公益財団法人日本バドミントン協会

観戦記 12月1日

2019年度 第73回 全日本総合選手権大会

  

12月1日(日)決勝

男子シングルス決勝

圧巻の連覇、絶対王者桃田が納得の連覇で3度目のV

2
  • 21-14
  • 21-12
0

1年以上世界ランキング1位に君臨し、世界選手権連覇など、この種目の絶対王者として活躍を続ける桃田賢斗が今年も全日本総合の決勝戦に登場。この1年で日本人として唯一桃田に勝利をあげたのが西本拳太(1月のマレーシアマスターズ)であり、同級生のライバルとして昨年と同じカードの決勝戦に臨んだ。

第1ゲーム西本がキレのある動きで厳しいショットを連発し、桃田が拾ってハイレベルなラリーが繰り広げられる。両選手ともに「今日はシャトルが飛びにくかったので、必然的に長いラリーとなった。」と言う通り、互いにコートを広く使った長いラリーで、我慢の勝負となる。しかし、14-13の場面からスピードを上げた桃田が、より厳しいコースを突いて抜け出すと、一気にたたみかけて西本のミスを誘う。最後は西本のスマッシュがミスショットとなり、21-14で桃田が奪う。

2ゲーム目も桃田が相手を上回るスピードでシャトルに追いつき、次々に厳しいスマッシュ、スライスショットを沈めて先行していく。西本もスピンを利かせたネットからミドルコートに上げさせてはジャンピングスマッシュを沈めるなど、いい形での得点を見せるが桃田に追いつくことが出来ない。徐々に桃田の鉄壁ディフェンスを破れなくなり、中盤からは次々にスマッシュによる得点を許してしまう。「(世界で勝ち続け、もっと強くなるために)今年は自分でスピードを上げて攻撃的にプレーするという課題をもってやってきた。」という桃田が、後半その真骨頂を見せ、次々にアタックを繰り出してシャトルをライン上、相手ボディに突き刺す。終わってみれば21-12、駆けつけた観客も息を飲むハイレベルなプレーの数々で強さを見せつけた桃田が、完勝で大会連覇を果たした。

「全日本総合は取りたいタイトルなので、今回はしっかり準備して臨めた。初戦から決勝までしっかり戦うことが出来たし、多くのお客さんの歓声を浴びても冷静に、そして楽しんでプレーできてすべて2-0で勝てたことはよかった。」と安堵の表情を見せた桃田は、今後のトーナメントについても「まだワールドツアーが続いていくので、一戦一戦戦っていきたい。日本のエースとして結果で応えていきたい。」と確かな手応えを覗かせてくれた。

男子ダブルス決勝

我慢のディフェンスが実った遠藤/渡辺が2年ぶりに頂点に立つ

2
  • 11-21
  • 21-18
  • 21-8
1

世界ランキング4位の園田/嘉村ペアと、同6位の遠藤/渡辺ペアの日本のダブルエースが昨年に続き全日本総合の決勝戦で顔を合わせた。 第1ゲーム、低空高速ラリーを信条に腕を磨いてきた園田/嘉村がその実力を見せつける。ディフェンスの良い遠藤/渡辺に素早くローテーションして高速ドライブ、回り込んでのスマッシュを次々に叩き込み、11-8とリードを奪う。後半になるとそのスピードを更に上げ、豊富な運動量からジャンピングスマッシュを連打する園田、前衛で上に横にと好反応を見せる嘉村とそれぞれの長所が存分に発揮され、5連続得点を奪うなどして21-11と会心のゲーム先取を見せた。

第2ゲームもトップスピードで突入し、園田/嘉村が8-1とリードを奪う。それまで後手に回っていた遠藤/渡辺もディフェンスで我慢し、緩急を交えた得意のパターンに徐々に持ち込んで反撃を見せる。互いにコートをカバーしあい、渡辺が後衛でショットを打ち分け、遠藤が素早く前で決めて追い上げていく。競った展開となった後半、園田の身体に異変が起こる。しきりに水分をとり、足の動きを気にするなど、豪快なプレーが息をひそめる。嘉村が必死にカバーしてラリー戦を続けたが、トップの戦いではそれも限界があった。遠藤/渡辺は18-18で追いつくと、そのまま徹底した球回しでゲームに集中し、21-18としてゲームを奪い返す。  ファイナルゲームは一方的な展開となった。手負いの園田は得意の高速ラリーを展開することが出来ず、嘉村がコートをカバーしながら必死につなぐゲームとなる。厳しい球回しを続けて、甘い球を打たせては確実に決めていく遠藤/渡辺が順調に得点を重ね、21-8として2年ぶりに日本一の栄冠をつかみ取った。

