OSAKA INTERNATIONAL CHALLENGE
4月7日(水)〜11(日) 大阪府守口市


4月8日 観戦記

「大阪インターナショナルチャレンジ2010バドミントン選手権大会」は、今日から本戦が始まった。会場の守口市民体育館のまわりの桜は満開となり、大会の雰囲気をより一層盛り上げる中、各種目で熱戦が展開された。

【混合ダブルス】
混合ダブルス1回戦には、国際大会初優勝を目指す池田新太郎(日本ユニシス)/潮田玲子(三洋電機)がファン・ポーイー/ウ—・ティジュン(チャイニーズタイペイ)と対戦した。
池田の故障でこれまでの国際大会を欠場していた池田/潮田は、この大会が4カ月ぶりの実戦となった。
第1ゲームは確実なストロークでミスの少ない池田/潮田が、序盤から大きくリードを奪う。
9−3となったところで、このゲーム初めて池田が後衛からカットやスマッシュで揺さぶり、甘くなったレシーブを前衛の潮田が決める本来の攻撃パターンを見せた。
この後も潮田の前衛での素早い動き、池田のスマッシュなどで21−9と簡単に奪った。
池田は「4カ月ぶりとは思えないほど、動きも良かった。ケガの間お互いにトレーニングしてきたことが生きた」とコメントしたが、第2ゲームに入ると池田/潮田の配球が単調になった上、イージーミスが出てしまい、ファン/ウーが粘りを見せる。ファンが強烈なスマッシュを決めて4連続ポイントをあげて18−15と追い上げをみせたが、池田/潮田は慌てることなく20−16でマッチポイントを握る。最後は池田の後衛からのスマッシュをレシーブしたウーのレシーブが甘くなったところをそのまま池田が前衛につめて、クロススマッシュを決めて21−16で勝利した。
試合後池田は「第2ゲーム後半はミスが多かった。相手がサウスポーでクセ球に対応出来なかった。簡単なミスをしていたら勝てる試合も厳しくなる。」とコメントすれば潮田も「競った試合になったことが、次の試合に向けて良かったと思う。反省を次につなげていきたい」と気を引き締めていた。

【男子シングルス】
男子シングルス1回戦では、今大会2度目の優勝を目指す佐々木翔(トナミ運輸)とシー・クェイチェン(チャイニーズタイペイ)が対戦した。
第1ゲーム序盤は相手のミスにも助けられ、佐々木がペースをつかみ11−6とリードする。しかし長身からパワーのあるショットを繰り出すシー・クェイチェンは、角度のあるスマッシュを決めて追い上げ13−13の同点にする。「取れない球ではないが、ぎりぎりを狙いすぎてミスが出てしまった。」と振り返った佐々木はここから、低くて速いロブを左右に運び体勢を崩してミスを誘うなど随所にうまさを発揮してこのゲームを21−19で奪う。
第2ゲームは佐々木が完全にペースをつかみ主導権を握る。シー・クェイチェンも粘り強くラリーを展開するが点差をつめることは出来ず、21−11で佐々木が勝利した。
佐々木は、一緒に練習する機会が多い田児賢一選手(NTT東日本)が今年3月の全英オープンで準優勝したことについて「世界で強豪を破り勝ち上がっていく姿をみると、自分もいけるのではないかといい刺激を受けた。これをプラスにして自分のバドミントンを貫いて頑張っていきたい。優勝を目指したい。」と力強くコメントした。

【女子シングルス】
女子シングルス1回戦では、大会連覇を目指す後藤愛(NTT東日本)がチャン・ペイシン(チャイニーズタイペイ)と対戦した。
「初戦はどの大会も厳しい。集中しないといけないし、気を引き締めている。」と後藤が話すように第1ゲームはうまくシャトルコントロールして相手を動かしミスを誘う展開に持ち込む。しかし「思った以上にチャンのショットが良かった。」と繋いで粘るプレーしかできなかったものの後藤が要所を締めて何とか21−14で奪った。しかしダブルスプレーヤーのチャン・ペイシンはスマッシュに角度があり、第2ゲームに入り後藤を苦しめる。
12−11と1点差まで追い上げられた後藤は、ネット前のプレーを焦った相手ミスで13−11とリードを広げるが、チャンの粘りのプレーの前にカットをミスして再び詰め寄られてしまう。「相手に攻撃をしのぐだけのプレーしかしてないことを読み取られ、繋げばなんとかなると思わせてしまった」と後藤が試合後反省したように、苦しみながらも21−16で勝利した。 「大会のレベルが上がっていて厳しい戦いだ。ナショナルメンバーなので負けられない。優勝は考えずにひとつひとつ目の前の試合を頑張る。」と練習で取り組んでいる課題を含めて気持ちは前向きで、目標はさらに高い所に置いているようだ。

