました。

 日本に追い風が吹きつつあると感じます。

 イングランド戦は、明日夜7時(日本時間8時)開始です。


                   (取材/文 ライター・佐藤純郎)

【4日目観戦記】

 第11回世界国別対抗バドミントン選手権 大会4日目

 イングランド戦

 共に予選ラウンドの2試合を終え、2敗同士の戦いとなりました。
 得ゲームの差で、日本が3位、イングランドが4位です。
 勝った方が予選3位となり、プレイオフ5、6位決定戦に進みます。
 グループ1残留を確実にするためにも、この試合は負けられません。
 現地入りして以降、日本チームは、
このイングランド戦を、ひとつのターゲットにしてきました。

 今回の代表メンバーのベストの布陣で挑みます。
 共にナショナルカラーは白と赤ですが、イングランドが白と赤の上下。
 日本は黒と白の上下のウェアです。

 第1試合:
 第1ゲーム
 平田典靖(トナミ運輸)&前田美順(NEC SKY)
0(22−24、15−21)2 Anthony Clark&Donna Kellog   43分

 混合では、間違いなく女子選手がターゲットになります。
 それをどこまで凌ぎ、反撃できるかがカギです。
 イングランドの男子、Clark はサウスポー。
 定石どおり、
前田選手に高い打点からのジャンピングスマッシュを打ち込んでいきます。
 7−11でブレイク。
 ここまでは、Clark のスマッシュにてこずっているなあという印象です。

 11−15。平田選手のヘアピンがネットに乗り、相手コートに落ちました。

 長いロブを多用し、Clark を左右に振り回す戦術。
 それが効果を出し始めました。
 追いつき、逆転に成功です。
 20−17からミスを連発、20−20に。

 この後もゲームポイントを握った日本ペアでしたが、
攻め切れません。

 最後は、ポッカリ空いたスペースに、
Clark のドロップショットが決まり、22−24。
 惜しいゲームを落としました。

 第2ゲーム
 球を散らし、相手を動かしているのは日本ペアの方です。
 しかし、イングランドペアはしぶとく球を返し続け、
日本ペアがミスを犯すという展開。
 コンビネーションでは、イングランドの方に、
一日の長があるのはやむを得ないところでしょう。

 リードを許しながらも、食い下がる平田&前田ペア。
 が、あと一歩が届きません。

 最後は前田選手のサービスがネットにかかり、ゲームセット。

 第1ゲームでのチャンスを逃したことが、
最後、尾を引きました。

 前田選手はダブルスを控えているため、平田選手にだけ話を伺いました。

 平田典靖選手のコメント:
『第1ゲーム、前田選手を十分、フォローできなかったことが悔やまれます。
 相手の男子選手の、高い打点から打ってくる、
ジャンピングのリバース気味のショットに、
もうひとつうまく反応できなかった。
 加えて長身(資料では178cm)の女子選手がネット前で張っていて、
そのやりづらさもあった。
 もう一回、チャンスをもらえたら、今度こそ、という思いです』

 男子シングルス:
 田児賢一選手 1(17−21、21−19、14−21)2Andrew Smith 65分

 前回大会、日本の1部昇格の立役者は、この田児選手でした。
 2年後、堂々、日本のエースとして、この舞台に立っています。

 第1ゲーム
 序盤は、Smith が優位に試合を進めます。
 インドネシア戦でも気になったことですが、
田児選手の、あの躍動感がどうも影を潜めてしまっているのです。
 勝手なイメージですが、
彼はもっと闘争心を前面に出していくタイプのプレイヤーだった。
 それが今は、どうもおとなしくまとまってしまっている。
 一本を奪ったショットを喜ぶより、その前の相手のショットが、
“ウォッチすれば、アウトだったかもしれない”、
 そちらに気がいく素振りを見せてしまう。
 些細な一本にも声を上げ、自らを鼓舞して闘う選手だったのではないか。

 歯がゆさを覚えながら見ていると、
17−21でゲームを失ってしまいました。

 第2ゲーム
 チェンジエンド。
 朴ヘッドコーチ、町田コーチのアドバイスが効いたのかもしれません。
 ようやくエンジンがかかり始めました。

 それでも長続きはしません。
 13−13。
 ブレイク後、並ばれてしまいました。

 ここでようやく目が覚めた?
 彼の野太い声が、記者席まで届き始めたのです。

 21ー19。
 ファイナル突入です。

 ファイナル・ゲーム:

 田児選手、6−5の場面でトラブル。
 アンパイアが得点を間違え、相手の5−6に。
 朴ヘッドコーチも懸命にアピール。
 レフェリーも出て来ましたが、
結局、6−6でリスタートという、
なんともお粗末な裁定を下してしまいました。
 得をしたのはSmith で、この後、明らかに調子づきました。
 9−11でチェンジエンド。

