公益財団法人日本バドミントン協会

観戦記 12月26日

令和3年度 第75回 全日本総合バドミントン選手権大会

12月26日(日)

男子シングルス
2
  • 21-10
  • 21-15
0
  • 森口 航士朗(埼玉栄高校3年)

昨年度ベスト4で優勝候補の一角である古賀穂が、全国高校選抜・インターハイの春夏連覇を達成した森口航士朗が顔を合わせた。A代表入りを虎視眈々と狙う古賀に対して、若手期待の森口がどんな戦いを見せるのか注目が集まった。

第1ゲーム、見ごたえのある高レベルのラリーの応酬となる。森口が高身長を活かした強打を軸にして攻め込むが、古賀が持ち前のラリー力で凌いでは、要所で決めて、8連続ポイントをとるなど12-4と主導権を握る。森口も我慢してラリーを続けるが、最後はバックアウト、サイドアウトと流れを引き寄せることができない。終始古賀がリードする展開で21-10とする。

第2ゲームも古賀が有利に試合を進めていく。「フィジカルがまだまだ足りない。我慢の試合だったが、我慢しきれなかった。」と森口が振り返ったように、スマッシュなどの決定力やラリー力はあるものの、最後のところでミスが出てしまう。一貫して安定したパフォーマンスを発揮した古賀が、危なげない試合運びで21-15として2回戦進出を決めた。

堂々の戦いぶりで昨年から更なる成長を見せてくれた古賀は、試合後に「目指すは優勝。一試合一試合しっかりとやっていきたい。明日も体調を整えて臨みたい。」と今大会にかける意気込みを語った。


2
  • 21-13
  • 21-9
0
  • 齋藤 駿(ふたば未来学園高校2年)

昨年ベスト8、2016年には3位入賞の実績もある小野寺裕介が初のタイトルを目指す今大会初戦、本戦初出場となる齋藤駿との対戦となった。

第1ゲーム、齋藤が高身長を生かした鋭いスで揺さぶり好調な滑り出しを見せる。一方の小野寺は「自分のプレーができなかった。」と振り返ったが、得意のラリーに持ち込んで素早いシャトル回しでペースを取り戻していく。序盤こそは齋藤の強打に苦戦するも、我慢強いラリーで得点を重ね21-13で先取した。

続く第2ゲームも流れは変わらず小野寺が突き放していく。高校生同士ではそうそう対戦しないスピードの小野寺に対して疲労が蓄積されたのか、齋藤にミスが目立つ。対照的に小野寺はさらにギアを上げて攻め立てる。結局は小野寺が日本代表の意地を見せて、終わってみれば21-9で2回戦進出を果たした。

試合後、小野寺は「桃田賢斗(NTT東日本)選手に勝つことを目標に練習に取り組んできた。桃田選手が出ないので、優勝を目標に切り替えて望みたい。」と、今大会にかける意気込みを語った。


女子シングルス
2
  • 21-11
  • 21-12
0
  • 猿川 優香(八代白百合学園高校2年)

東京オリンピック2020以降、初めての公式戦となった奥原希望が、予選から勝ち上がってきた高校2年生の猿川優香と対戦した。この種目唯一のA代表で出場の奥原にとって、久しぶりの公式戦であり、不安と楽しみな気持ちが混ざってのコート入りとなった。

試合は、奥原が一つ一つのショット・動きを確認するように静かに始まる。さすが世界トップクラスというべきか、奥原は巧みなフォットワークと精度の高いショットで主導権をしっかりと握る。猿川は喰らいついてラリーに持ち込もうとするが、奥原の同じフォームから放たれる正確無比なクリア、ドロップ、スマッシュといった多彩な打ち分けがそれを許さない。結果は、21-11、21-12と奥原が危なげない展開で勝利を収め、2回戦に駒を進めた。

試合後、大会3連覇と5度目の優勝を目指す奥原は、「ジュニア選手と対戦できるのはうれしい。若手の挑戦を受けたい。」と話した。一方の猿川は、「この先まずは来年、高校でインターハイ3冠を取りたい。」とさらなるレベルアップを誓った。