【男子ダブルス】
この大会第2シードの川前直樹/佐藤翔治(NTT東日本)はチェン・チュンジュン/リャン・ジュイウェイ(チャイニーズタイペイ)と対戦した。
川前/佐藤はペアを組み始めてちょうど1年余り。海外ではカナダ国際で優勝、世界選手権でもベスト16に入るなど今大会の優勝候補のひとつ。
第1ゲームは「シャトルが飛ばずに、落ち着いたプレーができた。」と川前が話すように、積極的に攻めるチェン/リャンに対して、確実なレシーブ、川前の後衛からのスマッシュに前衛の佐藤が丁寧にネット前に運ぶミスのないプレーで一方的に押し切り21−9で奪った。
この流れは第2ゲームになっても変わることはなく、攻守に上回る川前/佐藤が伸び伸びと動きまわる。7−6から連続4ポイントをあげた場面では、佐藤がカット、スマッシュと攻めて自ら前衛につめてドライブ攻撃を見せるなど、コンビネーションもよく相手を寄せつけないプレーで21−15のストレートで勝利した。
川前は「初戦を勝ったから良かったが、もっと力をつけて上を目指したい」とコメントした。

【女子ダブルス】
女子ダブルス1回戦では昨年のこの大会で優勝を飾った高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)が同じ所属チームの浅原さゆり/金森裕子(日本ユニシス)と対戦した。
第1ゲーム開始からお互いに手の内を知り尽くしているだけに、長いラリーの応酬となった。そうした中で高橋/松友は自分たちの持ち味である、高橋が後衛からの攻め、松友が前衛をさばくスタイルを見せれば、浅原/金森は積極的に攻撃を仕掛けていくお互いに一歩も引かない熱戦となった。
ゲームの分かれ目となったのは浅原/金森が17−16とリードした場面。ここで金森のロングサーブがアウトとなり17−17の同点に高橋/松友が追いつくと、続くプレーで浅原のネット前に運ぼうとした球がネットを越えず18−17と高橋/松友がリードした。
粘る浅原/金森も再び同点にするものの、連続3ポイントを奪われ高橋/松友が、21−18で奪った。
第2ゲームはいきなり浅原/金森が連続4ポイントをあげリードする。松友は「1ゲーム目を競って取ったので、離されないように注意してゲームに入ったが集中しきれなかった。」と反省したが、高橋/松友も連続5ポイントを奪い逆転する。高橋は「相手の弱いところをしっかりと攻めていき得点を積み重ねていくことができた。」と振り返ったように11−10から金森が高橋/松友の体勢を崩してチャンスと思われたところで、スマッシュをミスしてしまい流れは高橋/松友に傾いた。結局21−13で高橋/松友が勝ち2回戦に駒を進めた。
高橋/松友は「最後まであきらめず粘って勝つことができた。修正しないといけないところをちゃんと修正して明日の試合に臨みたい。」とコメントした。
                 (記:三角 清一)

4月9日 観戦記

「大阪インターナショナルチャレンジ2010バドミントン選手権大会」今日は2・3回戦が行われ各種目のベスト4が出そろった。

【男子シングルス】
男子シングルス準々決勝では、園田啓悟(トナミ運輸)と佐伯浩一(NTT東日本)が対戦した。
園田は所属チームを変わって心機一転してこの大会を迎え、対する佐伯は2008のこの大会のチャンピオンだが、昨年は初戦で敗退しておりその戦いぶりが注目された。
第1ゲームは佐伯が長身を生かしたジャンピングスマッシュやカットを有効に使って自分のペースに持っていく。「昨年の日本リーグで対戦して敗れていたので、どうしても負けられない。」という気持ちで臨んだ佐伯がスピードでも上回り21−16で奪った。
「ナショナルチームから外れゼロからのスタートなので、試合に集中して平常心で戦っていることが成績につながっている。」と話す佐伯は、第2ゲームに入っても慌てることなくゲームメイクしていく。豪快なスマッシュでマッチポイントを握ると最後もスマッシュを決めて、粘る園田を退け21−16でベスト4入りを決めた。
準決勝で対戦する佐々木翔(トナミ運輸)については「日本でもトップレベルの選手。勝ったことはないが、ナショナルを倒したいと思って頑張る」と力強くコメントした。