 田児選手は踏ん張らなければなりません。

 と、今度は13−15で得点ボードの電源がダウン。
 度重なるトラブルが田児選手の集中力をかき乱します。

 14−15と迫りますが、
ここでSmith が一気にペースアップ。
 それに田児選手、ついていけません。
 後はズルズルと失点を重ねてしまいました。

 ミックスゾーンにたどり着いたとき、田児選手は既に選手席に戻った後でした。

   後がなくなった日本。
 命運は若きダブルスのエース、数野&早川ペアに委ねられました。

 男子ダブルス:
 数野健太&早川賢一ペア
 0 (25ー23、19ー21、18ー21)2 Anthony Clark&Nathan Robertson

 序盤、イングランドの攻勢を許しますが、
少しずつペースを上げていった数野&早川ペア。
 終盤に追いつき、延長に入って、24ー23。
 この最初のゲームカウントをモノにし、
日本、この試合初めて先手を取ることができました。

 第2ゲーム:
 さあ、ここからが本当の勝負です!
 ここでも先行を許しますが、徐々に追いつき、
一進一退の行き詰る攻防が続きます。

 得点は競っていますが、数野&早川ペア、
イングランドペアの球筋を完全に見切った感じがします。
 レシーブは余裕で相手のハードヒットを受け止め、
アタックでも、ハードヒットせずに、相手の陣形を確実に崩していきます。

 15−10。
 このまま押し切って欲しい!

 18点を取ってから、
 勝利を意識したのか、ミスが続きました。

 19−21。
 もったいないゲームを落としました。

 ファイナル・ゲーム:
 出だしから先行しますが、得点差は開きません。
 11−10。チェンジエンド。
 緊張感をいっぱいに漂わせながら、勝負どころに入ります。

 中国の観客は、バドミントンの楽しみ方を知っています。
 なので、ここぞというショットを決めると、
一気に反応してくれるのです。
 日本ペアも、観客を味方につけたいところでしたが……。

 18−21。
 最後は早川選手、サービスレシーブをネットにかけ、試合終了。

 返す返す、第2ゲームで押し切れなかったことが悔やまれます。

 これで日本は0−3となり、負けが決まりました。
 残念です。

 女子シングルス:
 佐藤冴香選手 2(21−15、21−14)0 Sarah Walker   23分

 団体戦の勝敗は決しましたが、
佐藤選手、当然、モチベーションを切らさず、試合にのぞんでいます。
 第1ゲーム、15本の勝利。
 第2ゲームも抜群の安定感を見せ、Walkerを寄せ付けません。

 素晴らしいパフォーマンスで、完勝でした。

 佐藤冴香選手のコメント:
『勝てたけれど、全然、ダメでした。
 チームの負けが決まった直後で、全然、集中できなかった。
 ナショナルチームの一員としての初めての団体戦ですが、
チームのみんながいるから頑張れる部分が、とても大きいと感じています。
 もう1試合、出場するチャンスがあったら、
もっと良い試合ができるように、コンディションを整えます』

 一矢を報いた後、最終試合を迎えました。

 女子ダブルス:
 末綱聡子&前田美順ペア
  0(12ー21、12ー21)2 Jennifer Wallwork&Donna Kellog   34分

 2人にとっては難しい試合になりました。
 モチベーションの落としどころや集中力の持続も、
エースペアとしての自覚があるからこそ、逆に、大変だったと思います。
『エースならば、勝て!』
 という声も聞こえてきそうですが、
この試合を見ていると、その要求は酷だと感じました。
 末綱選手のヒザの回復も、ほぼ完治ではあるのでしょうが、
ここで無理に勝負する場でもなかったように思います。

 ミックスゾーンでは、
『お疲れ様』と声を掛け、
15日のプレイオフでの健闘を願いました。

 日本 1− 4 イングランド

 この試合に賭けていた日本にとっては、厳しい結果となりました。
 勝敗が決した後の選手らの落胆振りは激しく、見ていて辛かったです。
 とにかく、15日、プレイオフでの香港戦では、
是非とも勝利して欲しいものです。

 日本はグループ1の一員として相応しいチームだと思えます。
 それは確信をもって言えます。
 ただ、結果が伴わなければ、誰も認めてはくれない。

 チーム全員で、そのことを証明して欲しいと願います。

 舛田圭太コーチのコメント:
『残念な結果になってしまいました。
 混合と男子ダブルスは難しい試合になると覚悟はしていたのです。
 それでも混合もMDを兼ねるClarkを振り回してくれましたし、
成果は出してくれました。
 男子ダブルスも、後一歩だった。
 2ゲームで決めたかったけれど、向こうの経験値が一枚上手でした。
 ファイナルでは、最後、もう限界でした。
 最初からガンガン飛ばしていったので。

 残念だったのは男子シングルスの田児選手。
 前回大会、1部昇格のキーマンだった彼ですが、
あの時は怖い者知らずで行けたけれど、
今回は文字どおりエースを任されて、プレッシャーも大きかったと思います。