2
  • 10-21
  • 21-14
  • 21-14
1
  • 水津 愛美(柳井商工高校3年)

怪我からの復帰戦で、今大会が半年以上ぶりの試合となった仁平菜月は、インターハイ3位の水津愛美と対戦した。

第1ゲーム、「高校生でこういう大会に出れることがすごいありがたいことなので、向かっていく気持ちを大事にしてやろうと思っていました」と振り返ったように、水津は出だしから四隅へのシャトルを積極的に拾い、隙があれば攻撃に切り替える勢いあるプレーで一気に流れに乗っていく。一方の仁平は「半年以上ぶりの試合だったので、どういう展開になるかなとか、自分がどういうプレーをするのかが全然わからない、イメージもなく試合に入った。風の影響などもあり、ちょっと落ち着きがないプレーをしてしまった」と言うとおり、相手の勢いに押され、思うようにいかない展開で1ゲーム目を10-21で落とし苦しいスタートとなった。

第2ゲーム、「しっかり気持ち入れ直して、やれることをやるだけだと切り替えて2ゲーム目に入った」と振り返った仁平のプレーは確かに変化が見えた。大きい展開でゲームを組み立ると、出だしの4連続得点で自分のペースへと引き寄せていく。一時、水津に5連続得点で逆転されるも、再度5連続得点でリードを取り戻す。落ち着きを見せ始めた仁平のプレーとは対照的に、1ゲーム目で仁平が苦戦した風の影響からか水津のショットにもアウトが増え始め、その後は仁平がリードを守り抜く形で2ゲーム目を21-14で取り返した。

ファイナルゲーム、仁平は第2ゲームで掴んだ流れを離すことなく、開始から5連続得点を先取し、有利な形でスタートする。第1ゲームに比べリラックスした状態でコートを駆け回る仁平は着実に自身のプレーを取り戻し、攻撃の機会を増やしていく。水津も最後まで食らいついたが序盤の差は中々縮まらず、最後は水津のレシーブがバックアウト。仁平が21-14で制し、71分にも及んだ復帰戦を見事勝利で飾った。

試合後、今大会のテーマを聞かれた仁平は「試合に立つまでに本当にたくさんの人に支えられてリハビリをやってきたので、感謝の気持ちをプレーで表すというのは最後までやり通したいと思っています」と答えた。新たな物語をスタートさせた仁平の今後の活躍に期待したい。


男子ダブルス
  • 緑川 大輝(早稲田大学)
  • 町田 脩太(早稲田大学)
2
  • 21-12
  • 21-18
0
  • 武井 凜生(ふたば未来学園高校3年)
  • 荻原 聖也(ふたば未来学園高校3年)

今年のインターハイで全試合ストレート勝利の優勝を果たした武井凜生/荻原聖也が、全日本学生準優勝の緑川大輝/町田脩太との一戦に臨んだ。

第1ゲーム、武井/荻原は制球が不安定で、3連続のミスショットでスタートダッシュに失敗する。対する緑川/町田は、町田のストリングスが立て続けに切れるアクシデントがありながらも、的確な配球で有利にゲームを進めていく。相手に攻撃の体勢を殆ど作らせず、終始主導権を握った緑川/町田が21-11で快調に奪取した。

第2ゲームも武井/荻原はミスによる失点でビハインドの展開となるが、徐々に荻原の仕掛けが冴えを見せる。ネット前で競り負けないラケットワークを見せて流れを引き寄せると、武井/荻原の本来の力強いアタックを仕掛けて猛追する。9-11で迎えた後半、4連続得点で13-11と逆転に成功する。しかし、要所での制球に泣かされ瞬く間に再逆転を許す。一方の緑川/町田は、ひとたび相手に球を上げさせると、高い跳躍からキレのあるスマッシュ、球足の短いドロップを巧みに打ち込み、チャンス球を前衛で確実に仕留めていく。「簡単にはショットが決まらなくなってくる終盤こそ、しっかり打ち続けることで相手にプレッシャーをかけられた」という緑川は、懐深く精度の高いショットを連発してゲームを牽引し続けた。要所をおさえた緑川/町田が21-18で勝利を掴んだ。