以前の早川(現コーチ)とのペアリングから数えてこの種目5回目の制覇となった遠藤は「負けそうになっても諦めない、30代でも頑張れるところを見せられたら。」とベテランプレーヤーながらの思いを語った。渡辺は2年ぶり2度目の2冠を達成し「混合複も男子複もパートナーのおかげで優勝することが出来ました。」と、コート上での堂々としたプレーとは裏腹に謙遜の言葉を述べた。

女子シングルス決勝

ラリーの女王が真骨頂発揮、奥原が特有の強いバドミントンで4年ぶり3度目のV

2
  • 22-20
  • 21-4
0

昨日の準決勝でファイナルゲームの末に山口茜(再春館製薬所)を破り、初めての決勝戦に臨む大堀が、昨年の世界女王である奥原との一戦に登場した。3度目のVを目指す奥原としてはプロ転向後、最初の全日本総合であり、スポンサーのためにも、応戦してくれるファンのためにも、タイトルを取りたい気持ちは誰よりも強く、熱戦が期待された。

第1ゲーム、「昨日準決勝の反省を生かして、良い出だしで試合を進められた。」という大堀が、よく足を動かしてスピード感あふれる積極的な仕掛けで6-1とリードを奪う。序盤は遅れをとってネットプレーに精彩を欠いた奥原であったが、持ち前のフットワークの良さが発揮されると、素早いリターンとシャトルへのチャージを見せて連続得点6連続得点を奪い、7-6と逆転する。その後は互いに持ち味を発揮した高度なラリーが繰り広げられ、接戦が続いていく。大堀はドリブンクリアで相手をリアコートに押し込みつつ、クロスの鋭いスライスショット、スマッシュを沈めて得点する必勝パターンで相手を苦しめる。対して奥原は、異次元の粘り強さから、チャンスを待って冷静にショットを沈めて主導権を渡さない。ラリーごとに会場がどよめく好試合となり、延長ゲームに突入したが、勝負所で強さを発揮したのはやはり奥原、最後はフォアサイドからライン上にストレートスマッシュを沈め、22-20としてこのゲームをものにする。

第2ゲームは奥原の独壇場であった。動きの一歩目が超人的に早く、相手の放ったショットに最短で追いついては、自在にショットを操って得点を重ねていく。相手ショットに完璧にアジャストしていることもあってか、特にラウンドからストレートのスライスショット、フォア奥からの球足の短いドロップは高い決定力を誇り、大堀は対応が追い付かない。0-0から圧巻の11連続得点など、完全にコートを掌握した奥原が圧倒的な強さを発揮して21-4、類を見ない圧勝劇で3度目の全日本総合制覇を達成。充実感あふれる笑顔で会場の大歓声に応えた。

試合後の会見で奥原は「今大会は初戦から決勝戦まで、しっかりと足を動かした私らしいプレーをすることが出来ました。今年はなかなかタイトルが取れなかったので、この総合で優勝できてうれしいですし、この勢いをそのままに再来週のワールドツアーファイナルにつなげていきたいです。」と好調のまま終えた本大会を足がかりに、世界のステージでも躍動することを誓った。

女子ダブルス決勝

嬉しい初優勝、世界女王ナガマツペアが圧倒的なアタックで日本一の称号を奪取

2
  • 10-21
  • 21-15
  • 21-8
1

直近2回の世界選手権決勝戦と同じカードが全日本総合選手権決勝でも実現した。この大会2連覇中の日本女王、福島/廣田ペアに、世界2連覇中の永原/松本が挑む。

第1ゲーム、持ち味を見せたのは福島/廣田。「緊張して動きが硬かった(松本)」という相手ペアの出足が悪いと見るや、 上手くセンター、ネット前に配球してはスマッシュを沈め、序盤に7連続得点を奪うなど優位に進めていく。 ディフェンスでも相手の空いたスペースを突いたカウンターショットを多く放ち、得意の連続攻撃につなげて流れを引き寄せる。 終始相手の動きをよく見て組み立てた福島/廣田が21-10として幸先よく先取した。