【混合ダブルス】
混合ダブルス準々決勝では、池田信太郎(日本ユニシス)/潮田玲子(三洋電機)と早川賢一(日本ユニシス)/松尾静香(三洋電機)が対戦した。
早川と松尾はペアは違うもののこの大会で、早川は2007に3位、松尾は2008、2009と2年連続準優勝を果たしている。
第1ゲーム主導権を奪ったのは早川/松尾。5−5の同点から潮田の中途半端なサーブレシーブで得点を加えると、池田もロングサーブをスマッシュで返そうとしたもののネットにかけてしまう。池田は「簡単なミスをなくし、サーブまわりのプレッシャーをはねのけていきたい。」と初戦を終えて話していたが、ミスからうまくリズムを作ることができない。 また、池田が試合序盤で足を痛めたこともあり、動きに精彩を欠いて点差を広げられてしまう。結局21−15で早川/松尾がこのゲームを奪った。
第2ゲームは池田のスマッシュに潮田がネット前で決める本来の攻撃もみせて1点を争う好ゲームとなった。13−12と池田/潮田がリードした場面でも、池田のロングサーブがアウトとなってしまい13−13の同点とされてしまう。こうなると早川/松尾が流れを引き寄せ早川の強烈なスマッシュや、松尾のクロスカットが決まり20−15でリードすると最後は早川のサーブを潮田はウォッチしたが、主審の判定はIN。結局21−15のストレートで早川/松尾が勝利した。

【女子シングルス】
女子シングルス準々決勝では、松友美佐紀(日本ユニシス)と佐藤冴香(日本体育大学)の若手同士の対戦となった。
昨年12月の全日本総合で3位に入った松友に対し、佐藤は2009ニュージーランドOPで優勝し、長身からの迫力あるスマッシュが武器だ。
第1ゲームは松友が常にリードを保った展開となる。松友のコートを広く使うプレーに佐藤がミスを重ねてしまう。20−16から佐藤はようやく得意のスマッシュで点差をつめたものの最後は松友のスマッシュをレシーブできず21−19で松友がこのゲームを奪った。しかし佐藤は「第2ゲームは負けないよう自分から攻めていこう。」と気持ちを切り替えて臨み、今度は第1ゲームとは逆に佐藤が常にリードする。7−6と1点差に詰め寄られたものの、連続6ポイントを奪って突き放し第2ゲームは21−11で佐藤が奪い決着はファイナルゲームにもつれ込んだ。
ファイナルゲーム序盤は松友が絶妙のクロススマッシュなどで7−3とリードする。これに対し佐藤はスマッシュとカットをうまく使って松友を揺さぶり、ミスを誘いついに7−7の同点に追いつく。ここからはお互いに一歩も譲らない展開となったが、「ネット前のプレーが良かった。」と振り返った佐藤が20−17としてマッチポイントをつかんだ。しかし松友はここから粘りをみせて連続でレシーブをネットインさせて20−20の同点とした。しかしここで松友がスマッシュをミスし、佐藤が再びマッチポイントを握ると、松友のレシーブが甘くなったところを佐藤がネット前につめてスマッシュを決めて22−20で勝利し準決勝に進んだ。明日の今別府(三洋電機)との対戦について「ランキングサーキットで0−2で敗れているので、今日のように向かって行く気持ちで気迫あるプレーをしたい。」と抱負を語った。

【男子ダブルス】
男子ダブルス準々決勝では、パン・チーシャン/ファン・インヤン(チャイニーズタイペイ)と遠藤大由/廣部好輝(日本ユニシス)が対戦した。
第1ゲームはいきなりパン/ファンが連続4ポイントをあげてリードする。しかし地力に勝る遠藤/廣部は慌てることなく連続6ポイントをあげてあっさり逆転する。12−7と遠藤/廣部がリードした場面では、パン/ファンの連続攻撃を堅いレシーブで凌いだ遠藤が、空いたコートに絶妙のネットショットを決めて突き放し、結局21−12で遠藤/廣部が奪った。第2ゲームは10−9とパン/ファンに詰め寄られたものの、攻めるパンのスマッシュがネットにかかり同点を許さない。危なげない戦いぶりをみせた遠藤/廣部が21−15で勝利した。試合後遠藤は「最低でもベスト4以上を狙って準備してきたので明日は思いっきり自分のプレーをしたい。」と川前直樹/佐藤翔治(NTT東日本)との対戦に闘志を燃やしていた。