2回戦に駒を進めた緑川/町田は試合後「勝ち進めばレベルが上がってくるが、今日のようにミスを少なくしてしっかり戦いたい。」と、決して浮足立つことなく抱負を語った。悔しい敗戦となった武井/荻原は、「対策を練って挑んだがやりづらさを払しょくできず、相手のペースで試合が進んでしまった。」と悔しさを滲ませながら試合を振り返った。


2
  • 21-14
  • 21-16
0
  • 後藤 拓人(浪岡高校3年)
  • 田中 孝志朗(浪岡高校3年)

今大会、初めての表彰台を狙う第3シードの金子真大/久保田友之祐は、予選で高校生対決を制して本戦出場の後藤拓人/田中孝志朗を迎え撃つ形になった。

第1ゲームは、序盤から金子/久保田が点差を広げ、大きくリードする展開となる。金子が前衛、久保田が後衛の得意とする形で、強打と前にふわりと落とすショットで緩急をつけ、高校生ペアを翻弄し、17-9とする。対する後藤/田中も、ミスを恐れない高校生らしい思いきりのよい強打で攻め立てて反撃をするが、開いた点差を詰め切れず、金子/久保田が21-14で逃げ切る。

続く第2ゲームは、お互いに点を取り合う展開となる。「最初から最後までチャレンジャーの気持ちでできた」と後藤/田中が振り返ったよう、序盤から積極的に前に詰めて攻め立てて4連続ポイントで、初めてリードを奪う。勢いに乗る高校生ペアを追う金子/久保田は我慢しながら、甘いリターンを見逃さずに決めて13-13で追いつく。最後は経験の勝る金子/久保田が14-16から7連続ポイントで21-16とし、無事2回戦へと駒を進めた。

試合後、金子/久保田は「相手が向かってくるプレーをしていたのでやりにくい部分はあった。園田啓悟/嘉村健士や保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)のように自分たちも早く世界のトップで活躍できるように頑張りたい。」と振り返りと意気込みを語った。

一方、敗れた後藤/田中は「自分たちのプレーができたので、悔いはない。それぞれ別の大学に進むが、また来年この大会に出られるよう、今回の経験を生かして大学でも結果を出したい。」と締めくくった。


女子ダブルス
  • 保原 彩夏(ヨネックス)
  • 宮浦 玲奈(ヨネックス)
2
  • 21-9
  • 21-5
0
  • 大石 悠生(筑波大学)
  • 長廻 真知(筑波大学)

今年からの新たに組み初め、ランキングサーキットで3位入賞した保原彩夏/宮浦玲奈が、全日本学生2位の大石悠生/長廻真知との一戦に臨んだ。大学3年生と1年生の若いペアが、実力者ペアにどこまで通用するかが注目された。

第1ゲーム、保原/宮浦は試合開始早々、低いラリーで優位に立って幸先よく4連続得点でリードを奪う。大石/長廻は大石が果敢にネット前へ飛び出すなどして、攻撃のリズムを掴もうとしたが、相手の正確なリターンで我慢しきれずにミスが出てしまう。小気味よく仕掛けた保原/宮浦が中盤から一気に引き離し、21-9としてゲームを先取した。

第2ゲームは更に保原/宮浦が圧倒する。ドロップを巧みに交えて相手のディフェンスを崩しつつ、ボディへのスマッシュを有効打にして次々に決めていく。12連続得点を奪うなど、寄せ付けない試合運びで、21-5と見事な快勝劇を見せた。

試合後に保原/宮浦は「さぐりさぐりだったが自分たちのプレーが出来た。(保原)」「相手に合わせることなくしっかりとゲームを作れた。明日の2回戦も出だしから集中して向かっていきたい。(宮浦)」と語り、新ペアで掴んだ確かな手応えを感じさせた。

一方の悔しい結果となった大石/長廻は、「相手に圧倒されて流れが変えられず、簡単に負けてしまった。」と総合初出場の長廻が述べると、4年連続の総合だった大石は「自分たちのミスで終わってしまい悔いが残る。来年もこの舞台に戻ってこられるように、1試合1試合結果を残したい。」と、強い決意を示した。


