第53回全日本社会人選手権大会観戦記
(2010.9.4-9)


『第4日目(9/7) 観戦記』


  男女シングルスでベスト8が決まりました(“結果”をご参照下さい)。

  男子はシード勢がほぼ順当な勝ち上がりましたが、
 坂井一将選手(石川)は唯一、1回戦からの勝ち上がりです。
  ベスト8決めの試合では、池田雄一選手(東京)と対戦。
  第2ゲームではマッチポイントを握りながら、逆転を許し、ファイナルゲームへ。
  ファイナルゲームは勢いに乗る池田選手の攻勢を受けますが、
 終盤、逆転し、ベスト8入りを決めました。

  先の世界選手権ベスト8の山田和司選手(東京)は好調です。
  ここまで失ゲームはゼロ。
 『出るからには優勝を目指します。そろそろタイトルが欲しい』
  と、山田選手。
  手応えはまだ十分に感じていないと、この先を見据えていました。

  女子シングルスでは波乱が起こっています。
  第1シードの平山優選手(東京)と第4シードの栗原文音選手(東京)が、
 ベスト32で敗退しました。
  平山選手に勝った宮崎優花選手(鳥取)は、勢いに乗ってベスト8入りです。
  第2シードの樽野恵選手(東京)は、粘る福万尚子選手(大阪)を振り切り、
 ベスト8入りを決めています。
  特筆すべきは、ベスト8に2人入った秋田=北都銀行です。
 『ベスト8に2人残ったのは初めてですよ』
  と、原田利雄北都銀行監督。
  その2選手とは三好奈緒選手と楠瀬由佳選手。
  2人とも、けっして楽な勝ち方はしていませんが、自らのミスにも動じることなく、
 粘り強いレシーブと積極的な攻撃のバランスが取れている、という印象でした。

  男女ダブルスはベスト16、混合ダブルスはベスト8が決まっています。

  明日は各種目でシード勢が激突します。
            (取材・文/ライター 佐藤純郎)


『第5日目(9/8) 観戦記』


 各種目、ベスト4が出揃いました。
 準々決勝の結果です。

 男子シングルス:準々決勝
 佐々木翔選手(富山) 2(21−15、21−13)0 井上知也選手(東京)
 *第1シードの佐々木選手。順当に準決勝へ駒を進めました。

 早崎修平選手(神奈川) 2(21−17、21−17)0 古財和輝選手(富山)
 *ナショナルメンバーの早崎選手、
 『立ち上がりは緊張してしまいました。丁寧になり過ぎて、かえってミスに。
 でも、ペースを取り戻してからは、落ち着いてプレーできました。
 明日の相手の佐々木選手は、昔からバドミントンマガジンで顔を見慣れてきた方です。
 その選手と戦える。ようやくここまで来れたという思いがありますね。
 色々な気持ちを込めて佐々木さんに挑みたいです』

 佐藤翔治選手(東京) 2(21−14、21−17)0 竹村純選手(北海道)
 *これまで何十回も戦ってきた選手同士の一戦。勝った佐藤選手は、
 『やはり彼が相手となると、たぶん、僕の方が勝ち越しているとは思いますが、
 気持ちの入り方が全然違います。それもあって、良い試合ができました。
  明日の相手はシード選手を何人も破って勝ち上がってきたそうなので、
 勢いに負けないよう、しっかり用意したいと思います』

 坂井一将選手(石川) 2(21ー15、8−21、22−20)1 山田和司選手(東京)
 *坂井選手、好調さを持続しています。
 今日はナショナルメンバーで、世界選手権ベスト8の山田選手をフルゲームの末に破りました。
 『風に悩まされた試合でした。第2ゲームは難しいコートサイドだったので、
 無理せず、ファイナルゲーム勝負に切り替えました。
  この大会の前に、インドネシアでタヤフィック・ヒダヤットの“T.H.フォース・クラブ”で、
 トレーニングを積んできました。 その成果が出ていると思います。
  明日の相手、佐藤選手は経験では向こうが上。挑戦する気持ちで戦います』