【女子ダブルス】
女子ダブルス準々決勝では、昨年の全日本総合で初優勝を飾った内藤真美/松尾静香(三洋電機)と小森美希/三好奈緒(北都銀行)が対戦した。
第1ゲームは小森/三好がコンビネーションよく攻めて6−3とリードする。これに対して内藤/松尾は長いラリーに持ち込み、内藤の後衛からのスマッシュに松尾がしっかり前衛で決める自分たちのリズムを作っていく。8−8の同点から連続4ポイントをあげた内藤/松尾だが、粘る小森/三好も三好のクロススマッシュなどで再び11−11の同点に追いつく。 しかし流れを変えたのは松尾のセンターへのカット。これに小森/三好は対応できず、ここから連続5ポイントをあげた内藤/松尾が、結局追い上げを許さず21−18で奪った。 第2ゲームになると内藤/松尾の厳しい攻撃に小森/三好はミスが続いてしまう。内藤/松尾は20−10でマッチポイントを握ると最後は内藤のドライブを三好は返すことができず21−10で勝利した。明日の藤井瑞希/垣岩令佳(ルネサスSKY)との対戦について内藤は「最近の合宿では勝てない相手なので、自分たちの力を出し切れるまで持っていけるように頑張ります。」と話した。
                 (記:三角 清一)

4月10日 観戦記

「大阪インターナショナルチャレンジ2010バドミントン選手権大会」今日は、準決勝が行われた。
春めいたとはいえ、まだ肌寒い大阪地方。しかし会場の守口市民体育館の室内気温は試合開始の11時には22.6度と熱気につつまれた。

【混合ダブルス】
混合ダブルス準決勝ではリャン・ジェイウェイ/シュアイ・ペイリン(チャイニーズタイペイ)と早川賢一(日本ユニシス)松尾静香(三洋電機)が対戦した。
第1ゲーム立ち上がり、松尾が返球のコースを読み、ネット前で決めて好スタートを切った早川/松尾だが、リャンの巧みさと強いスマッシュに中盤まで苦しむ場面もあった。9−8と早川/松尾がリードした場面でリャンがこのゲーム2本目となる、巧みなサーブレシーブで同点とされる。さらにリャンのドライブが早川の逆サイドをつき、シュアイにネット前で決められ9−11と逆転されてしまう。
「緊張感がなかなかとれなかった。」と話す早川だが、角度あるスマッシュで次第に自分たちのペースに持ち込んでいく。相手ミスにも乗じて12−11と逆転すると、早川/松尾が抜け出して得点を重ねていき結局21−14で奪った。
第2ゲームも12−12までは1点を争う展開となったが、リャン/シュアイのサーブまわりのミスや松尾のネット前の素早さ、早川のスマッシュで連続6ポイントをあげ突き放すと、最後はリャンを揺さぶりレシーブが甘くなったところを松尾が決めて21−13で勝利した。
決勝の相手が橋本博且(トナミ運輸)/藤井瑞希(ルネサスSKY)になったことについて、早川は「相手ペアの方がペアとしての経験が多いので、ぶつかっていく気持ちで、自分たちペアの満足できる試合にしたい。」と抱負を語った。

