第68回 全日本総合選手権大会

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12月2日(火)予選観戦記

全日本総合選手権の本選出場を目指して各種目の予選が行われた。
その中で中学生の戦いを中心に公益財団法人日本バドミントン協会ジュニアナショナルコーチでこの大会のシングルスで2度の優勝を果たしている森かおりさんに解説してもらった。

この大会に多くのジュニア選手が参加していることについて、森さんは「夢があるし日本一になれるチャンスもある。このステージで出来ることは先のことを考えると貴重な経験。また試合数も多くなり大きな大会を経験していることもあり、緊張しているかもしれないがそういった素振りを見せないし戦うスキルは上がっている。」と期待する。

男子シングルス

奈良岡功大(浪岡中・1年)19-21/21-18/22-20 保木卓朗(トナミ運輸)

今大会最年少出場記録を塗り替えた奈良岡は、全日本中学大会のシングルス優勝、全日本ジュニア3位の成績を残している。昨日の記者会見で田児賢一(NTT東日本)は、「僕たちの世界では1学年上にさえ勝つのは難しかった。ジュニアでベスト4に入ったことは2~3年上の学年に勝っているので強豪であると思う。注目してもらいたい。」とコメントしていた。

その注目を集めた戦いについて森さんは「奈良岡は攻めを見せながらも相手に打たせながらゲームを作れる強みがある。保木はダブルスプレーヤーで大きく回してくるのではないか。」と予想する。

第1ゲーム序盤からお互いに一歩も引かない好勝負が展開されていく。奈良岡が落ち着いて慌てず攻めるのに対して保木はミスが目立ってしまう。しかし点差は広がらず勝負は終盤に持ち込まれる。森さんは「保木はミスをせずに入れていくためには体力を消耗するし、奈良岡も対応するためには楽ではないはず。最後は体力が勝負の分かれ目になるのでは?」と展開次第でどちらにも勝機があると見る。このゲームは15-15の同点に追いついた保木に流れが傾く。保木は奈良岡のネット前のプッシュミスや体育館の照明にシャトルが入り空振りをするなど連続4ポイントを奪い逆転するとそのまま21-19と押し切った。

「奈良岡は流れが悪くなかっただけに取りたかったゲーム。1点差まで詰め寄りながら追いつけなかったのが敗因。第2ゲームはこれを取られたら負けると分かっているので集中してくるはず。」と立ち上がりに注目する。

第2ゲーム序盤もお互いに点を取り合う展開となる。奈良岡がネット前をミスなく確実に入れてくるのに対して保木はネット前のミスが目立つ。このゲームも15-15の同点から流れが変わる。今度は奈良岡が流れを引き寄せる。相手ミスやジャンピングスマッシュを決めて18-15と3点差をつける。しかし攻め急ぐ奈良岡にミスが出て再び18-18の同点となる。この場面で保木はヘアピンをミスして結局奈良岡が21-18と奪い返す。

ファイナルゲームに入ると点数を取りに行く奈良岡がヘアピンを確実に入れるのに対して保木はなかなかスピードが上がらず苦しい展開となる。13-8と奈良岡がリードするが、このゲームの中盤まで奈良岡のヘアピンはノーミスで試合後「ネット前が良かった。」と振り返るほどであった。しかしゲームは保木が粘りを見せて終盤勝負となる。普通であれば保木にリードを許してしまうと気持ちが引いてしまうものだが、奈良岡は向かっていく。17-19の劣勢からドライブとスマッシュを連続して決めて逆転する。再び20-20の同点とされたが強気の攻めで22-20と追撃をかわした。

森さんは「強い。今はきっちり勝つこともだが、バドミントンが楽しいのではないか。」と奈良岡の予選ながら初勝利を讃えた。

奈良岡は本戦出場をかけた予選2回戦で13-21/14-21で田村翼(宇部興産)に敗れ本選出場はならなかった。

試合後奈良岡は「大会初勝利はうれしかった。しかし社会人とはパワーの違いを感じた。」と話した後、目標について聞かれると「オリンピックで金メダルを取ること。」と答えると記者から東京ですか?と問われると首をかしげながらも頷いた。

13歳の若武者の今後の戦いが注目される。




下農走(東大阪大学柏原高校)18-21/21-15/21-19 古財和輝(龍谷大学職員)

インターハイベスト8で日本協会推薦選手として出場した下農とランキングサーキットを優勝し、日本ランク9位の古財が対戦した。

第1ゲーム、経験の勝る古財が巧みなゲームメイクで序盤から有利に進めていく。左右に正確なシャトル運びとチャンスでの強烈な一打で連続ポイントを奪い、11-4と大量リードを奪う。下農が「ゆっくりなラリーで相手にプレーを読まれてしまった。」と振り返ったように古財は常に主導権を握り、21-18で奪う。