 男子シングルス:準決勝の組み合わせ
 佐々木翔選手 − 早崎修平選手  、  佐藤翔治選手 − 坂井一将選手

 男子ダブルス:準々決勝
 松澤龍徳&黒瀬尊敏ペア(富山)
          2(10−21、22ー20、21−15)1 平田典靖&橋本博且ペア(富山)

 早川賢一&遠藤大由ペア(東京)
           2(21−13、21−12)0 大嶋一彰&三橋智希ペア(神奈川)

 数野健太&廣部好輝ペア(東京)
           2(21−19、21−12)0 安村康介&米 隆夫ペア(富山)

 佐藤翔治&川前直樹ペア(東京)
           2(21−17、21−16)0 堀川善生&山口公洋ペア(東京)

 *男子ダブルスでは第1シード、日本代表の平田&橋本ペアが敗退。
   残る3ペアはシード勢が順当に勝ち上がりました。
   佐藤選手は単複でベスト4入りです。
  『調子は悪くないと思います。
   でもダブルスでは、100%の力を出しても勝負の行方はわかりません。
   とにかく自分のプレーをしっかりやるだけです』

   男子ダブルス:準決勝の組み合わせ
   松澤&黒瀬ペア − 早川&遠藤ペア
   数野&廣部ペア − 佐藤&川前ペア

  女子シングルス:準々決勝
  幡谷好美選手(熊本) 2(21−12、21−18)0 宮崎優花選手(鳥取)
  *この大会、幡谷選手が好調です。
   『これまでどおり、拾って、走って、打ってという、
   自分のプレーができていることがベスト4まで来れた理由かと思います。
    明日は同じチーム同士の試合になりますが、これまでどおりに戦いたい。
    何より悔いのない試合をしたいと思います』

  伊東可奈選手(熊本) 2(21ー13、21−15)0 三好奈緒選手(秋田)
  *持ち味のアグレッシブな伊東選手が戻ってきました。
   『今は恵まれた環境の中で、バドミントンに集中できています。
    以前より強くなった実感があります。
    ここまで来たからには、練習でやってきたことをちゃんと出して、
   “上”を目指したいと思います』

  松友美佐紀選手(東京) 2(21−13、19−21、21ー18)1 打田しづか選手(東京)
  *同チーム同士の対決でしたが、社会人ルーキーの松友選手が勝利しました。

  樽野恵(東京) 2(21−15、21−16)0 楠瀬由佳(秋田)
  *上位シード勢が姿を消す中、第2シードの樽野選手が勝ち残りました。
    お馴染みの気合溢れる声と強打、そして巧みなラケット捌きは好調さを物語っています。

  女子シングルス:準決勝の組み合わせ
  幡谷好美選手 − 伊東可奈選手  、  松友美佐紀選手 − 樽野 恵選手

  女子ダブルス:準々決勝
  今別府靖代(東京)&小池温子(広島)ペア
            2(21−14、23ー21)0 藤井瑞希&垣岩令佳ペア(熊本)
  *この大会が公式戦デビューの今別府&小池ペアが殊勲の勝利です。
    ナショナルメンバーで第1シードの藤井&垣岩ペアにストレート勝ちです。
    藤井&垣岩ペアも第2ゲーム、11−20の劣勢から巻き返したのですが、
  あと一歩届きませんでした。勝利した今別府&小池ペア。
  『第2ゲーム、気持ち良く終われなかったで、なんだか勝った気がしません。
   でも初めての公式戦で第1シードに勝ったことは自信になります。
   どうしても欲が出てしまうのですが、一つひとつ勝っていければと思います』

  今井杏莉&大森舞ペア(宮城)
            2(14ー21、21−16、21−14)1 馬上愛実&下崎彩ペア(秋田)
  *今井&大森ペア、全国大会ベスト8の壁を乗り越え、ベスト4入りです。
  『風の吹き方を見極めて、第2ゲームで自分たちのペースを握ることができました。
   ファイナルゲームでは、後半になれば自分たちの得意なサイドに移れるので、
  11点まではガマンして、そこから勝負に出ようと。その作戦が上手くいきました。
  試合中はお互いに“勝てるよ、勝てるよ”って声を掛け合って、
 最後まで良い集中力を持続して戦えたと思います』