【男子シングルス】
男子シングルス準決勝では、佐伯浩一(NTT東日本)と佐々木翔(トナミ運輸)が対戦した。ともに過去にこの大会で優勝しており2回目の優勝を目指している。
第1ゲームは佐伯の攻撃力が佐々木を上回り6−2とリードする。佐伯は長身を生かしてジャンピングスマッシュを決めていくのに対して、佐々木は守勢にまわる場面が多く、持ち前のスピードとスマッシュ力を発揮することができない。15−10と佐伯はリードを保っていたが、ここから連続4ポイントを奪われ15−14の1点差となる。 流れを変えたのは、佐々木の絶妙のネット前のショット。さらにクロススマッシュを決めてこのゲーム初めて17−16と逆転する。20−18と佐々木がスマッシュでゲームポイントを握った時には、苦しい展開だっただけに大きくガッツポーズをする。結局21−18で佐々木が奪った。
第2ゲームは積極的に攻め続ける佐伯が常にリードする展開となる。佐々木は「このところ国際大会などで勝てていないので、勝たなければという気持ちがあって緊張があった。」と話すように、大きくスマッシュをサイドアウトさせるなど焦りも見られ、このゲームは21−14で佐伯が奪った。
ファイナルゲームは、佐々木が柔らかいロブを使って佐伯に攻撃させない展開に持っていく。13−8と佐々木がリードした場面では、佐々木の角度あるスマッシュに佐伯は一歩も動けず、連続4ポイントを奪い突き放すと、最後はスマッシュを決めて21−15で佐々木が勝利し決勝に駒を進めた。
「試合はお互いに気持が入っていていい試合だった。しかし力が入ってミスが出てしまい普通のプレーになってしまった。」と佐々木は試合を振り返った。
明日の決勝では山田和司(日本ユニシス)と対戦する。

【女子シングルス】
女子シングルス準決勝では、佐藤冴香(日本体育大学)と今別府香里(三洋電機)が対戦した。
第1ゲーム序盤、今別府は佐藤のバック奥にシャトルを集め、連続5ポイントを奪って7−3と優位に試合を進めていく。また、ドリブンクリアーを多用して佐藤に思うように攻撃させないプレーで20−12とあっさりゲームポイントを握ると、最後はクロスカットを決めて今別府がこのゲームを奪った。
第2ゲームは、1点を争う好ゲームとなった。今別府は第1ゲーム同様コートを広く使って揺さぶり、佐藤はカットを織り交ぜながら積極的に攻撃を仕掛けていく。 15−15の同点から今別府のドリブンクリアーがアウトとなると、佐藤はフォア奥へ厳しいロブを放ちミスを誘い、さらにスマッシュを決めるなどして連続ポイントをあげて19−15とした。今別府は粘りをみせ19−18と1点差まで追い上げたが、20−18とゲームポイントをつかんだのは佐藤。しかし佐藤はロブをサイドアウトにしてしまうと、スマッシュもネットにかけてしまい20−20の同点にされてしまう。
今別府は「ラリーの手もあったが、先に攻めてスピード勝負でいこうと思った。」と、ここから積極的に攻撃を仕掛けていく。この強い気持ちが佐藤を上回り結局26−24で接戦をものにした。
「しっかり練習してきたことが出せるようメンタル面でも強くなった。ここで優勝して、また日本代表として世界で戦いたい。」と力強くコメントした。
明日の決勝戦はワン・ロン(マカオ)との対戦となった。

【男子ダブルス】
男子ダブルス準決勝では、平田典靖/橋本博且(トナミ運輸)と山口公洋/堀川善生(NTT東日本)が対戦した。
平田/橋本は昨年のこの大会で準優勝、ヨネックスOPジャパンでもベスト8に入るなど力をつけてきている。一方、山口/堀川も堀川のスマッシュに山口がネット前で厳しく決めていき、しつこいレシーブで勝ち上がってきた。
第1ゲームは序盤から激しいドライブの応酬となったが、平田/橋本がミスも少なく得点を重ねていく。「経験の差がでたのかなと思う。さほど緊張はしなかった。」と平田が話すように8−8の同点からは、橋本の後衛からのジャンピングスマッシュに平田の前衛での素早い攻撃で連続5ポイントを奪う。結局攻守に勝る平田/橋本が21−16でこのゲームをものにする。
「優勝を狙って気持ちをいれてやってきた。国際大会でのタイトルを持っていないので優勝したい。」と平田/橋本は第2ゲームに入っても攻撃の手を休めることなく、一方的な展開に持ち込み結局21−9で勝利した。
決勝は遠藤大由/廣部好輝(日本ユニシス)との対戦について平田は「レシーブ力があるので打ち勝っていく。」遠藤も「勝ちたい気持ちで相手を上回って勝ちたい。」と闘志を燃やしていた。