 あと1点、2点の勝負しているのですが、
そこで勝ち切れない。今回のチームの若さだとも言えます。

 最後のプレイオフは香港です。
 なんとしても勝って、帰りたいと思います』

                   (取材/文 ライター・佐藤純郎)

【5日目選手コメント】

 第11回世界国別対抗バドミントン選手権 大会5日目

 ホンコンチャイナ戦

 第1試合:男子ダブルス
 数野健太&早川賢一ペア(日本ユニシス)
  2(21−15、21−15)0 Wai Ho Hui&Albertus Susanto Njoto  28分

 数野健太選手のコメント:
『イングランド戦で敗れたとき、舛田(圭太)コーチの目に、
涙が光っているのが見えました。
 それを見て、香港戦ではなんとしても結果を出したい
と思っていたのです。
 最後、こうして勝って終わることができて、ホッとしました』

 早川賢一選手のコメント:
『良かったあ。緊張しました。中国ペアに比べたら、
球は遅いし、質も低いし、十分、反応できました。
 先輩たちが前回勝ってくれたおかげで、
今回、1部という最高の舞台で戦えているわけで、
今日勝って、なんとか貢献したかった』

 第2試合:女子シングルス
 関谷真由選手(三洋電機)(7−21、16−21)2 Pui Yin Yip  33分

 関谷真由選手のコメント:
『相手の動きが速くて、なかなか反応できませんでした。
 でも粘って、拾って、チャンスボールを辛抱強く待っていたのですが、
その球がきたとき、ミスが続いてしまいました。
 今回の2試合では、相手のミスに助けられて得点するケースが多かった。
 ラリーポイントなので、それでも点数は入りますが、
自分にはこれという決定打がないと痛感しました。
 チームに帰って、また“世界”を目指す練習をします』

 第3試合:男子シングルス
 佐々木翔選手(トナミ運輸)
      2(22−20、21−15)0 Yan Kit Chan     39分

 佐々木翔選手のコメント:
『相手は自分と戦い方もキャリアも似ているタイプです。
 自分と戦うようなつもりで、試合に入りました。
 この試合では、みんなでチーム一丸というムードが出来上がっていたので、
その雰囲気になんとしても応えたかった。
 セカンドゲームで追いつかれたときは、あんなに離していたのに、
これで負けるわけにはいかねえなと思ってました。
 ずっとスディルマン杯などの団体戦で結果を出せてなかったので、
今回は、とても意義深い大会になりました」

 第4試合:女子ダブルス
 末綱聡子&前田美順ペア(NEC SKY)
       2(21−10、21−15)0 Chen Wang&Mi Zhou   47分

 末綱聡子選手のコメント:
『シングルスの世界のトップ選手が向こうにいるというのは、
なかなか経験できることじゃあない。
でもそのことを意識せず、自分たちのプレイをしようと話して、
コートに入りました。でも、2人のカットは凄かったあ。
 前回大会で1部に押し上げてくれて、
今回、私たちがこういう舞台でプレイできる。
 そのことのありがたさを感じていたので、
こうしてチームに貢献できたことを嬉しく思っています』

 前田美順選手のコメント:
『これまで団体戦には良い思い出がなかったので、
 今日、こういう結果を残せて、ホッとしています。
 この大会で5試合目で、体がきつくないと言えば嘘になりますが、
そういうことを言っていられる場合じゃないし、
とにかく気持ちだけは切らさないようにと思っていました。
 このチームは若手は若手でまとまっていたし、
私はこれから、その若手と末綱先輩や潮田さんらとを結ぶ役割を果たして、
ナショナルチームに貢献できたら良いなと思います。
 そのためにもまず、
私たちペアがきちんと強くなることが一番だと思っています』

 第5試合:混合ダブルス
 池田信太郎(日本ユニシス)&潮田玲子(三洋電機)
                  対  Yohan Wiratama&Hoi Wah Chau

 3−1で日本の勝利が確定したため、
混合ダブルスの試合はキャンセルされました。

 舛田圭太コーチのコメント:
『今日の香港戦は、男子の2つに勝ってもらうことが、
どうしても必要でした。
 それがどちらも、素晴らしい試合内容で勝ってくれて、
香港を倒すことができました。
 イングランド戦に敗れたこととか、トラブルも少しあって、
もちろん100%満足いく大会ではなかったですが、
1部残留という最低限の目的は果たせたと思っています。
 また、若い選手が多い中、インドネシア、中国という
世界のトップの国々の選手と、
しかも大観衆の完全アウェイのような雰囲気の中で対戦できたことは、
今後の彼らにとって、貴重な経験になったと思います。
 今回のメンバー以外にも故障が癒えて戻ってきてくれる選手や、
若手にも有望な選手がいます。
 この大会を契機に、新たな日本代表チームを、
さらに強化していきます」

                   (取材/文 ライター・佐藤純郎)