  金森裕子&浅原さゆりペア(東京)
           2(21−17、25−23)0 岡ひとみ&横山めぐみペア(熊本)
  
  松友美佐紀&高橋礼華ペア(東京)
           2(23−21、17−21、21−9)1 多谷郁恵&福万尚子ペア(大阪)

  女子ダブルス:準決勝の組み合わせ
  今別府&小池ペア − 今井&大森ペア
  金森&浅原ペア − 松友&高橋ペア

  混合ダブルス:準々決勝
  川前直樹&田井美幸ペア(東京)
           2(21−8、21−16)0 小松崎佑也&新玉美郷ペア(千葉)

  黒瀬尊敏(富山)&横山めぐみ(熊本)ペア
           2(23−21、21−19)0 鈴木大祐(宮城)&小森美希(秋田)ペア

  早川賢一&高橋礼華ペア(東京)
           2(21−7、21−11)0 桜井勝仁(大阪)&吉村征美(岐阜)ペア

  数野健太&金森裕子ペア(東京)
           2(21−16、21−18)0 大滝祐紀(愛知)&服部麻衣(宮城)ペア


  *混合ダブルスでは番狂わせが起こりやすいと言われますが、
   ベスト4の顔ぶれは、ほぼ順当となりました。

  混合ダブルス:準決勝の組み合わせ
  川前&田井ペア − 黒瀬&横山ペア
  早川&高橋ペア − 数野&金森ペア

  最終日の9日は午前9時30分から準決勝が行われ、続いて決勝戦となります。
  2種目で勝ち上がっている選手もいます。
  頂点を目指し、最終日、ハードな戦いに挑みます。
            (取材・文/ライター 佐藤純郎)


『最終日(9/9) 観戦記』


   広島市の広島県立総合体育館を主会場に行われてきた大会も最終日。
  各種目の準決勝と決勝が行われました。

  男子シングルス:準決勝
  佐々木翔選手(富山) 2(21−18、21−13)0 早崎修平選手(神奈川)
  *ナショナルメンバー同士の対決は、経験値で勝る佐々木選手の快勝。
    若手で期待の早崎選手は、連日の試合で、やや疲労が蓄積していたのか、
  第2ゲームの後半で足が止まったかに見えました。
  『ベストの状態の早崎選手が相手だったら、結果は違っていたかもしれません』
  と、佐々木選手は振り返りました。

  男子シングルス:準決勝
  佐藤翔治選手(東京) 2(13−21、21−14、21−14)1 坂井一将選手(石川)
  *こちらも注目の好カードとなりました。
    第1ゲームを奪われた佐藤選手でしたが、
   第2ゲームに入るとゲームマネジメントに微調整を施し、次第に主導権を握り始めます。
    ファイナルになると完全に佐藤選手ペース。
    こちらも経験豊富な佐藤選手が、
   “頂上越え”に挑んだ坂井選手の野望を打ち砕きました。
   佐藤選手『第1ゲームを取られたときは、やられるかなと思ったが、
        強いことは分かっていたので、油断する気持ちはまったくなかった』
   坂井選手『第2ゲーム以降、スピードを上げて、
        長めの球を多用するようになった佐藤選手に対して、
        上手く対応できなかったのが残念です。
        でも第1ゲームは自分のペース、形に持ち込んで取れたので自信になった』

   男子シングルス:決勝
   佐々木翔選手 2(21−13、14−21、21−)1 佐藤翔治選手
   *佐々木選手は2年ぶり、2度目の優勝。
     バドミントンファンにとっては最高のカードが実現しました。
     お互いに“決勝で対戦する”ことが大会前からの目標だったと言います。
    シャトルの交換やネットインの後の“スマン”のポーズなど、
   コート上には2人だけが理解できる、共有の時間が流れていたように思います。
    国内トップレベルの技術とマインドが凝縮された試合でした。
    佐々木選手『今回は5月のランキングサーキットがベスト4止まりだったので、
           優勝することを目標にしてのぞみました。
            自分自身に“健在”であることを納得させるためにも、
           “優勝”という結果にこだわりたかった。
            当然、決勝で佐藤選手と対戦して勝って優勝ということも考えていたので、
           この結果には満足しています』