【女子ダブルス】
女子ダブルス準決勝では、藤井瑞希/垣岩令佳(ルネサスSKY)と内藤真美/松尾静香(三洋電機)が対戦した。
第1ゲーム序盤はお互いに点数を取りあう静かな立ち上がりとなった。7−6と藤井/垣岩がリードするとこのゲーム初めて長いラリーが展開される。これをものにしたのは積極的に攻撃する藤井/垣岩。垣岩のスマッシュを内藤がレシーブできず得点を加え10−6とリードを広げる。この流れは結局ゲーム終盤まで変わることはなく21−16で藤井/垣岩が奪った。
第2ゲームに入ると内藤/松尾が積極的に攻め強い球を出すようになる。しかし「ローテーションの役目がわかってきてスピードに乗っていけるようになった。打ち続けることができる。」と藤井が話すように、10−9とリードすると内藤/松尾のミスに,垣岩のセンターを狙ったスマッシュが鮮やかに決まるなど連続4ポイントを奪って引き離すと、結局21−13で藤井/垣岩が勝利した。
垣岩は「基本的には私が後衛で藤井先輩が前衛だが、どちらでも攻めていけるようになってきた。」と実力アップを実感しているようだ。
明日の決勝は高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)との若手対決となる。
                 (記:三角 清一)

4月11日 観戦記

「大阪インターナショナルチャレンジ2010バドミントン選手権大会」は今日最終日を迎え,各種目の決勝戦が行われました。

【混合ダブルス】
混合ダブルス決勝戦は、早川賢一(日本ユニシス)/松尾静香(三洋電機)と橋本博且(トナミ運輸)/藤井瑞希(ルネサスSKY)が対戦した。
この種目では過去外国勢が優勝を飾っており、今回日本ペアが初めて頂点に立つことになる。
第1ゲーム序盤、早川/松尾がいきなり5−0とリードする。しかし橋本/藤井も橋本のスマッシュや相手ミスなどで5−4と追い上げる。動きの固い橋本/藤井に対し早川/松尾はコンビネーションもよく早川の気迫あふれる強打が目立つ展開となる。11−10と早川/松尾がリードした場面で橋本がサーブミス、さらにサーブプッシュがアウトとなり点差を広げると「昨年のジャパンOPで対戦して、序盤のリードで一気にいけたのでいいイメージで戦えた」と早川が振り返ったように、ペースをつかんだ早川/松尾が21−14でこのゲームを奪った。
第2ゲームに入っても早川/松尾は「二人に迷いがなく動きが良かった」と松尾が話すように5−4から連続4ポイントをあげ優位に試合を進めると、早川のスマッシュに松尾もネット前でクロスヘアピンやプッシュを確実に決めて20−11でマッチポイントを握ると、「早川さんからネット前につめるように」とアドバイスを受けた松尾が橋本のショットをプッシュして21−11で初優勝を飾った。
優勝した早川は「ダブルスで負けていたので何としても優勝したかった。気持ちの入りかたが良かった。」松尾も「勝ちたい気持ちが強かった」と喜びを素直にコメントした。

【男子シングルス】
男子シングルス決勝は山田和司(日本ユニシス)と佐々木翔(トナミ運輸)が対戦した。
第1ゲームは佐々木がスマッシュで圧倒するスタートとなり6−0とする。佐々木が7−2とリードした場面でこのゲーム初めて激しい攻防が展開されたが、最後は佐々木の柔らかなロブが山田のフォア奥に運ばれ得点を加える。昨日勝ちたい気持ちが強すぎて力みにつながっていると反省した佐々木は、今日は落ち着いたプレーでミスも少なく、シャトルコントロールに苦しむ山田を結局21−14でこのゲームを奪った。
第2ゲームは山田がいきなり連続5ポイントをあげてスタートした。佐々木は強烈なスマッシュがサイドアウト、またヘアピンをミスしたが自分の持ち味のプレーを貫き徐々に点差をつめていく。12−11と山田がリードを保っていたが、ここで佐々木は強烈なジャンピングスマッシュでついに同点に追いつく。佐々木は「あきらめずについていこうと思っていたらチャンスがきたので攻めた。」と振り返ったが、山田もここで簡単にリードを許さない粘りでクロススマッシュやカットを有効に使って対抗する。16−16から山田が2本続けてロブをミスしてしまい佐々木がリードする。20−17でマッチポイントをつかむと山田のバック奥に早いロブを送り、甘くなった返球を豪快にスマッシュで決めて21−17で勝利し3年ぶり2度目の優勝を飾った。
佐々木は「前回の優勝に比べて今回は重みが強いと思う。国際大会で勝てなくても自分を見失うことなく、向き合ってきたことが勝てたのではないか。海外のエースと対戦して負けているが、自分のバドミントンを今後も貫いていきたい。」と喜びを話した。