第2ゲームは「ラリーのスピードを上げ、前でタッチし、自分のペースを意識した。」という下農が徐々に流れをつかみ、13-5と先行する。古財もネット前でのヘヤピン、左右へのロブでチャンスを作っては強打で反撃するも、下農の左からの切れ味あるスマッシュで決められてしまい、結局は21-15で下農が奪い返す。

ファイナルゲームはお互いに点を取り合うゲーム展開になる。下農がクロススマッシュ、ネット前などでの4連続のミスで古財が17-13と抜け出す。しかし、「絶対に勝ちたかった。」と振り返った下農が気迫で上回り、スマッシュやプッシュなどで5連続ポイントを決め、19-17と逆転する。古財も喰い付いて1点差に詰め寄るも最後は下農のネットが決まり、21-19で本選出場を決めた。







女子シングルス

水井ひらり(富岡第一中・2年)11-21/16-21 高橋真理(Cheerful鳥取)

スピードもあり試合の流れをしっかり作れる水井は、この大会のシングルスで4度の優勝を果たしている水井妃佐子さんの長女で、全国中学校大会シングルス準優勝、アジアジュニアU15ではシングルスとダブルスでベスト4に入っている。

第1ゲーム序盤のプレーについて森さんは「まずはショットを試してと考えがちだが、コートを大きく使う当たり前のことを水井はやってのける素晴らしさがある。」と評した。しかし7-10から連続7ポイントを奪われてしまう。「回して勝てる相手ではないのでスマッシュ&ネットでいいからスピードを上げないといけない。」と劣勢からの挽回を期待したが相手とラリーをするのが精一杯で11-21で失う。

第2ゲームに入ると水井が積極的な攻めと相手ミスに乗じてポイントを奪い15-11とリードする。しかしこの体育館特有の風を味方につけたのは高橋。ショートサーブに切り替えるとしっかり奥までロブを飛ばしたい水井のショットがバックアウトとなってしまう。またコントロールすると甘くなり強打を沈められてしまう。水井もスマッシュを決めて食い下がるが終盤一気に6ポイントを奪われ16-21のストレートで敗れた。

水井は「この大会は初めてで緊張してしまった。2ゲーム目も自分の思うように出来なかった。大人の人はパワーが違うので大変でした。目標は来年の全日本ジュニアで優勝してまたこの大会に出場したい。」とあくまでも前向きな姿勢を見せた。




高橋明日香(富岡第一中・2年)14-21/15-21 濱崎真衣(山陰合同銀行)

全国中学校大会のシングルスで優勝した高橋は、高橋にストレートで敗退した。

高橋は「初めての大きな大会で緊張した。サーブは苦手なのでいつものようにミスが出てしまった。後半は体力負けでミスに繋がってしまった。試合前は年下なので向かっていって自分の力を出し切りたいと思っていた。今はパワーが違いすぎる。体力、ラリー力を通用するようにこれから頑張りたい。目標は東京オリンピックの金メダル。」と力強く話した。




大堀 彩(富岡高校・3年)21-8/21-16 森みず穂(龍谷大学)

日本ランキングサーキット優勝、アジアユース優勝と実力者の一人、大堀は予選からの出場となった。

「注目されているのもわかっているし、タイムテーブルが遅れているにも関わらず隙の無い入り方が出来ている。」と森さんが評するほど第1ゲーム序盤から完璧な立ち上がりを見せる。森は大堀が大きいこともありコースを狙いすぎてミスが続いてしまい、大堀が21-8で簡単に奪う。

第2ゲームに入っても大堀はペースを崩さない。11-6でインターバルを迎えるが、このうち7本は森のミスによるもので楽に点数を積み重ねていく。終盤決めにいくショットに精度を欠いたが安定した戦いぶりで21-16のストレートで本戦に進んだ。

大堀は「初めての予選からの戦いとなったが、自分のやるべきことをきちんとやれたと思う。プレッシャーはなかったし、自分のベストを出すことが出来て滑り出しとしては良かった。インターハイの負けで自分のやることがわかったので走り込みをした。今大会の目標は今出せる事をしっかりやり抜くことです。」と虎視眈眈と上位進出を狙っている。







男子ダブルス

中山裕貴/緑川大輝(埼玉栄中2年)19-21/12-21 松田壮平/永野翔太(ワールドスポーツ/高知信用金庫)

中山は全日本ジュニア大会新人の部でシングルス優勝、緑川とのペアで挑んだ全国中学校大会では準優勝になっている。
この試合のポイントについて、森さんは「サーブ回りをしっかり入れてミスをしないこと。社会人が相手なのでミスをしてしまうと流れが変わる。」と話す。

第1ゲームはお互いに点数を取り合う中で、 "ファイタ―の緑川""オールランダータイプの中山"が随所に好ショットを決め終盤まで1点を争う展開に持ち込む。19-18とリードしたが連続ポイントを奪われ19-20とゲームポイントを掴まれてしまう。最後は松田/永野の攻撃を止められず19-21でこのゲームを落としてしまう。森さんは「連続でポイントを取るぞという意気込みでスピードを上げていればこのゲームの行方はわからなかったのではないか。」と惜しいゲームを振り返った。