    佐藤選手 『単複2位という結果、う〜ん、
           決勝までやり切れたことが良かったと思っています。
            国内大会に関しては、今後も単複の出場にこだわっていきたい』

  女子シングルス:準決勝
  幡谷好美選手(熊本) 2(13−21、21−14、21−10)1 伊東可奈選手(熊本)
  *同チーム同士の一戦。加えて共通のキーワードは“復活”。
    お互い、胸の内に期するものがあったと思います。
    そんな試合を制したのは幡谷選手でした。
    伊東選手『私の強い打球を上手く利用されたなと思います。
         練習マッチでは私の方が優勢なことが多かったのですが、
         試合となると、これまでの経験の差が出たのかもしれません』

  樽野 恵選手(東京) 2(21−15、21−23、21−19)1 松友美佐紀選手(東京)
  *熱い接戦を制したのは樽野選手でした。
    ファイナルゲームの終盤になっても集中力が切れず、競り勝ちました。
    松友選手にとっては悔いの残る試合。
    終盤の勝負どころで出たミスが勝敗を分けました。

  女子シングルス:決勝
  樽野 恵選手 2(21−16、21−6)0 幡谷好美選手
  *樽野選手、涙のシニアの国内大会初優勝です。
  樽野選手『決勝の試合と思わず、また1回戦から始まると言い聞かせてコートに入りました。
       春の大阪国際で負けてから、ずっとガマンの日を過ごしてきたし、
       たくさんの方々に支えられて勝ち得た優勝なので、本当に嬉しい』
  幡谷選手『第1ゲームの立ち上がりで相手を勢いに乗せてしまったことが悔やまれます。
       負けたことは本当に悔しいのですが、でも、この大会で、またコートに立って、
       拾って、前に走って、打つという、
       私のバドミントンを取り戻せたことは大きな喜びでした』

  男子ダブルス:準決勝
  早川賢一&遠藤大由ペア(東京)
           2(21−12、21−9)0 松澤龍徳&黒瀬尊敏ペア(富山)
  *春にスタートを切った早川&遠藤ペア。
  前日、第1シードの平田&橋本ペア(富山)を破った松澤&黒瀬ペアに快勝でした。

  佐藤翔治&川前直樹ペア(東京)
           2(21−15、21−16)0 数野健太&廣部好輝ペア(東京)
  * 佐藤&川前ペア、堅実なプレーで決勝進出を決めました。
    川前選手『集中力で勝っていたかなと思います。
         つなぎの球やドライブで、僕らの方が浮いた球が少なかった』
 
  男子ダブルス:決勝
  早川賢一&遠藤大由ペア
          2(21−17、21−12)0 佐藤翔治&川前直樹ペア
  *早川&遠藤ペアは初優勝(早川選手は昨年に続き連覇)。
    優勝した早川&遠藤ペアは、組んでから日は浅いものの、
   大会を通じて1ゲームも落とさずに頂点を極めました。
   一方、最終日だけで4試合目の佐藤選手。さすがに疲労の色は隠せませんでした。
   遠藤選手『ナショナルメンバーのほとんどが出ている大会で優勝できて、
        嬉しいというより、ホッとしています。
          これから先、フォーメーションに磨きをかけていけば、もっと良くなると思います』

  女子ダブルス:準決勝
  今別府靖代(東京)&小池温子(広島)ペア
           2(21−19、21−14)0 今井杏莉&大森舞ペア(宮城)
  *前日、ナショナルメンバーの藤井瑞希&垣岩令佳ペア(熊本)を破った勢いは、
  一夜明けても衰えていませんでした。
   得点差以上の優位さを持って、今別府&小池ペアが勝利しました。
  今井選手『“最低でもベスト4”が目標でしたから、この結果には満足できません。
       ただ今日の試合は向こうが上手でした。
        私はこれまでのキャリアで、決勝の舞台に立ったことがないので、
       絶対にそこまで勝ち進んでみたい。
        今はバドミントンにも勝負に対しても欲が出てきています』