【女子シングルス】
女子シングルス決勝はワン・ロン(マカオ)と今別府香里(三洋電機)が対戦した。
ワンは準決勝で平山優(日本ユニシス)をファイナルで、対する今別府は佐藤冴香(日本体育大学)をストレートで破り、ともにこの大会初優勝を目指しての戦いとなった。
第1ゲーム、今別府は昨日に続き、先に攻めていこうという気持ちを前面に出して、ラリーをせずにスマッシュで攻めていく。これに対してワンは粘り強く大きくラリーを展開しようとする。今別府が連続6ポイントをあげて11−7と逆転したが、ワンも今別府のミスにつけこんで追い上げをみせる。この悪い流れを断ち切ったのはやはり今別府のスマッシュで一旦は16−12とリードを広げる。しかし昨年中国の国体にあたる中国マスターズ団体戦で優勝、タイグランプリゴールドで準優勝と実績を持つワンは、要所で角度のあるスマッシュなどを決めて19−19と同点に追いつくと今別府のスマッシュミスで20−19とマッチポイントを握った。しかし勝負を決めに行ったワンのスマッシュミスで今別府が追いつくと、22−20で今別府が奪った。
第2ゲーム序盤はお互いに一歩も譲らない展開となった。しかし中盤にかけて今別府にミスが出て16−11とワンがリードする。今別府はさらにチャンスにスマッシュをネットにかけるなどリズムに乗れないまま20−13とゲームポイントをつかんだ。しかし練習量をこなしメンタル面でもしっかりしてきた今別府はあきらめず、甘いヘアピンをプッシュして押し込むと、スマッシュやカットで連続6ポイントを奪い20−19としたが、最後はロングサーブに対してクロススマッシュを決めたワンがこのゲームを奪った。
ファイナルゲームも1点を争う好ゲームとなった。お互いに持ち味をだしての息詰まる熱戦に観客が静かにラリーを見守る中、14−14から抜け出したのはワン。クロスヘアピンやスマッシュで19−14として今別府の反撃を食い止めたワンが,最後も強烈なスマッシュを決めて21−17で初優勝を飾った。
優勝したワン・ロンは「コントロールしながらの配球の正確性を心がけたことが優勝につながったと思います。追い上げられても気持ちを安定させるようにしました。国際大会の優勝は初めてなのでうれしい。」と喜びを話した。
惜しくも準優勝に終わった今別府は「2ゲーム目で力を出し切れなかったことに悔いが残る。しかし大会を通じて練習してきたことを出せたし、自分のプレーができた。」とコメントした。

【男子ダブルス】
男子ダブルス決勝戦は、橋本博且/平田典靖(トナミ運輸)と遠藤大由/廣部好輝(日本ユニシス)が対戦した。
全日本総合チャンピオン橋本/平田の攻撃型に対しレシーブ力のある遠藤/廣部との楽しみな対決となった。
第1ゲームは静かな立ち上がりとなったが、橋本/平田に細かなミスが出てしまい、遠藤/廣部が連続4ポイントをあげるなど優位にゲームを運ぶ。13−10の場面では橋本/平田の分厚い攻撃を凌いだ遠藤/廣部は、遠藤がスマッシュからネット前につめて決めると、さらに遠藤が後衛から豪快にスマッシュを沈めて16−10と引き離す。このままのリードを守った遠藤/廣部が18−16から連続ポイントをあげて21−16で奪った。
第2ゲームに入っても橋本/平田は持ち味の攻撃が決まらず、厳しくいこうとしてミスが出てリズムに乗れない。10−10の同点から平田のカットを廣部がネット前に出て決めると、遠藤も平田のクロスロブに飛びついてスマッシュを決める。しかし全日本チャンピオンとして負けられない橋本/平田はしぶとく繋いでチャンスを確実にものにしていき、連続ポイントで17−14と逆転する。この後猛然と追い上げられ、遠藤/廣部にマッチポイントを握られたが、これを凌いだ橋本/平田が22−20で取り返し、決着はファイナルゲームに持ち込まれた。
ファイナルゲームは、お互いに負けたくない気持ちが強く出た接戦となったが、9−9から抜け出したのは橋本/平田。「決まったと思った球がレシーブされ苦しかったが、最後は橋本が打つ。」と信じていたと平田は振り返ったが、その言葉通り橋本の強烈なスマッシュにリターンが甘くなるところを、平田が前衛で決めるなどようやく攻撃にリズムが出てくる。こうなるとレシーブ力のある遠藤/廣部も耐えきれなくなりポイントを許してしまう。結局21−17で橋本/平田がこの大会初優勝を飾った。
試合後平田は「1・2ゲームとも相手のペースだったが、2ゲーム後半から巻き返せてよかった。総合に続いて勝てたことは良かった。」橋本も「とりあえずうれしい、ほっとしている。」と激戦を制した喜びを語った。