2
  • 21-16
  • 21-9
0
  • 明地 陽菜(柳井商工高校2年)
  • 田口 真彩(柳井商工高校1年)

先月末で現役を引退した髙畑祐紀子と代表で共に戦ってきた櫻本絢子は今大会、NTT東日本の鈴木陽向と初めて組んで挑む。初戦で二人は今年のインターハイで21年ぶり1年生2年生ペアとして優勝に輝いた明地陽菜/田口真彩と対戦した。

1ゲーム目、序盤から積極的なプレーを見せる高校生ペアの明地/田口は6連続得点で相手を1-6と引き離す。明地が後ろからスマッシュで積極的に攻撃をし、田口が前衛で仕留めるコンビネーションプレーで勢いつけていく。11点を先取した明地/田口がその後も流れを掴んでいくかとも思えたが、経験豊富な櫻本が冷静な球回しで流れを徐々に引き寄せていく。
レシーブで相手を左右に揺さぶり、鈴木を積極的に前に送り込むことで自分たちに攻めの体制を作り、攻撃の機会を増やしていく。着実に差を縮めていった櫻本/鈴木は14-14から3連続得点で一気に流れを引き寄せ、第1ゲームを先取した。

2ゲーム目、櫻本/鈴木は1ゲーム目後半で掴んだ流れに乗ったまま、このゲームも自分たちに有利な形で進めていく。サーブ周りにて積極的に前衛で球を沈めて相手のアタックを封じ、高さを巧みに使ったレシーブで相手を揺さぶり相手を崩していく。十分な体勢で打たせてもらえず、自分たちのプレーに持ち込めない明地/田口にミスが目立ち、10連続得点で櫻本/鈴木が17-3とリードをさらに広げる。明地/田口は粘りを見せるも、序盤の得点差を埋めることはできず、櫻本/鈴木が21-9でこのゲームも取り、2回戦へと駒を進めた。


ミックスダブルス
  • 仁平 澄也(NTT東日本)
  • 朝倉 みなみ(NTT東日本)
2
  • 10-21
  • 21-15
  • 21-18
1
  • 武井 優太(明治大学)
  • 正田 捺実(明治大学)

新規ペアでの出場となる仁平澄也/朝倉みなみが、大学生の武井優太/正田捺実との一戦に臨んだ。出身大学の後輩との対戦となる仁平、先に行われた女子ダブルスで途中棄権によりこの種目にかけることとなった朝倉の2人にとっては、絶対に負けられない一戦となった。

第1ゲーム、手の内を探る展開から大きく抜け出したのは武井/正田。武井が躍動感溢れる強力なスマッシュを次々に打ち込んで攻撃の形を作り、正田が積極的な前衛で沈めていく。9連続得点を奪うなど相手に立て直す隙を与えず、21-10で武井/正田が先取した。

第2ゲームに入ると、仁平/朝倉は相手の強打に対応を見せる。朝倉は「仁平に助けられながらだったがうまく立ち回って、相手に詰められても引かずに対応できた」と振り返ったとおり、苦しい場面でも粘りのリターンを続け、甘くなってきた球に素早くアプローチをして得点につなげていく。12-12から抜け出した仁平/朝倉が21-15としてゲームを取り返した。

ファイナルゲームは仁平/朝倉が相手のミスを誘ってポイント奪取し、6-0と好調なスタートを切る。対する武井/正田もコース、緩急を有効に使っては好球必打で追い上げを見せ、接戦展開で進んでいく。しかし、後半には疲労の色が見え、それを逃すまいと仁平/朝倉はコースを的確に突いた球回しで要所の得点を渡さない。最後は仁平がラウンドからのクロススマッシュを沈め、21-18で仁平/朝倉が勝利を掴んだ。

接戦をものにした仁平/朝倉は、「結果を恐れずに一戦一戦2人で戦いたい(仁平)」「もうこの種目しか残っていないので、しっかり自分のできることをやって、1回でも多く勝ちたい(朝倉)」と次戦に向けての強い気持ちを語った。一方、惜しくも敗れた武井/正田は「勝てないと思っていた相手にいい勝負が出来て、負けは悔しいが楽しかった」と口を揃えた。


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