第2ゲームも序盤は松本のエラーが目立ち、速い展開に持ち込んだ福島/廣田が7-4とリードを奪う。 しかし「負けてもいいからと、とにかく自分たちのプレーを出し切ることを考えた。」という永原/松本が、 持ち前の伸びのあるショットを中心としたアタックラリーを展開しだすと、対する福島にミスが目立ってしまう。 永原のスマッシュを起点に、動きが良くなった松本がフロントコートでプッシュ、相手の動きの逆を突くネットショットと自在に球を決めるなどスピード感あるプレーが光り、 5連続得点で逆転し、そのまま最後まで攻勢を緩めず、相手ディフェンスを破砕して21-15としてゲームを奪い返した。

迎えたファイナルゲーム、「迷いが出てどうしていいかわからないまま、相手に攻め込まれてしまった。」と福島が振り返るように、 永原/松本の攻撃が次々に決まっていく。永原はミスなく堅実にゲームメイク、強打を続け、要所で永原が決めていく本来の形を発揮して11連続得点を奪うなど、 一方的な展開となる。後半は相手のボディに立て続けにスマッシュを決め、20-5とチャンピオンシップポイントを奪う。 簡単には負けられない福島/廣田もサービス回りから速攻を仕掛けて反撃するが、既に手遅れであった。 最後は永原がスマッシュを打って、松本がネット前に詰めてプッシュを決め21-8、永原/松本が初の日本一の栄冠に輝いた。

試合後、歓喜で松本は涙ぐみ、「遠かった全日本総合のタイトルを取れて、今日はいい日になりました。」と、素直な気持ちを語った。 その後行われた記者会見でも永原/松本は「優勝を目指していた今大会、試合を重ねるごとに自分たちの形ができてきて、決勝戦は出だしが良くなかったが、 しっかり切り替えていい形に持って行けたのが良かったし、次につながる試合になったと思う。」と口をそろえた。

混合ダブルス決勝

プレッシャーのかかる中での勝利、次につながる3連覇

2
  • 21-13
  • 21-15
0
  • 西川裕 次郎(NTT東日本)
  • 尾﨑 沙織(NTT東日本)

3連覇に王手をかけた日本の混合ダブルスを牽引する渡辺/東野が全日本社会人優勝の西川/尾﨑の挑戦を受ける対戦となった。男子がともに左利きで切れ味のあるスマッシュを武器としているので、前衛での攻防でいかにチャンスメイクできるかが優勝への鍵となった。

最終日のオープニングゲームとなったこの試合、会場に詰め掛けた観客が固唾を飲んで見守った。そんな中、お互いに様子を伺うかのように渡辺がスマッシュを決めれば、西川も負けじとスマッシュを突き刺す。8-8から東野がネット前に素早く入り、シャトルを沈めてチャンスを演出する。渡辺はスマッシュの強打だけでなく、「自分が前に出され,パートナーが後ろに回されるようになってしまった。」と西川の振り返ったようにドライブを左右に打ち分けて揺さぶって攻撃の機会を与えず、着実に点数を重ねていく。ゲームをコントロールした渡辺/東野が21-13で奪う。

第2ゲームも渡辺/東野が主導権を握る。ネット前、後衛からの攻防もテンポがゆっくりした展開では、尾﨑が前で止めたりとチャンスを作れるものの、スピードに乗った渡辺/東野の前後左右への素早いタッチに対応できない。強打でのアタックで攻めたてたと思えば、渡辺が緩急を利かせてドロップでエースを奪うなど得点パターンが豊富で、さすが世界トップクラスの試合運び。終わってみれば、終始スピードで圧倒して一度もリードを許さなかった渡辺/東野が21-15で3連覇を果たした。

試合後、渡辺は「3連覇がかかっていたので、力が入る時もあったが、楽しくできたのは今後につながると思う。オリンピックに出られるのは決まった訳ではない。気持ちを新たに戦っていきたい。金メダルを持って帰れるように頑張りたい。」と話せば、「プレッシャーの中で勝てたのは自信になった。今後のオリンピックレースの中でも自分たちらしくやりたい。」とさらなる高みを見据えていた。

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