【女子ダブルス】
女子ダブルス決勝は、藤井瑞希/垣岩令佳(ルネサスSKY)と高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)が対戦した。
藤井/垣岩は準決勝で全日本総合優勝の内藤真美/松尾静香(三洋電機)をストレートで破り、対する高橋/松友はこの大会連覇を目指す。
第1ゲームは藤井/垣岩がいきなり7−2と大きくリードする。しかし高橋/松友は相手のスマッシュミスや高橋がスマッシュを決めるなどして連続8ポイントをあげて10−7と逆転する。流れは一気に高橋/松友に傾きかけたが、16−12とリードされた藤井/垣岩はしっかりレシーブして攻撃を仕掛け、ついに16−16の同点に追いつく。ローテーションがうまくいくようになりスピードをあげていけるようになった藤井/垣岩は、最後まで積極的に攻撃していき20−19でゲームポイントをつかむと、最後は藤井のスマッシュに垣岩がネット前をしっかり決めて21−19で奪った。
第2ゲームは7−8とリードされた高橋/松友が、松友の鮮やかなクロスヘアピンで同点にすると、さらに垣岩のカットミスなどで11−8と逆転する。しかし垣岩がジャンピングスマッシュを放つなど攻撃的なプレーを展開する藤井/垣岩は、連続5ポイントをあげて14−13と逆転する。流れを引き寄せた藤井/垣岩は勝負どころの終盤の長いラリーを、高橋のスマッシュミスで得点を加えると最後は、藤井がスマッシュを決めてこの大会初優勝を飾った。
藤井は「前半守ってしまい、昨日のようなプレーができず苦しかった。ミスしても前向きにプレーしたことがよかった。最終的にはオリンピックに出たいので、これからの試合をしっかり戦っていきたい。」
垣岩も「2ゲーム目は先輩に助けられた。1本1本前向きにプレーできた。オリンピック出場という大きな目標があるので勝っていく試合をしていきたい。」と抱負をコメントした。

また会場では現役引退を発表した、小椋久美子さんの引退セレモニーが決勝戦に先立ち行われた。
小椋久美子さんは1983年三重県生まれ。8歳の時にバドミントンと出会い、高校卒業後三洋電機に潮田玲子選手とともに入社。“オグシオ”が誕生した。2004から全日本総合ダブルス5連覇、2006アジア大会銅メダル、2007世界選手権銅メダル、2008大阪インターナショナル優勝、北京オリンピック5位入賞と輝かしい成績を残している。
2008の全日本総合選手権優勝を最後に“オグシオ”ペアを解散した。
プレースタイルは潮田の粘り強い配球に小椋が強烈なスマッシュで決める。
強さと美しさを兼ね備えたプレーはバドミントンファンならずとも魅了した。
引退セレモニーでは、まず小椋さんが「数多くの方々の支えがあったからこそ、バドミントンをやってこれました。これからは何かの恩返しができたらと考えています。」と挨拶しました。
続いて花束贈呈が行われ、三洋電機の中島慶コーチに続いてペアを組んでいた潮田玲子選手が花束を贈ると会場から大きな拍手がおくられました。
そして潮田選手が「本当にお疲れさまでした。頑張り屋のオグッチなので、いろいろなことにチャレンジして頑張って下さい。」と涙を浮かべて話すと、小椋さんは「テレビを通してプレーを見ているが大変だと思います。ロンドンを目指すことを応援しています。」とエールを送った。
そしてつめかけた多くのファンに、会場をゆっくり回りながらサイン入りのシャトルを投げ入れてこれまでのバドミントン生活に別れを告げた。”ありがとうオグッチ”
                 (記:三角 清一)