第2ゲームに入ると松田/永野に6-14と大きく突き離されてしまう。ロブが浅くまた甘くなり強打を沈められてしまう悪い流れが続いてしまう。森さんは「いい体勢で打たせないようにドライブを使わないといけない。攻めていても打たされている感があり、社会人ペアが余裕をもっている。」と最後まで流れを掴むことが出来ず12-21のストレートで敗退した。

中山/緑川は試合後「初めての大会で硬くなってしまいミスが多くなってしまった。社会人はスピードが速かった。スマッシュを打たせないようにしたが出来なかった。」と一歩及ばず敗れた悔しさをコメントした。







女子ダブルス

永井瀬雰/由良なぎさ(富岡第一中・3年)14-21/14-21 横山めぐみ/山田真央(山陰合同銀行)

永井/由良は全国中学校大会ダブルス優勝ペア。

森さんは「共にシングル力がある。永井は今年からジュニアナショナルに入り力をつけてきている。また由良は、サウスポーでもありゲームを作るのがうまい。スピードでは押されてしまうので我慢してラリーして欲しい。」と期待する。

しかし第1ゲーム前半から流れは横山/山田のペースとなってしまう。何も出来ないまま3-10とされてしまう。森さんは「社会人は簡単には上げてくれない。ネットをすればネットで返されてしまい "どうすればいいの?"と思っているのではないか。」と2人の心情を察する。結局12-21と簡単に奪われてしまう。

第2ゲームに入っても多彩なショットに加え気持ちでも押している横山/山田が隙を見せない。「上げてもいいが楽な体勢で打たせない、また連続で打たせないようにすることが大事だ。狙ったショットが決まると展開も変わってくるので狙う場所を増やさないといけない。何とか工夫してやろうというのはわかるがゲームが作れていない。」と手厳しい。 結局14-21と社会人ペアを打破することは出来なかった。

永井/由良は「ゲーム中揚がることはなかったが、中学生と違い展開が速かった。ドリブンクリアーで押されて返球が甘くスマッシュを打たれてしまった。相手の前衛の入りが速く押されてしまった。」と振り返った。




木村百花/星千智(日本ユニシス)21-18/21-11山口茜/鈴木咲貴(勝山高校)

全日本社会人ベスト16の木村/星とインターハイベスト4の山口/鈴木が対戦した。山口/鈴木は昨年も予選に出場したが、本選出場を果たせず、リベンジも燃える対戦となった。

第1ゲームの序盤はお互いに点を取り合い、14-14と競った場面から山口/鈴木が2得点連取して、16-14として勢いにのるかと思われたが、ミスが重なり16-17と逆転を許してしまう。最後は山口のショットがネットにかかり、21-18で木村/星が奪う。

第2ゲームはさっきまでと一転、山口/鈴木が簡単なミスで大量リードを奪われてしまう。結局は21-11で木村/星が勝利した。

木村/星は予選2回戦で清水恵/島田きらら(早稲田大学)を2-0のストレートで下し、本選出場を決めた。







混合ダブルス

渡辺勇大/東野有紗(富岡高校2年・3年)21-13/21-10 高島雅彦/後藤佳代(JR北海道)

渡辺は全国選抜大会のダブルス優勝、全日本ジュニア大会ではダブルスとシングルスで優勝を飾っている。東野は昨年の全国選抜大会のダブルスで優勝している。また学年は違うもののペアを組み今年の世界ジュニアで日本人選手として史上初となる銅メダルを獲得している。

森さんは「渡辺のスマッシュはジャンプ力があり滞空時間が長い。」と身体能力の高さを強調する。

第1ゲーム前半から安定した試合運びの渡辺/東野が徐々に点差を広げていく。渡辺の強打に東野も前衛でしっかりとゲームメイクし16-13とリードすると終盤はコンビネーションの良さで一気に5連続ポイントをあげ21-13で奪う。

第2ゲームに入ってもその勢いは止まらない。渡辺がレシーブ力を発揮して粘ると東野が確実に押し込んでいく。「渡辺のショットは何でも決まる。」と森さんが驚くほどの多彩なショットで相手を翻弄して21-10のストレートで本選出場を決めた。

渡辺/東野は「出足は緊張したけれど中盤からは調子が上がってきた。今大会は一つ一つ勝つことを大事に戦いたい。今自分がこの大会にいることに感謝したい。」とコメントしたがこの勢いが続けば台風の目となって上位進出に期待を持たせる内容だった。







Dec 2, 2014

Qualifying round finished calmly, and leading players qualified as anticipated, including Ohori(ws), Yonemoto & Tanaka(wd) and Sonoda & Kakiiwa(xd).

One of the most remarkable player, thirteen years old K. Naraoka (first degree of junior high school) won the first round but regrettably could not go up to main draw losing against Tamura at second round.