   松友美佐紀&高橋礼華ペア(東京)
            2(21−12、14−21、21−19)1 金森裕子&浅原さゆりペア(東京)
   *同チーム同士の対戦。春以降、好調さを持続させている金森&浅原ペア。
     そんな“先輩ペア”を、実績で上回る松友&高橋ペアが、最後、突き放しました。

   女子ダブルス:決勝
   松友美佐紀&高橋礼華ペア
            2(21−19、25−27、21−11)1 今別府靖代&小池温子ペア
   *若い松友&高橋ペアが初優勝です。
     第2ゲーム、幾度かあったマッチポイントを凌ぎ、
    フルゲームまで持ち込んだ今別府&小池ペア。
     しかしファイナルゲームに至って、遂にこのペアの快進撃が止まりました。
松友選手『ジュニアオリンピックがあって、日本を離れていたので、
         この大会前は2人での練習が全然できていませんでした。
          だから優勝できるなんて思ってもいなかったので、
         驚いてもいるし、嬉しい優勝です。
          シングルスの準決勝で負けたことが悔しかったので、よけい嬉しい』
   高橋選手『練習不足で不安も大きい大会でしたが、
         そんな中で優勝できたことは自信になります。
          厳しい試合も多かったのですが、そこを乗り越えられたのは、
         今までの2人の経験が活かせたのかなと思っています』

   混合ダブルス:準決勝
   川前直樹&田井美幸ペア(東京)
           2(23−21、21−16)0 黒瀬尊敏(富山)&横山めぐみ(熊本)ペア
   *第1ゲームこそ競ったものの、キャリアで勝る川前&田井ペアが勝利。

   数野健太&金森裕子ペア(東京)
                  棄権       早川賢一&高橋礼華ペア(東京)

   混合ダブルス:決勝
   川前直樹&田井美幸ペア
            2(21−10、21−16)0 数野健太&金森裕子ペア
   *川前&田井ペアは初優勝(田井選手はこの種目通算3度目の優勝)。
     大会を通じて、1ゲームも落とすことなく、安定した力を見せての優勝でした。
   川前選手『得点を見ればそうですが、なかなか難しい試合も多かったです。
         どちらのポイントになるか、紙一重のラリーも多かった。
          ただナショナルメンバーのペアがすべては出ていない大会の中で、
         どこまでやれるかというチャレンジだったのですが、
         とにかく優勝という結果には満足しています』
   田井選手『川前選手のサービス回りでのプレーの上手さに助けられながらの試合でした。
         ナショナルチームでの合宿などを経て、ずっと上手くなっていました。
          緩急をつけた球さばきなど良いプレイがたくさんありました。
          去年の暮れ、一度は引退も考えたのですが、
         優勝という結果を得ると、続けて良かったと思います』

   5種目中4種目が初優勝というフレッシュな結果となった今年の社会人大会。
   若手の台頭と、それを迎え撃った経験豊富な選手たち。
   立場逆転を思わせる試合もあれば、経験者たちの意地を見た試合もありました。
   ただ従来の“強豪チーム所属の選手”=“強豪選手”という図式が、
  一部で様変わりしつつあるのでは、という思いも芽生えました。
   或る女子選手の言葉が印象的でした。 
  『他のチームとの環境の違いが敗因にはなりません。
  そのことを承知の上で入社したわけですから。
   だから余計、練習に集中しなければならないし、強くもなりたいのです』

   様々な環境下でバドミントンを続けている社会人が集うこの大会では、
  日本代表レベルにある選手たちに次ぐ選手らの活躍に興味を惹かれます。
   それらの選手たちの層が厚くなれば、
  勢い、日本バドミントン界の活性化に繋がると思うからです。
   その点で言えば、新たな可能性を強く感じた大会だったと思います。

            (取材・文/ライター 佐藤純郎)